『カンマを伴う分詞句について』(野島明 著)
第二章 個々の読解の在り方を吟味する

第2節 【読解  その2】について


〔注2−9〕

   この手の見解を披瀝している学習用文法書には事欠かない。

2つの部分のそれぞれの内容をつかんだ上で、両者をもっとも自然な形で結びつける接続詞を考えればよいのである。(杉山忠一『英文法詳解』P418)

分詞構文が、時、原因・理由、付帯状況などのどの意味関係を表すかということは文脈によって決まってくることで、そのいずれであるか常に明確に識別できるとは限らない。
(安井稔『改訂版 英文法総覧』p.232)

分詞構文は、その分詞を[接続詞+動詞]に書き直してみれば、容易に意味が理解できる。そのとき、いかなる接続詞を選ぶべきかは、まったく文の前後関係を見て、判断するほかない。
(木村明著『英文法精解』pp.518-519)

意味を考える時は、例文1.〜6.に示すように、
@時 A理由・原因 B条件・仮定 C譲歩 D付帯状況 E結果
などのどれに近いかを文脈に応じて考えていく
(山口俊治『全解 英語構文』p.146)(太字体原文通り)

【解説】過去分詞の分詞構文が主文に対して持つ意味上の関係は(現在分詞の場合と同じで)、分詞を含む文全体から適当に判断すべきものである。したがって、分詞だけでは、時・理由・条件などと明確に分類できないものも多い。
(江川泰一郎『改訂三版 英文法解説』,236)

分詞構文の表わす意味は文脈によって決定される。次のような、同じ分詞構文の文脈によって異なる意味を区別する。
(中原道喜『マスター 英文法』p.394)

(〔注2−9〕 了)

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