『カンマを伴う分詞句について』(野島明 著)
第七章 開かれた世界から

第4節 "Using ......"や"Referring to ......"


〔注7−33〕

   Curme, Syntax, 17-4. Absolute Participles. [絶対分詞]の一節では、「述辞並置要素」は「副詞節の意味力を有する」とは説明されず、「英語では、現在分詞を伴う述辞並置構造[predicate appositive construction]は極めてありふれた形式の縮約的副詞節[abridged adverbial clause]である。」と宣言された上で、次のように述べられる。

縮約的分詞節は普通、主節の主辞と同一な主辞を有し、述辞並置要素として条件・原因などの副詞的関係を表わす。数多くのこれらの節は時間の経過とともに条件・原因・譲歩などの定型的副詞要素[set adverbial elements]となった。そして明白な主辞と結びついているともはや見なされることがないのは、他の副詞の場合と同様である。

   'Taking all things into consideration (もはや主辞に対する並置要素ではなく、条件の副詞要素[adverbial element of condition]), his life is a happy one.'

こうした節を分析しようとする場合、当然のことだが、明白な主辞を見出すことは出来ない。なぜなら、その節はもはや主節[principal proposition]の主辞との関係を持たないからである。その節は明白な主辞を持たず、不定の[indefinite]あるいは一般的な主辞[general subject]を有すると感じられるのである。つまり、"if one takes all things into consideration"に等しいのである。
   (CURME, Syntax, 17-4. Absolute Participles. [絶対分詞])
   (下線は引用者)(「こうした節」とは分詞句"Taking……"のこと)

(〔注7−33〕 了)

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