私が資格取得にこだわる訳

西川 敏弘 


解 説

 

この文章は、私の勤務する県立神戸工高(定時制)「情報技術科だより」で生徒への資格取得啓蒙を行った記事よりの抜粋です。

なおこの文章は 雑誌「インターネットアスキー98」8月号(P433 趣味道【資格道】)でも「作者の気迫が感じ取れる」と評価されました。

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すでに、私が授業に行っているクラスの諸君には話をしたことがあると思いますが、「資格・検定」というものは、非常に不思議な力があります。勿論資格検定だけがすべてではないことは解っています。

しかし、定時制高校というだけで、同じ高卒なのに、本校卒業生という肩書きだけでは、不利と思っている人が多いのはなぜでしょう。

要するに、世間では、定時制では、まともに授業をしていないのではないかという疑問があり、勉強していなくても卒業できるという誤解があるからです。

誤解無きように言いますが、私は、働きながら学ぶ生徒の君たちは立派で、勉強したいという気持ちがよくわかり、このような評価は不当だと思っています。

君たちが、情報技術に関する資格を積極的に取得することで、個人として信用されることは勿論ですが、資格には全日制も定時制も関係もありません。

逆に言うと、これだけ、困難な状況でもこれほど頑張る人であるという証明にもなるでしょう。そして、私たち 教員にとっては、検定試験に取り組むことにより、君たちの「意欲」を高めることや学習の目標ができ、「授業のレベルを確保すること」が定時制の評価を高めることになると思います。

それと、社会経験があり、本物を見抜く力を持つ諸君には、我々教員が本格派でなければならないと思っています。

 

私も、教員になる前コンピュータメーカーの製品設計エンジニアとして勤務しながら学校に通ったことがあります。

その時からの経験で言えることですが、電子情報通信技術分野は、技術の広がりが大きく、進歩も早く、常に技術を習得し続ける姿勢が必要です。 学校だけの知識で、自分がその道の専門家であることを称するような時代ではありません

また、自分自身の知識がどれだけあるかということを常にアピールしなければいけないことも非常に多くありました。

世間では、脳ある鷹は爪隠すという言葉もありますが、どちらかというと能力を認めて貰う方が難しく、そのためにも多くの仕事関連の資格が必要でした。

私以外の情報技術科の先生にも、情報技術科教科関連の国家資格取得者が多く、全員がそれぞれの指導実績をお持ちです。これら資格指導については、他校全日制の教員スタッフと比較しても遜色がないと思います。(だからこれだけの数字が出るのだと思います)

(本校情報技術科卒業生は平均3種類の資格を持って卒業しています)

資格検定は1回で合格することがすべてではない

つねに挑戦する気持ちをもつこと!

 

検定は、決して1回で合格するだけがすべてではありません。本校情報技術科の卒業生のA君は、何度も何度も検定に不合格となりましたが、受験を続け、合格し、さらに上級の資格へと進みました。時間がかかろうとも努力する姿勢が大切であり、いつ合格したかということはそれほど問題ではありません。結局、彼は全日制高校と同様なレベルの資格も取得でき、これが評価につながり、就職の有力な武器となったのです。

1998.6.28改訂


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