第5節 「脈絡内照応性」と「カンマ」の関係
〔注1−41〕
「the + 名詞」については「脈絡内照応性」が既に実現されており、そのことを受け手に伝える働きをする脈絡は既に示されているからその脈絡を参照せよ、という話者の示唆が不実である場合、受け手がどんな体験をすることになるのか、その具体例を実際に見出すことは極めて稀であり、そのような例に出会えるのは偶然に過ぎない。
以下にその一部を引用した記事(約380語)では、「……………」の箇所(約170語)と最後の部分を約60語(著作権を考慮して)省略してあるが、省略した箇所にも、当該名詞句の直前の箇所にも、"The edaily financial news Web site"に照応する語句は見当たらない(nytimes.com参照)。「この電子日刊金融ニュースサイト」の正体は不明であるとしか言いようがなく、もしもこれが(固有名詞の標識ともなる大文字ではなく、小文字で表記されてはいても)固有名詞であるのだとしても、私には全く心当たりがない。四文字の卑語が思わず口をついて出そうになる、ここではそんな体験ができる。「示唆」は不実であってはならない、これは作法である。
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An Air China official told Reuters in Seoul 80 to 90 percent of the passengers were Korean.
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ソウル発(ロイター)北京発の中国国際航空機(搭乗者数166名、殆どが韓国人)が月曜日、雨と霧の中、韓国第二の空港近くの山中に墜落したと航空会社及び現地当局者は発表した。
(注) EDT : Eastern daylight time「合衆国東部夏時間」
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