『カンマを伴う分詞句について』(野島明 著)
第七章 開かれた世界から

第5節 「文章体」なのか、「文語体」なのか


〔注7−52〕

   この箇所の記述全体を引用しておく。

6.分詞構文
この構文は書き言葉に多く用いられ、文体上の効果をねらって使われるもので、会話などではあまり用いられない。日常的なことを述べる会話文では、分詞構文はきわめて少ない。
(1)分詞構文の表す意味:
代表的な意味である、付帯状況、時、原因・理由などの例を考えてみる。生徒は分詞構文を用いて書きたがるが、あまり分詞構文をむやみに使わないように指導したい。分詞構文を、よく接続詞を用いて書き直す問題があるが、あまり感心しない。分詞を用いて書かれた文は、それなりの理由があってそのような形をとっているのであるから、機械的に書き直しをさせることは避けたい。接続詞を用いて書かれた文を分詞を用いて書くことは、説明としては納得がいくが、文体上違いがあるものをイコールで結ぶのは問題があろう。
(綿貫陽・淀縄光洋・MARK F. PETERSEN 『教師のためのロイヤル英文法』p.145)(下線は引用者)
   以下は、別の助言。
英作文などでやたらに分詞構文を使うと、どちらかと言うと、堅いガチガチの受験英語らしい英文になる危険がある、まずそう覚えておいてください。
(山口俊治『英文法講義の実況中継(下)』、pp.1--2)(下線は引用者)

(〔注7−52〕 了)

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