第六章 開かれた世界へ
第5節 解読という誘惑
〔注6−39〕
PEGの記述に対応する記述をZandvoortにも見ることができる。まず、「主節の代わりをする現在分詞句」に関連する記述と文例。
自由付加詞[free adjunct]として働いている現在分詞を中心とする語群[present participle group]は等位節に実質的に[practically]等価なことがある。このような場合、分詞は定動詞によって示されている活動作用に先行あるいは後続する活動作用[action]を表わすことがある。分詞は必ずしも明白に継続相[durative]であるとは限らず、その反対であることがよくある。口頭英語[Spoken English]はたいてい等位節を用いる。
Seating myself I began to read ( = I sat down and began to read).
Entering a covert, she walked along a ride.
Young men by the dozen came up, asking her to dance.
(Zandvoort, A HANDBOOK, 83) (最初の文例にカンマがないのは原文通り。下線は引用者)
次に、「従位節の代わりをする現在分詞句」に関する記述と文例。
(目的辞や付加詞を伴っている場合はそれらを含めた)現在分詞は、主として時・理由や付随的状況の副詞節に等価であることがある。話体英語[spoken English]は普通、従位節の方を好む。
Arriving ( = when he arrived) at the station, he found his train gone.
Not knowing ( =As she did not know) what to do, she applied to me for advice.
She wrote him a friendly letter, thanking him for his help and sending him her best wishes.
こうした文においては、(分詞に随伴する語群を伴った)分詞と文の他の部分との間には明白な休止[clear break]があり、分詞を中心とする語群はいわゆる自由付加詞[FREE ADJUNCT]を構成する。
(ibid, 82)(下線は引用者)
(〔注6−39〕 了)
|