現在作成過程にある"the American National Corpus"を初めとして、すでに複数の言語資料集成が存在する("the American National Corpus"は完成すると1億語以上の言語資料となるとのことである)(On Language: Corpus Linguistics By JOHN ROSENTHAL, The New York Times Magazine ON THE WEB, August 18, 2002)。ただ、英語圏の言語資料集成の致命的欠点は英文に「和訳」の添えられていないことである。これは余りに重大な欠点であるために、時には使い物にならないという判断の根拠ともなりかねない。こんな呟きに、英語教師はきっと同意してくれるであろう。
PCとWebの結合によって実現。
WebとPCがなければ、【現代英語力標準用例集】の用例収集には莫大な費用(数百万〜千数百万円)が、また用例を全訳した上での分類・整理(HTMLファイル数:約5600、容量:約15メガ)には途方もない時間(10年以上)がかかったはずだ(つまり、この用例集は実現しなかったはずだ。私にはそんな金も根気も動機もない)。和訳するに際しても、関連情報の収集にWebはいかに有効であったことか。『現代英語力標準用例集』は紛れもなくWebの可能性を実証するものだ。
英語の学習材として教材として資料として。
英語の学習材・教材の文例の貧困と退屈さは長年の英語講師経験のある私は身をもって体験している。
今世界に流通している普通の英語を学習材・教材にすることで、少なくとも、文例の貧困と退屈さからは逃れることができる。
また、英語教師には指導の参考資料として絶えず参照して欲しい。
この用例集は英語上級者(大学受験生の場合は最上位層)を対象としているため、誰にとってもそのまま有益であるということにはならないかもしれないが、学習目標にはなるはずである。この用例集に収められている程度の英文を読めるようになることが英語学習の目安になるといっていい。
テレビのCM中にでも眺めて欲しい。
視聴者は番組を見るのと同じようにテレビCMをおとなしく見つめていると思いなしている(振りをしている)のは、テレビ局関係者と広告代理店と広告提供企業関係者だけである。私が生理用ナプキンのCMをじっと見ているものか。ビデオに録画して見れば、民放の二時間ドラマを見る時間は一時間で済む(皆承知していることである)。PC機能つきのテレビも出回っている今、見たくないCMの時間は、『現代英語力標準用例集』から適当な用例を選んで眺めて欲しいと考えている。勉強というほどのことではない。見たくもないCMよりは面白いはずだ。
さらに、「インターネット関連業界に幾ばくかの元気を」参照。
記 二千二年九月