第七章 開かれた世界から
第5節 「文章体」なのか、「文語体」なのか
〔注7−50〕
「継起の分詞構文」の例としては次のものが挙げられている。
(3) a. John, taking out a cigarette, lighted it and smoked quietly.
b. John took out a cigarette and, lighting it, (he) smoked quietly.
c. John took out a cigarette and lighted it, smoking quietly. (大江三郎『講座第五巻』、p.225)(下線は引用者)
「同時生起、それに継起の分詞構文は時や理由を表わす、従属節にパラフレーズされるような分詞構文とは異なり、話しことばにもふつうに用いられる。」(ibid、p.226)(句読点は原文のまま)と述べられているが、「話しことば」をもう少し厳密に規定しない限り、私にはこの記述の妥当性については判断を下せない。ただ、このような分詞句は「即応的談話」において「ふつうに用いられる」とは思えない。
(〔注7−50〕 了)
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