『カンマを伴う分詞句について』(野島明 著)
第一章 「カンマを伴う分詞句」をめぐる一般的形勢、及び基礎的作業

第3節 カンマの有無を契機とする「制限的修飾」と「非制限的修飾」


〔注1−24〕

   本文で記号*のことを、「不適切な英語表現であることを示す記号」と説明しておいたが、この記号については「目からうろこ」のような記述がある。言われてみれば確かにその通りなのである。

記号*の用い方は、言語学者によってかなり恣意的な差異がある。この記号自体は、もちろん、まったく明示的で完全な文法理論の枠組のなかでのみ明確に定義しうるものであるが、残念ながら、そのような理論は存在しない。(J. T. グリンダー/S. H. エルジン著、鏑木英津子訳『入門変形文法』第二章冒頭部に付けられている注、pp.22--23)(下線は引用者)
   このような事情を指摘し得る以上、「不適切であると筆者(Michael Swan)が判断している英語表現であることを示す記号」と記述する方が適切であることになる。

(〔注1−24〕 了)

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