枕の役目

人間が立っている状態が頸椎(脊椎の内首から上の7個)の自然な形です。しかし眠る時の状態はどうでしょうか。枕無しの場合は、立っている時に比べ頸椎が背中側に少し曲がり、姿勢はやや反り返り気味で、あごも上がった状態です。また高すぎる場合はその逆になります。このような状態は首や肩・背中などに負担をかけてしまい、肩こりや首の痛みなど体の不調の原因になります。そこで立っている時のような頸椎の状態をつくり出すために、枕が必要になってきます。また人間は平均で眠っている間に20〜30回の寝返りをします。その時の補助の役目もしています。
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図1 図2

枕の種類

硬さと中の素材

硬さ 詰め物の素材
柔らかめ ダウン・スモールフェザー・低反発ウレタンフォーム・パンヤ・真綿・羊毛わた・ポリエステルわた など
普通 ウレタンフォーム・ポリエチレン(パイプ、球形、空豆状) など
硬め そばがら・備長炭・檜・石・セラミック・小豆 など

*ただし、詰め方や量で若干変わります。

色々な製品

  1. 高さが調整出る物
    ・中味を出し入れできるもの
    ・ひもなどで形を変えられる物
    ・薄い物を自分の好みで重ねる物
  2. 支える部分ごとに分かれている物
    ・首、頭などの支える部分で違った詰め物が入っている物
    ・真ん中がへこみドウナツ状の物
  3. 洗える枕
    ・家庭用洗濯機で丸洗い出来、比較的早く乾く物
  4. 磁気枕
    ・普通ウレタンフォームに磁石を埋め込んであります。
    ただし長期使用より1ヶ月ごとに違う枕と交換しながら使う方がよさそうです。
  5. 頭を冷やす物
    ・蓄冷材を使った物
    ・石。セラミック、水晶など放熱性の高い素材を使用した物。
  6. 香りのする物
    ・檜チップやお茶、香料を詰め物の一部に使った物

自分にあった枕とは? 

  1. 高さが合っていること。
    枕の高さが合っていないと肩こりなどの原因になることは前述しましたがその高さとはどのようにして測るのでしょうか。専門の器具もありますがここでは簡単に測れる方法をご紹介します。まず、壁などに背を向けて立ちます。そして腕を90度くらい曲げて本を持ってそれを見ているような状態を作ります。少し頭が前傾している感じです。その状態で壁と頸椎の隙間を調べます。(一人では無理ですので手伝ってもらいましょう)その数字がその人に合った枕の高さの目安になります。どのような敷ふとんを使用しているかによって、この数字も変わります。沈み込み具合などが違うからです。
  2. 中が蒸れにくいこと
    頭から発散される熱や湿気がこもりにくいことが大切です。頭寒足熱を妨げないよう注意すること。一般にそばがら、プラスティック(パイプ、球形、空豆状)の物は通気性があり湿気を外に逃がしやすくなっています。またタオルなどを掛け湿気を取るのも方法です。
  3. 好みの硬さや感触であること
    上の表を参考に自分の気にいた物を選びましょう。好みは一人一人違います。
  4. 大きさや形が合っていること。
    枕は、寝返りをしても頭が落ちないような大きさであることが必要です。その人の肩幅位を基準にすれば良いでしょう。横になって眠る時は少し左右の外側が高いと良いようです。タオルを畳んで両側の下に縫いつけると良い高さになります。最近は様々な形、大きさの物が市販されています。
  5. 臭いや音が気にならないこと
    詰め物によって、音がしたり、臭いのする物があります。売り場ではそんなに気にならなくても家で使うと気になり、せっかく購入した枕が使えない、ということがあります。頭につけてみるなりして慎重に選んでください。

日頃の手入れ

枕のカバー、ピロケースは汗や油、整髪料などで汚れやすくまたフケなども付着します。こまめに取り替え清潔な状態で使いましょう。フケはダニの餌になります。また枕自体もふとんを干す時に一緒に干して掃除機を掛けると良いでしょう。特にアトピーなどダニが気になる方はこまめにやりましょう。
掛ふとん、敷ふとん、枕の中で、特に枕を清潔にすることにより症状が改善されたという報告もあります。

枕の寿命

中の詰め物がつぶれたり、ヘタって来て本来の高さを維持出来なくなったら買い換え時です。一般に天然素材(そばがら、パンヤなど)で3年くらい、その他でも4〜5年といわれています。