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だよもんド=アイ投稿専用掲示板過去ログ#3 運用2000年6月2日〜2000年7月30日

[22] 第二十三話『野望の王国! 獣の様にしなやかに』の巻 投稿者:○川 投稿日:2000/07/31(Mon) 10:03:27

このままだと、このHPから戦力外通告のこのコーナー(もとから?)
仕事の最中に投稿だ
というわけでTVアニメ版守護月天と並ぶ
だよもんド=アイ第二十三話『野望の王国! 獣の様にしなやかに』の巻


じりじりじり.....
肌を焦がすような直射日光を避け
ビルの影を歩いても滝のように汗が流れ落ちる

「あう〜...あっついよ〜」
「確かに凄いな、東京の夏ってこんなんだったかなあ...」

東京の街中を歩く祐一と真琴
祐一は水瀬家に来る前は、東京には何度も来たことがあった
それでもこの暑さは異様に感じている

「ねえ、肉まん食べに中華街行こう」
「お前な〜、何しにこっちに来たと思ってんだ」
「ねえ、行こう横浜」
「駄目ったら駄目だ。俺達は天野を迎えに来たんだぞ」
「あう〜」
「それに、書いてるやつが中華街にイヤな思い出があるから無理だな」
「あう〜何それ」

美汐の居場所を知った祐一は、真琴を連れて上京してきた
本当ならもっと早く来たかったのだが
長欠をしていた手前、夏休みになるまで待たねばならなかったのだ

「祐一、あれかな?」
「Piaキャ○ット2号店、そうだな」

からからん、祐一がドアを開けると来客を告げるベルが鳴る

「いらっしゃいませ」
レジの女の子の元気の良い声が響く
「あ、いや、客じゃないんです。
こちらに日○森 美奈さん、いらっしゃいますか」



ところ変わって、ここは北の街の喫茶店

香里「東京に?」
名雪「うん、そうだよ。あれ、香里は聞いてない?」
香里「引っ越す前の友達にでも会いに行ったのかしら」
名雪「ううん、美汐ちゃんの居場所が分かったから迎えに行くって。
真琴も一緒だよ」
香里「天野さんから連絡があったんだ。よかった、栞も心配してたのよ」
名雪「ううん、本人からじゃないよ。別の人から北川君に」
香里「北川君に? どうして?」
名雪「ほら、修学旅行で行ったレストラン、覚えてる?」
香里「忘れろと言われても忘れる筈がないわ...」(第15話)
名雪「あそこにいた女の子、ミーナちゃんとか言ったよね、
あの子に教えてもらったんだって」
香里「.....」
名雪「それで北川君が祐一に教えてくれたの」
香里「.....」
名雪「北川君、今もあの子と時々連絡とったりしてるみたいだよ」
香里「.....」

当然情報源は秘密にするよう、北川は祐一に念を押したのだが
結果は見ての通りであった...



で、その情報源はと言うと...

美奈「まだ、戻って来てないんです」
祐一「どうして名古屋に行ったんですか?」
美奈「さあ、ミーナには分からないです。
ただ名古屋に行かないといけないって」
祐一「それに、天野はどうしてここで働いていたんですか」
美奈「詳しくは分かんないけど、
お金がなくて帰れないから旅費を稼ぎたいって。
彼女、以前ここに来たことあったから」
祐一「なのに、そのお金で名古屋に行ってしまった」
美奈「たぶん...」
祐一「仕方ない。二三日安いトコに泊って待ってみよう。」
真琴「あう〜、お腹減った〜」
祐一「分かった分かった。よし、ここで食っていこう」
美奈「ありがとうございま〜す。こちらのテーブルへどうぞ」


志保「あ〜あっついわね、もう。早くどっかに入りましょ」
浩之「お前、どんなときでも文句ばっかり言ってないか」
志保「何よヒロ、だったらあんたにはおごってあげない」
あかり「何かいいことでもあったの?」
志保「バイト代が入ったのよ。今日はリッチな私に感謝しなさい」
浩之「何のバイトだか」
志保「いちいち突っ掛かるわね、あんたは。」
あかり「あ、ここなんかどう」
浩之「いいんじゃないか」
志保「あれ、ここは...」

からんからん
美奈「いらっしゃいませ〜」

席に着く一同
あかり「よっこらしょっと」
浩之「それ、オバサンくさいぞ」
あかり「そうかな、よっこらしょは江戸っ子の粋なんだよ」
浩之「違うと思う...」
志保「さ、雅史 何でも頼んでいいわよ」
雅史「みんなそんなに気をつかわなくていいよ」
浩之「いや、気をつかうってわけじゃ。」
あかり「でも雅史ちゃん、このところ調子悪いし」
志保「そうよね、先週の清廉学院との試合なんて最悪だったし」
浩之「名古屋であんなことがあった後だしな」
雅史「ぼくは大丈夫だってば。こう見えても名古屋以外にも
ニ球団からスカウトが来たんだよ」
志保「へえ、どこどこ?」
雅史「京都SンガにVフォーレ甲府だけどね」
あかり「.....」
浩之「京都じゃ、あの連中と一緒だし」
志保「甲府....」
雅史「今はさ、選手権を目標にして他の事はあまり考えない様にしてるんだ。
   そこから先は自ずと道が開けてくるよ」
志保「何よ、結構しっかりしてんじゃない」
あかり「心配して損した?志保」
浩之「清廉戦で調子悪かったのは田沢さんが来れなかったからじゃないのか」
雅史「ひろゆき〜」
志保「あ、私これにするから頼んでおいて」
浩之「ああ」

席を外すとレジの美奈の方に近づく志保
志保「ちょっと、あなた」
美奈「あ、やっぱりいつかのレポーターさん」
志保「しっ、声が大きいわよ。TV局のバイトはみんなには内緒なんだから。
   やっぱり、あの時の店だったのね、ここは」
美奈「はい、またTVで取材してくださいね」


真琴「あう〜肉まん肉まん肉まん」
耕治「すみません、当店では肉まんはお出ししていないんです」
真琴「やだ〜肉まん肉まん肉まん」
祐一「いいかげんにしろっ、お前は」

雅史「何だろ、あれ」
あかり「おかしいね」
浩之「あの二人、会ったことなかったかな」
あかり「え?知らないよ」
雅史「浩之、知ってるの?」
浩之「いや、知らない筈なんだけど、なにか..」

真琴「あう〜肉まん〜」
祐一「ないものはないのっ」

その時、彼等の身に信じられない事態が!!
「お待ちなさい!」

祐一「え?」
その声の主は一人の老人だった
老人「お嬢さん、私の王国で好きなだけ肉まんを食べさせてあげましょう」
浩之「あ、あんたは」
志保「ブラジルでライオンに食われたMツゴロウさん!」

べしっ!!
次の瞬間Mツゴロウのネコパンチが炸裂し
志保は積んであった食材の山の中に突き刺さった

志保「あいたたた..我ながら随分と丈夫になったわね
   ジャーナリストへの未来が見えてきたわ」
美奈「大丈夫ですか、レポーターさん」
志保「それは内緒って言ったでしょ。
   にしても何なの、じいさんなのにこの力は?」

Mツゴロウ「さあ、私の王国で材料よりどりみどりの肉まんを食べましょう」
真琴「あう〜行く〜」
祐一「馬鹿っ、お前が肉まんの材料にされちまうぞっ」

ぎゅ〜っ
真琴を抱き締めて頬ずりするMツゴロウ
真琴「わ〜何すんのよ、放せっ!」
志保「出たわね、どう見ても動物はイヤがっているとしか思えない
   必殺のスキンシップが」
Mツゴロウ「よ〜しよしよし、これはイヌ科の喜びの表現なんですね〜」
あかり「そうなんだ..」
祐一「そんなわけあるかっ、真琴を放せっ」

ぶんっ!
Mツゴロウのネコパンチが祐一を襲う
ばきい!
間一髪、祐一がかわしたため
ネコパンチはテーブルを真っ二つにした

美奈「また お店が〜」
Mツゴロウ「よくかわしましたね〜、なかなかやりますね〜」
祐一「ふん、避ける事の重要さを以前教えてもらったからな。
   にしても、この威力は...?」
Mツゴロウ「私はだてにスキンシップをしてるわけではないんですね〜
   スキンシップによってその動物の能力も吸収しているんですね〜
   ですから私のネコパンチはライオンと同じ威力があるんですね〜」
あかり「そうなんだ...」
雅史「ねえ、またこんなパターンだね」
浩之「うん..」
Mツゴロウ「私の目は誤魔化せないんですね〜
   そのお嬢さんイヌ科の臭いがしますね〜
   何としても私の王国に加えるんですね〜」
祐一「な、何の事だ..? と、とにかくそんなことさせるかよ」

がさがさ、
祐一はカバンから『まこと操縦マニュアル』(天野美汐・著)を取り出した
祐一「え〜と、まずはこの紙袋を...」

がほっ
いつものぞんざいな紙袋を被せられる真琴
祐一「これで変身は完了...」
まこと「あう〜っ」
雅史「ねえ、何やってんの、あれ?」
浩之「さあ、考えたくもない」

祐一「次は攻撃です...大車輪ロケット食材...」
幸か不幸か、ここには食材が山の様にあった
まこと「あうあうあう〜」
べしゃ!べしゃ!べしゃ!
Mツゴロウに食材をヒットさせるまこと
美奈「あ〜ん お店が〜 」

しかしMツゴロウは全くひるまない
Mツゴロウ「ん〜みなさん知ってましたか〜
   動物も人間と同じで照れるんですよ〜
   この子は本当は私に遊んで欲しいんですね〜」
あかり「そうなんだ...」
志保「何でも信じないのっ」

ぎゅ〜
再び地獄のスキンシップを始めるMツゴロウ
まこと「あうあう〜」
祐一「放せってんだ、このっ」
Mツゴロウ「無駄なんですね〜、私の締め付ける力はクマ並なんですね〜」
あかり「ね、クマってすてきでしょ」
志保「こんな時にこんな事言うかね、この子は」

ぼくわ〜〜〜〜〜んんん!!!
店の天井をぶち破り金のシャチホコが落ちて来た

美奈「あ〜ん いよいよもってお店が〜」
耕治は崩れた壁や天井の下敷きになっていた
美奈「あ〜ん また耕治さんが死んじゃいました〜」
志保「またって、あなた...」

金のシャチホコに跨っていたのはもちろん...
アイ「今日は皆さんに紹介したい人がいます。  
   正ヒロ会の守護神だよもんド=アイさんです!
   ちゃらっちゃ〜んちゃらっちゃ〜んちゃんちゃん、だよもん」
浩之・祐一「またお前かっ!」
祐一「え?」
浩之「あんた...」

お互いに視線を向ける二人
そのとき大穴の空いた天井から声が..

アイ『そこまでだよもん!』
志保「何で現れた後でそのセリフを?」
アイ「今のは現れる前にしゃべったんだよもん。
   このシャチホコは超音速で飛べるから
   セリフの方が後から来たんだよもん」
浩之「お前、そのシャチホコ、この前名古屋で...」
祐一「名古屋?」
アイ「ふっふっふ、コンコルドのエンジンを搭載してパワーアップした
   この改造シャチホコは最大マッハ2で飛行可能なんだよもん。
   と言うわけでそこの老人よ、その様なイリーガルヒロインとの
   スキンシップにうつつを抜かしてはダメなんだよもん」
Mツゴロウ「ん〜この子はネコ科の臭いがしますね〜 
      是非私の王国の仲間に加えるんですね〜」

ぎゅ〜
スキンシップの餌食となるアイ
アイ「ぐえっ、放せだよもん」
Mツゴロウ「いいですね〜ネコ科の動物らしい行動ですね〜」
アイ「放さないなら食らえだよもん!外道焼身霊波光線!」

べかべか〜
まばゆい光がMツゴロウを照らす
Mツゴロウ「ネコ科の動物らしいリアクションなんですね〜
      もうなんとしても連れて帰るんですね〜」
アイ「げ、全然変わらないんだよもん。
   こいつ昔も今も考えてる事が同じなんだよもん」

アイはMツゴロウにしがみ付かれたままシャチホコに跨った

アイ「こうなったら超音速で振り落としてやるんだよもん」
ごごごごご....
空へ飛び立つシャチホコ、しかし

雅史「ねえ、あれ..」
浩之「火、吹いてるな。エンジン....」

どか〜ん!!!
海上に達したところでシャチホコは爆発し
アイとMツゴロウは海に落ちていった...

雅史「終わったの?」
浩之「ああ...」
志保「だといいいんだけど...」
美奈「でも お店が〜」

そんな彼等を沈む夕陽が真っ赤っ赤に染めるのだった...
あかり「まだ昼だったはずだけど..」
祐一「あの、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


一方ここは、とある海水浴場
ゴムボートに乗った一組の男女
リアン「今日は楽しかったですね」
健太郎「ああ、また来ような。あれ、もう日が暮れてきたのか?
    もうそんな時間だっけ?」
リアン「時の立つのも忘れてってやつですね。そろそろ戻りましょう」
健太郎「ああそうしよう、うわあっ!?」
ざばああっ!
Mツゴロウ「ん〜この子もネコ科の臭いがしますね〜」
リアン「スフィー姉さん助けて〜!」
健太郎「何だこれっ?」
スフィー「こら〜リアンをいじめるなっ、マジカルサンダーっ!!!」
ブラジルでピラルクともスキンシップしていたMツゴロウは
水の中でも自在に動けるのであった



さて、一方では
祐一「じゃあ名古屋で天野に..」
あかり「うん、会ったよ」
雅史「他でも会ったことあるよね」
祐一「今どこにいるかは」
浩之「そこまではちょっと」
祐一「そうか....」





静かに波が打ち寄せる人気のない浜辺
一人その浜を歩く人影....

「...?」

浜に一人の少女が倒れている
波に運ばれて打ち上げられたのだろうか

「それにしても凄い格好..」

三角巾のほっかむり、唐草模様のマント、耳のアンテナ
首からぶら下げた謎の黒い塊に、握り締めたポロン
地味な制服になぜか力士の着用するさがり

「どうしよう...」




一方、北の街では

一人足取りも軽く歩く少年
「少し遅れたかな、急ごう」
「北川君」

呼び止められて振り返るとそこには

北川「あ、月宮さん」
あゆ「久しぶりだね」
北川「よかった、元気だったんだ。あれ、羽のリュックは?」
あゆ「うん、あれは今、美汐ちゃんが持ってるんだ」
北川「え? 天野さんに会ったの?」
あゆ「ううん、違うんだ。それより北川君これから...」
北川「あ、そう、美坂達と待ち合わせなんだよ。月宮さんも行く?」
あゆ「北川君、ボク行かない方がいいと思うんだ」
北川「どうして?別に気を使わなくていいよ」
あゆ「そうじゃなくて」
北川「まあ、無理にとは言わないよ。それじゃ」

あゆをその場に残し、北川は一人駆けて行った
あゆ「ボクじゃなくて、北川君が、なんだよ...」

最近はあの怪人も現れないし、おかげでケガもすっかり直った。
香里も怒らなくなったし、最近は万事が順調だ
心弾ませ喫茶店のドアを開ける北川
からからん..
北川「わるい、待った?」
名雪「あ...」
香里「き〜た〜が〜わ〜く〜ん....」
北川「へ?」


その日の夜

筑紫哲也『今回の墜落事故は、二十世紀の物質文明の行く末を
     象徴した事件と言えるのではないでしょうか』

秋子さん「あう〜っ、懲りもせず取って付けた様なコメントだねっ」
秋子さん「お前が言うか、お前が」
秋子さん「それを言うのは酷というものです」
秋子さん「く〜」
秋子さん「.....早くみんな帰って来ないかしら...」





[21] 第二十二話「復活のアイ! 尾張名古屋に嵐吹く」の巻 投稿者:○川 投稿日:2000/07/11(Tue) 17:08:17

だよもんド=アイ第二十二話「復活のアイ! 尾張名古屋に嵐吹く」の巻


人それぞれの思いに関わりなく時は流れ、日常は何事も無く過ぎて行く

「浩平、朝だよ 」
いつもの声で目を覚まし
いつもの道を二人で歩く

一頃学校を休みがちだった瑞佳だが
また、以前の様に毎朝起こしに来てくれる。
今日はすんなりと家を出たので
ゆっくり歩いても時間には余裕があった。

「なあ、長森」
「ん、なに?」
「いや...何でもない」
語尾をにごす浩平

「おりはら〜、みずか〜」
交差する右の通りから二人を呼ぶ声がする。

「おう、七瀬」
「おはよう、久しぶりだね」

七瀬もしばらく学校を休んでいたので久しぶりの再会だ

三人で他愛もない話をしながら学校への道のりを進む。

浩平「やっぱり、あれは...」
七瀬「え、何?」
浩平「何でもないよ」
瑞佳「今日は浩平独り言が多いね」
浩平「独り言じゃねえよ」

始業に十分ほどの余裕を残して三人は教室に入った。
しばらく空いていた席に 久々にあるじが座っている。

浩平「住井も来たのか」
住井「何だよ、来ちゃいけないみたいな言い草だな。あ、長森さん おはよう」
七瀬「あ、真希も来てたんだ」
真希「私は昨日からだけどね」

珍しくチャイムと同時にヒゲ教諭がやって来てHRが始まった。

ヒゲ「お、七瀬に住井も来たか。久しぶりに全員揃ったな」

これで普段通りの生活が戻ってきたそのはずなのだが
心のどこかに違和感の様なものが残って消えない。

「なあ、事故のことを教えてくれないか」
 浩平は放課後三人に切り出した

七瀬「何よ、いきなり」
真希「あのときは、例の流星が落ちたとかいうのを見に行ったのよ」
住井「折原は確か、もう帰ってたんだよな」
七瀬「それで三人で放課後に..」
真希「三人だったっけ?」
住井「違ったか?」

結局そこからの三人の記憶はきわめてあやふやだった
何か爆発がおきたような、落雷に似た閃光を見たような気がする
と言うのが三人の思い出せる限界だった。

三人の長欠が始まった日から、入れ替わる様に休んでいた瑞佳が登校してきた。
以前の様に毎朝起こしに来てくれるようになった。
そう、あれは夢だったのかも。
今までの数々の信じがたい出来事
あれは何かの間違いだったんだ、きっとそうだ。
そうだ、週末には久しぶりに二人でどこかに行こうか。
「なあ長森、日曜空いてるか」



日曜日、ここは東京から遠く隔たった地名古屋。

志保「さっすがTヨタの出資だけあって設備は立派よね」
浩之「あんまり騒ぐなよ。来栖川の口利きがなきゃ
   俺達には見学なんかできないところなんだからな」
ここはJリーグ名古屋Gランパスの三好ヶ丘練習場
雅史がGランパスのスカウトの目にとまり
フロントの招きで施設の見学に来たのだ
おなじみの一同はそれにかこつけてちゃっかりと
本来は部外者立入禁止のところまであつかましくもやってきた

球団職員「どうですか、佐藤君。ウチはこれからチームの若返りを目指してるから
     君の様な若い力に是非入団してほしいねえ」
志保「ねえねえ、今回の主力選手三人の騒動の真相を教えてくんない?」
 ぽかっ!
浩之「静かにしろってのが分かんないのか、お前は。こっちへ来い」
 志保を引きずっていく浩之
職員「う〜ん、確かに今回の騒動のことを言われるとちょっとこちらも辛いな」
雅史「すみません」

一方グラウンドの脇で金網越しに練習を見ている女性陣

あかり「雅史ちゃん、本当にプロ選手になるのかなあ」
セリオ「なれたらそれだけでも凄いことですね」
圭子「・・・・」
セリオ「田沢さん、どうかしましたか?」
あかり「そうだね、もしそうなったら今までみたいに会えなくなるもんね」
圭子「いえ、そんなわけじゃ」
余計なことを言ってしまったかも、あかりは少し後悔した


職員「ちょうど今はグラウンドで練習やってるから、監督や選手達にも紹介するよ」
雅史「え、本当ですか?」
職員「もちろん。よかったら友達もどうだい」
雅史「ありがとうございます。浩之、志保、行こうよ」
志保「お〜お〜目が輝いちゃって。すっかりサッカー少年してるわね」
浩之「そりゃ実際サッカー少年だからな。ん、あれ何やってんだ?」

浩之の視線の先に映ったものは
女性陣をナンパする戦力外通告の三人の姿であった

レミィ「放してくだサイ。しつこい人は嫌いネ」
あかり「レミィっていつもこのパターンだね...」
M月「いいじゃん、俺達はS水商出身で日本代表なんだぞ」
H野「そうそう、と言うわけで俺はこのコね」
圭子「ちょっと、何するんですか。やめてください」
セリオ「田沢さんから手を放しなさい」
O岩「僕はこういうクールなコがいいなあ」
H野「おう、剛ちゃん渋いね〜」

あかり「浩之ちゃん、何とかしてよ〜」
志保「う〜ん、さすが地元の女の子を食いまくりと言うだけあるわね」
浩之「どこから仕入れたんだ、そんな情報...」
雅史「そんなこと言ってる場合じゃないよっ。」
雅史は圭子と三人の間に割って入る
雅史「やめてください」
H野「何だよ、お前は」
O岩「こいつ、今日見学に来ることになってたやつじゃないのか」
M月「あ、そうか。こいつ静岡じゃないから彼女共々可愛がってやれ」

「こら、大事なウチの新人に何をする」
「お前等はそれしかやることがないのか」
M月「あ、監督に副社長」
ジョアン=Kルロス監督「おまえ達はもう用無しだというのが言っただろうが」
K宮副社長「おまえ達三人はJリーグの怪獣墓場 京都Sンガで埋もれてしまえ」
O岩「そこを何とか、せめて僕だけでも残して下さい」
M月「あ、剛ちゃん一人だけ裏切る気か」
H野「こうなりゃ剛ちゃんもイジメてやれ」
K宮「お前等の行き着くところは結局それじゃないか。もう絶対戦力外ったら戦力外」
H野「そんな〜」
M月「どうすればいいにょ〜」
O岩「駄目ゲマ〜」

しかしそこに一人の男が現れた!

Tルシエ「そこまでザマス」
K宮「なんであんたがここに?」
Tルシエ「今回の騒動を聞いて急遽バカンス先から戻ってきたザマス。
     M月とO岩は代表の主力ザマス。H野は違うけど。
それを私に断りなく戦力外にするとは何事ザマス」
Kルロス「何でお前なんかに断らねばいかんのだ、このインチキフランス人」
Tルシエ「W杯、EURO2000連覇のフランス代表と引き分けたこの私に
     何たる口の利き方をするザマス」
Kルロス「そのフランス代表の連中は誰もお前のことなんか知らなかったじゃないか。
     モロッコに観光気分で来てるチームと引き分けた位で図に乗るんじゃない。
     私はブラジルでも自分のやり方で成功してきたんだから
     お前みたいなゲテモノ指揮官の指図は受けん」
浩之「何だかなあ、おい」
雅史「帰ろうか...」
Tルシエ「おお、そこにいるのはいつぞやの美少年ストライカーザマスね
     君が入団するならあの三人は抜けてもいいザマス」
M月「監督、そりゃないっすよ〜」
O岩「このままじゃ、俺達いたいけな日本代表は名古屋の夏空の下路頭に迷うにょ〜」
H野「俺も忘れないで欲しいんですが」
Tルシエ「心配要らないザマス。君達三人はイタリアの人買商人、
     PルージャのGウチ会長に移籍を申し込んでおいたザマス  
     M月50万円、O岩100万円、H野25円の移籍金でOKザマスよ」
Kルロス「勝手に話を決めるんじゃない、このマザコン男色家め」
Tルシエ「ママの悪口を言うやつは許さないザマス」
H野「俺は25円かよ〜」
M月「名古屋との別れの思い出に一晩つきあってちょうだ〜い」
レミィ「放せと言うのが分からないのデスか、この戦力外」
K宮「おまえ達はタダでVァンフォーレ甲府にでもくれてやるわい」

Yahooの掲示板の様な見苦しい言い争いが続くその最中

「ひさしぶりにそこまでだよもん!」
浩之「え?」
志保「どこ、どこよ?」
セリオ「上です!」
アイ「はい、御名答だよもん」
空から金色に輝くシャチホコにまたがったアイが舞い降りてくる
どくわ〜〜ん!!!
シャチホコはクラブハウスを吹き飛ばして大地に降り立った

轟音を聞いて練習中の選手や見物のサポーターも集まってきた
Y口主将「なあ、何だあれ?」
Sトイコビッチ「日本に来て七年になるが、まだまだこの国は謎が多いね」
R比須「ボクは13年だけど、やっぱりあんなの見たことないよ」
N崎「ひょっとして名古屋ローカルのタレントかなんかじゃ」
アイ「余をつぼイノリオと一緒にするなだよもん。金太の大冒険もびっくりの
正ヒロ会の使者だよもんド=アイ、久しぶりに帰ってきたんだよもん」
志保「あの歌のカラオケ入ってる店、少ないのよね」
レミィ「お帰りなさいアイさん、また会えて嬉しいネ」
アイ「おう、パンツ娘、汝も元気だったかだよもん」
あかり「別に帰って来なくていいのに」
浩之「お前、そのシャチホコは...」
アイ「尾張名古屋は城で保つ、というわけで当然名古屋城から拝借したんだよもん
というわけで名古屋に集いしサッカー関係者達よ
このような色物キャラクター総進撃達に心魅かれては駄目なんだよもん」
セリオ「お待ちなさい、それ以上社会の秩序を乱すことは許しません」
アイ「あれ、汝は余が近くにいるとおかしくなるんじゃ」
セリオ「科学の進歩は日進月歩です。いつまでもあなたに狂わされ通しではありません」
圭子「そうよ、長瀬主任に改良してもらったんだから」
アイ「ふ〜ん、でもその力は発揮できずに終るんだよもん。
その目でしかと見よ!新奥義、Airの乱舞だよもん」
すーっとアイが宙に手をかざした
アイ「ほれ、踊るんだよもん」
その言葉に合わせるかのようにセリオの体が珍妙な動きを始める
圭子「セリオ、何やってんの?」
セリオ「わ、分かりません、体が勝手に」
珍しくセリオは少し困惑している
アイ「ほれ、次はラーメン音頭でも踊るんだよもん」
美汐「『ラーメンに、焼豚入れたらチャーシュー麺』」
浩之「わっ?」
志保「何であんたがここにいるのよ」
美汐「それを(以下略)」
アイ「はっはっは、この技はAirの主人公の『力』を頂いたんだよもん。
あのゲームの発売日が大幅に遅れ続けているのもそのためなんだよもん」
あかり「そうなんだ....」
美汐「本気にする人は、命に代えてもいないと思いますが、ウソだと断言しておきます」
アイ「次は怪獣音頭だよもん」
美汐「『ぴろっと出て来た怪獣は〜』」
圭子「お願い、もうやめて〜 セリオが可哀相だよ」
アイ「だったら汝も一緒に踊るんだよもん」
圭子「わっ、何これっ?」
怪獣音頭をデュオで踊りだす二人
美汐「『ずるっと出て来た怪獣は〜』」
志保「歌わなくていいのっ」
セリオ「田沢さん、これが『恥ずかしい』という気持ちなんですね」
圭子「そうよ、セリオ。嬉しいときも、悲しいときも、そして恥ずかしいときも
いつでも私達は一緒よ。私達は友達なんだから」
セリオ「これが、羞恥心.....」
セリオの機械の回路に、新たな熱い思いが湧いてくるのだった
あかり「でも踊ってるのは怪獣音頭...」
美汐「『ぬるっと出て来た怪獣は〜』」
志保「だから、歌うなっ!」
レミィ「せっかくですから私も踊るネ」
浩之「自発的に加わってるやつもいるよ...」
雅史「もう帰ろうよ...」

Y口「なあ、やっぱりこれ何かの余興じゃないの?」
Kルロス「ブラジルでも見たことないね」
Tルシエ「アフリカでもないザマス」

アイ「さて余興はここまでだよもん。さあ皆さん、人生の初心に帰ろうだよもん
シャチホコパワーで外道焼身霊波光線!!」
浩之「みんな目を閉じろっ」

べかべか〜〜〜〜
金のシャチホコからまばゆい光が発し、光を見たものはみなバタバタと倒れていった

アイ「さて寝てる連中には恒例の牛乳を飲ませるんだよもん
そこのパンツ娘も踊ってないで手伝うんだよもん」
レミィ「OKですネ。でもこの牛乳、何かすっぱい匂いがしますネ。
ヨーグルト牛乳デスか?」
アイ「これはY印が古い牛乳をリサイクルした地球に優しい牛乳だよもん」
レミィ「そうだったデスか。じゃあ頑張って飲ませるデス」
皆に牛乳を飲ませて回るアイとレミィ
さすがにたまらず目をさます面々

Kルロス監督「ん? 俺はこんなところで何をしていたんだ。
いかん、早くブラジルに帰らないとジ○コに怒られる」

Tルシエ「私はこんなとこで何をしていたザマス。
早くアフリカに戻って麗しの黒いチェリーボーイ達を鍛えるザマス」

K宮副社長「はっ、いかん。早く空港にリネカーを迎えに行かねば」
サポーターA「おお、俺達もリネカーを迎えにいこうぜ」
サポーターB「Jリーグの初代チャンピオンは俺達だ」

Y口「こんなことをしてる場合じゃない。
Fリューゲルス存続を横浜の人達に訴えねば」
N崎「モトさん、早く行きましょう」

O岩「おい、今年はどんな新人が入って来るんだ?」
H野「静岡じゃないらしいっすよ」
M月「またO倉やN谷みたいに追いだしちゃおうぜ」

Sトイコビッチ「今度の監督はBンゲルだからこのヘボチームも変わるかもしれん」

R比須「帰化したらK茂さんはボクを代表に呼んでくるれるかな」

アイ「はっはっは。みんな初心に帰って頑張るんだよもん。
ではさらばだよもん。」

アイは金のシャチホコに跨がると、東の空に消えていった

あかり「人の運命って分かんないよね」
浩之「それより俺達も早くずらかった方がいいと思うんだが」
雅史「田沢さん、もう踊らなくていいんだよ....」
美汐「『がばっと出て来た怪獣は〜』」
志保「そこまでして、なぜ歌う?」

牛乳を飲まされた人々を黄色ブドウ球菌の猛威が襲うのは
もう間もなくであった





ざあああ.....
にわか雨がたちまち地面を黒く染めて行く

公園のベンチで一人、浩平は濡れるのも構わず待ち続けていた
「このまま、消えてしまいたい気分だよな」

雨脚はなかなか弱まらなかった
通り過ぎる人達が濡れねずみの浩平に奇異の視線を投げ掛ける
「何やってんだ、おれは...」

「待ち人来らず、ですか」
顔を上げた浩平の視線の先には傘を差出す茜がいた
「もう差しても手遅れだ」
「気分の問題です。どれくらい待ったんですか」
「さあ」
「じゃあ これから私に付き合って下さい」
「ひょっとして、ワッフルの新製品でも出たか」
「はい」

気休めの傘を広げた浩平は、茜と二人商店街の方へ歩き出した




その日の夜...

筑紫哲也『今回の名古屋の一連の騒動は、単にスポーツの枠に留まらない
日本の社会の今後の在り方を示唆しているのではないでしょうか』

真琴「あう〜、いつ見ても取って付けた様なコメントだねっ」
秋子さん「それを言っては酷でしょう」
祐一「秋子さん...」
名雪「美汐ちゃん、どうしたんだろうね?」
祐一「連絡もないしな」
秋子さん「心配いりませんよ」
真琴「あう〜」



あゆ『祐一君、やっぱりボクっていらないヒロイン?』


[20] 第二十一話「故郷は地球!? 愛憎の果て 」の巻 投稿者:○川 投稿日:2000/06/16(Fri) 18:04:10

「魔法少女み○りちゃん」はさすがにやめます
でもアイデアは流用します
はうううう....すみません

だよもんド=アイ第二十一話「故郷は地球!? 愛憎の果て 」の巻


先日の流星は巷で結構な話題となっていた

真希「それでね、この前の流星、この近くに落ちたって噂なのよ」
留美「まさか、そんなものが落ちたらすぐ分かるんじゃないの?」
住井「でも、俺も聞いたぞ、その話」
放課後の教室の中にもその話をしている者がいる

澪『こんにちわ、なの』
茜「あ 澪さん」
澪『元気ないの』
茜「そう..ですか?」
澪『そうなの。あの流れ星を見た日から ずっとなの』
あどけなさの抜けない澪が、しっかりと自分の変調に気付いていたことに
茜は若干の驚きを覚えた
茜「元気がないとか、そういうわけじゃないんです。ちょっと気になることが」
茜の目線の先、瑞佳の席は今日も休みだった

真希「TV局の取材も来てるみたいよ」
留美「行ってみようか、今日はどうせ何も予定ないし」
住井「俺も行ってみるかな。折原、お前も..もう帰ったか」
茜「私も一緒にいいですか?」
普段はほとんど接点のない茜が自分から同行を申し出てきたことに三人は驚いた。
真希「え、ええ いいわよ。ねえ..七瀬?」
留美「もちろん」
別に断る理由もなかった
住井「(珍しいこともあるもんだ...)」
茜「澪さんも来てくれますか」
澪『もちろんなの』
にっこりと微笑み返す澪
詩子「茜が行くなら私も行くね」
留美「あなた、いつも自分の学校はどうしてるの...」

学校からさして遠くないところに雑木林の茂る小高い丘があった
その林の一角で、地面に大きな穴が空き
周囲の木がなぎ倒されているのが発見されたのだ

志保「なんか、怪獣でも出て来そうな感じよね」
冬弥「あんまり近付くと危ないよ」
志保「危険を恐れていちゃあ、ジャーナリストは務まらないわよ」
琴音「単なる野次馬根性ですよ、長岡さんの場合」
冬弥「あのさ、全然話は別なんだけど、なんか臭くない?」
志保「う、うるさいわね、あなたも鍋の中で変色野菜と一緒に煮込まれてみなさいよ」
冬弥「?」
理解できないのも無理はなかった
琴音「気にしないでください。酔っ払いの戯言みたいなものですから」
志保「あんたね〜、なによその言い草は」
冬弥「ほら、そろそろ中継始まるよ」
なんやかや言いつつ、しっかりと仕事する三人であった

留美「あのTVクルー、どこかで見たような気が..」(※第11話)
真希「本当に、何かが落ちたみたいね」
住井「もう少し近くに行けないかな」
周囲は結構な人数の野次馬でごった返している

その時、彼らの身に信じられない事態が!

かっ!!
穴の中から凄まじい閃光が噴き出した
そして穴の周囲にいた人達は次々と倒れていった

真希「な、何?」
ごごごごご...
不気味な振動音と共に浮上して来たのは
天使のごとき翼を広げた...
志保「アイ...」
冬弥「宙に、浮いてるね...」
琴音「はい...浮いてますね...」

アイ「ふふふ、名もない連中は新技『瞬殺乱舞』で眠ってもらったんだよもん。
残ったお前達には地獄を見てもらうんだよもん」
しゅうしゅう....
蒸気の吹き出す様な音を立て中空に浮くアイは普段とは何か違っていた

真希「ねえ、あれって...」
留美「瑞佳?...」
住井「まさか、あれが長森さん?」
密かに(周囲には結構バレバレだが)好意を寄せていた少女が
今、目の前でキテレツな扮装をして宙に浮いている妙な物体と
同一人物とは思いたくなかった
アイ「ヒロイン達よ、闇に滅せよだよもん」
ピシャ〜ン!
ピコットポロンの先端から雷光がきらめき、留美と真希を直撃した
久しぶりの備長炭が二つ出来上がった
アイ「はっはっは、やつらの魂は今頃は永遠の世界をさまよってるんだよもん」
詩子「な、何なの?あなた本当に長森さんなの?」
アイ「もはやそんなことはどうでもいいんだよもん」
シュバババババァッ
アイの四方に閃光がきらめき、周囲の木を一瞬にしてなぎ倒した
アイ「さあ、次はお前の番なんだよもん、色物娘」
詩子「初登場でこんな目に会うのはイヤだよ〜」
住井「待ってくれっ」
二人の間に住井が割って入った
住井「君はほんとに長森さんなのか?だったらこんな事はやめてくれ
あの長森さんにこんなことができるはずがない!」
ピシャ〜ン!
備長炭3号の誕生..
詩子「はわわわ...」
茜の陰に隠れる詩子
茜「やはり..予感は当たりました」
澪『大変なことになったの』
謎の老人「わしにも予想外の事態じゃ」
澪『わ、びっくりなの』
謎の老人「最初にあやつに力を与えたのはわしじゃが、その後あやつは勝手にパワーアップを重ね
とうとうわしにも理解できない行動を取り始めおった」
べきいっ!!!!
次の瞬間老人の顔面に蝶野ばりのヤクザキックが炸裂した
志保「あんたが諸悪の根源だったのねっ」
謎の老人「ま、まて、今はアイを何とかする方が先決じゃ」
志保「ほ〜お、じゃあ何とかしてもらおうじゃないの」
がさごそ...老人は小汚い巾着袋から方位盤の様なものを取り出し、地面に置いた
謎の老人「解説、招来!」
かっ!光が方位盤から沸き上がり、そこから現れたのは...
美汐「私はクロウカードではありません」
澪『わ、びっくりなの』
志保「あ、この前の解説娘」(※第15話)
謎の老人「おお、待っておったのじゃ。さあ、一緒に事態を冷静に分析するのじゃ」
べきょっ!老人の脳天に妖鬼ジョニー=バレンタインばりのエルボースマッシュが炸裂した
美汐「今日はせっかく真琴と祐一さんと三人で楽しくパイオニア戦志ごっこをしていたのに...
ちなみに私は高杉役でしたが、許しませんよ」
琴音「ここはおさえてください。今はアイをなんとかしないと」
美汐「そのようですね、今までにない強烈な負の感情が伝わって来ます」
空中に静止したアイは呪文のようになにかをつぶやいている
アイ「そもそも自分は正ヒロの味方のはずなのに、居眠り娘には胴締めスリーパーで失神させられるし
がきんちょ魔女には鈍器で後頭部を殴打されるし、極め付けは食い逃げ幼児体型うぐぅに月に置き去りに
されそうになるし。うぐぅじゃないけど余は誰にも必要とされてないんだよもん」

月であゆの負の感情を吸収してしまったことが暴走の発端だったようだ

アイ「もう正ヒロも脇慕もどうでもいいんだよもん。全てのヒロインを闇に滅してやるんだよもん」
バチバチバチ...アイの周囲にスパークが飛び散っている

美汐「あの負の感情をどうにかしないと。今彼女にあるのは全てのヒロインへの憎悪だけです。
分かりやすく言うとウルトラマン第23話のジャミラ状態です」
茜「却って分かりづらいです」
冬弥「とにかく、このままだと僕らも備長炭..」
謎の老人「やむをえん。変身じゃ、そこのお嬢さん」
澪『え?なの』
美汐「また、なし崩しの思い付きですね」
老人は巾着袋からペンを取り出すと詩子に手渡した
謎の老人「さあ、おぬしがあの娘をメイクするのじゃ」
詩子「もう、こうなったら何だってやってやるわよ」
かきかき...
澪『くすぐったいの』
謎の老人「さあ、書き終わったら、このカンペ通りに叫ぶのじゃ」
半ばヤケクソ気味に叫ぶ詩子
詩子「ホラーとガワは世界の誇り、魔法少女ゴージャスミオリン、メーイクアップ!!」
謎の老人「べかべかー」
光らないので自分で効果音を叫ぶ老人
そこには ほっぺのぐるぐる渦巻きを始め、顔に落書きを散りばめた少女がスケブ片手に仁王立ちしていた
ミオリン『わたくし、残酷ですわよ、なの』
美汐「ゴージャスアイリンなんて、何人の人が覚えてるんでしょうか」
茜「澪さんは強い人ですね...」
詩子「さすが演劇部、ノリが違うわ」

アイ「また変なもの出しやがって、あのじじいだよもん。なら食らえ、究極奥義<淫魔の乱舞>!」
でろ〜ん
けだるさ漂う脱力空間に引き込まれる一同
琴音「な、何ですかこれ」
美汐「何度来てもイヤなところです」
冬弥「あれは...長岡さん?」
一同の目の前に現れた恒例のまぼろし
今回は.....

志保「ちょっとこれは、図書館で熊谷先輩と...」
PC版ではおなじみの例の志保のこっぱずかしいシーンであった
志保「ちょっと、見ないで、見ないでってば」
琴音「長岡さん....」
美汐「見るなというのは酷でしょう」
謎の老人「そうじゃのう」
志保「見られる方が酷でしょう、だわよ。もう、見るなってのに〜」
詩子「わっ...わっわっ」
ミオリン『わっ...わっわっ、なの』
志保「見ないでって言ってるのに〜、もう、みんな嫌いよ〜 」
涙目で駆け出す志保
がほっ 突然姿が消えた
冬弥「長岡さん?」
美汐「多分、現実世界で穴に落ちましたね」
琴音「結局あの人はこうなるんですね」
アイ「さて、次はどいつの番だよもん」
ミオリン『そうは行かないの』
ミオリンがスケブに<淫魔の乱舞>と書くと...
でろでろ〜ん
ネガポジ反転したような風景が通常の景色に戻っていく
アイ「貴様、何をしたんだよもん?」
ミオリン『必殺の魔法アイテム、《へなちょこ不幸君スケブ》の威力なの』
謎の老人「これぞ、ノベライズ第5巻のために館山先生が作ったオリジナル設定じゃ」
美汐「本気にする人がいるとは思えませんが、一応、ウソだと断言しておきます」
アイ「なんの、もう一度究極奥義 いあんまのランプ...あれ、だよもん?」
詩子「セリフが変だね」
琴音「ひょっとしてこれも...」
謎の老人「さよう、《へなちょこ不幸君スケブ》は相手のセリフを誤植だらけにする力があるのじゃ」
.....
冬弥「こんなこと考えるなんて恩知らずというか、命知らずと言うか...」
美汐「地獄直行ページを上回る恐ろしいページに名前が刻まれるかもしれません」
謎の老人「今更そんなことを言ってなんになる。さあ、スケブパワーでアイの暴走を封じるのじゃ」
ミオリン『<アイの憎しみの心>なの』
ミオリンがさらさらと書き込むとアイの体から凄まじい光が噴き出した
光は渦を巻いてスケブに吸い込まれてゆく
全ての光を吸い込むと、スケブとペンも輝きながら消滅していった
琴音「消えてしまいました...」
美汐「彼女の負の心を全て中和するのに、魔力を使い切ったんですね」
スケブがなくなったので澪は発言できない。なぜか顔の落書きは消えていなかった。
詩子「もう変身できないね」
茜「その方が澪さんのためです」
美汐はつくづくその通りだと思った

アイの倒れたそばには羽の付いたリュックが落ちている
美汐「これは、あゆさんの...」
リュックを拾い上げて背負う美汐

志保は琴音が密かに(超能力で)掘り出していた
志保「ことまる、冬弥、さっきのこと誰かに言っちゃ絶対駄目よ」
冬弥「分かったよ。絶対、神に誓って言わない...」
笑いをこらえながら答える冬弥
志保「あなた達もよ、いいわね」
茜達にも強い口調で迫る志保
三人も笑いをこらえるのが大変そうだ。
第一、志保が誰だか知らないのだから、バラすも何もないのだが。
志保「その代わりと言っちゃ何だけど、この炭三本は来栖川で治してもらうよう頼んだげる」
茜「分かりました。お願いします」
ロケ車に炭三本を積み込む志保達
目を覚ました野次馬やTVスタッフも帰ってゆく
茜「私たちも帰りましょう」
詩子「そうだね」
こくこく、頷く澪

アイと美汐だけが残された丘。
当然、老人はとっくに消え失せている。
そこへ黒い自転車Nベツネ号が猫のルンナを載せてやって来た
ルンナは片端が荷台に結び付けられた紐のもう一つの端をアイにくくりつけた

ずるずるずる...
ルンナを載せたNベツネ号はアイを引きずりながら坂を下っていった


美汐は一人丘の上に立ち、人の心の深淵に思いをはせるのであった...


あゆ『美汐ちゃん、似合ってないよ、リュック....』



炭になってしまった七瀬に真の乙女となる日はいつ来るのか?
リュックを残してあゆは何処へ消えたのか?
美汐はこれからどうやって帰るのか?
罰当たりな筆者に呪いは降りかかるのか?
先の事は何一つ決まらず 物語は急展開する(かも知れません)


[19] 第二十話「正ヒロのいない街」の巻 投稿者:KGG 投稿日:2000/06/11(Sun) 02:55:59

誰だっ、土曜日に、会議なんかセッティングしたの。‥‥‥はっ。オレだ。すいません。せっかく集まってくれたみなさん、ごめんなさい。でも、あゆ様のピンチに、私は、筆を止めることはできません。というわけでのKGGです。○川某さん、伏線壊したら、ごめんなさいね〜。




第二十話「正ヒロのいない街」の巻



 小さな女の子が膝を抱えて座っていた。羽のついた不思議な形のリュックを背負った少女。灰色の埃のようなその星の砂にその子のダッフルコートの裾が埋まっている。彼女は、じっと自分の膝を抱え、うずくまり、灰色の地面をじっと見つめる。
「ボクは、いらない正ヒロなんだ‥‥‥」
 そうつぶやくような小さな声が、彼女の唇から漏れた。
「ボクは、いらない正ヒロなんだ。ボクがいなくても、話は進むし、みんな楽しくやってくし、祐一くんも別に困らないし‥‥‥」
 少女の声は、ずっと先の闇に溶けていくようだった。



アイ:「なんか、たいへんなんだよもん。今度は、ホントに、ピンチなんだよもん」



「いらない? 誰がそう決めたの?」
 少女のそばには、一人の女性が立っていた。すらりとしたその姿、長い艶やかな髪は遠くからでも目を引く。少女のすぐそばにすっと立ち、少女の視線の落ちるずっと先を見つめている。
「誰があなたをいらないと、そう言ったの?」
 静かだが、鋭い声だった。
 だが、少女は、その女性の声にも顔を上げることなく、足もとを見つめ続ける。ただ、大きな青い星だけが、二人を照らしていた。
 ここは月。静かで冷たく悲しい大地‥‥‥。
 遠く、静の海の大クレーターの縁が、視界を横切る稜線となって見える。



アイ:「月なんだよもん。ここまで来ちゃうとさすがにヤバいんだよもん。マジで、帰れないんだよもん。でも、月なのに、うさぎさんがいないんだよもん。月にはうさぎがいるって学校で習ったのに。デ・ジ・キャラットでも、ちゃんと月にうさだがいたんだよもん。でも、ここには、誰もいないんだよもん。あのヘンな幼児体型正ヒロと寸胴のおねえさんだけなんだよもん。‥‥‥。あの二人、なんとなく怖いから、近づくのやめておくんだよもん」



「ボクはいらない正ヒロなんだ。だって、今日は名雪さんの「なゆけっと」だけど、ボクの「あゆけっと」っていうのはないし、電撃大王では、名雪さんは栞さんのシナリヲにまで出てるのに、ボクは二号連続で出てこないし、Kanon小説も三巻、四巻は、名雪さんが出てるのに、ボクは出てないし‥‥‥。名雪さんがいないと話は進まないけど、ボクがいなくても、話は進むんだ。だから、ボクは、いらない正ヒロなんだ‥‥‥」



アイ:「あゆの羽だけで、どうして月まで来られたかって? そんなこと聞いちゃ、だめなんだよもん。ふぁんたじーを理解しないやつと言われるんだよもん」



「ちょっとしばらく話に出てないからって、それって大事なことかしら? 正統ヒロインってそんなものかしら? あなたの役目は、そんな軽いものかしら? あなたを応援してくれてる人はいっぱいいるわ」
「でも、ブロッコリーのジッポライターが売れないのは、きっと、ボクのデザインだからなんだ。もし、名雪さんのデザインだったら、予約開始初日に即完売だったんだ。だから、ブロッコリーは、懲りて、新作Kanonマウスパッドは名雪さんの絵で、ボクじゃないんだ。やっぱり、ボクは、いらない正ヒロなんだ‥‥‥」



アイ:「え? 空気がないのに、どうして大丈夫なのかって? だから、そんな細かいこと、いちいち気にしてちゃだめなんだよもん。細かいこと言う人はきらわれるんだよもん」



「やっぱり、あなたは、正ヒロの本当のつらさをわかっていない‥‥‥」
 千鶴は告げた。
「あゆさん」
 あゆの肩がかすかに震えた。確固たる意志を込めた声は、たとえ、その語調が静かなものであっても、聞くものの心を打ちつける。
「例え誰も応援してくれなくても、心ない人たちから無視されても、それで正統ヒロインが逃げ出していいものではない。この世の中にいらない人なんていないわ。正ヒロなら、なおさらよ」
「いらない人なんていない‥‥‥」
 あゆは口の中で千鶴の言葉を繰り返した。
 あゆは、ゆっくり顔を上げる。そして、千鶴は、そのあゆを見て、言う。
「そうよ。たとえ、寸胴、年増、偽善者といわれても、わたしは、柏木家の長女にして家長、柏木千鶴。たとえ、妹に服を貸したら、胸がきつくて着れません、とか言われても、わたしは、正統なるヒロイン‥‥‥」
「千鶴さん‥‥‥。そ、そうだよね。‥‥‥ボク、なんだか、Kさんが、梓さんを無視する理由が、ちょっとだけわかった気がするよ」



アイ:「困ったんだよもん。いつまでも帰れないと、「だよもん掲示板」もマジで「かおり&まことの愉快な脇慕会掲示板」になっちゃうんだよもん。せめて、○川某さんの月曜投稿に間に合わせないとまずいんだよもん」



「ボクは、帰らなきゃいけないんだね。みんなのために。物語のために」
 あゆは、千鶴に言う。
 千鶴は、やさしくうなずく。
「そう。だって、あなたは、正統ヒロインなんですもの」



アイ:「外道焼身光線を放出しつつ宇宙を進むというのはどうかなんだよもん。レーザー推進なんだよもん。‥‥‥‥‥‥。もちろん、無理だよもん。言ってみただけだよもん」



「ボク、帰るよ。みんなのところへ。そして、もう一回、がんばってみるよ」
 あゆの背中で、また大きく白い羽が広がる。
「あゆさん。あの人も連れていってあげて」
 千鶴は、遠くでさまよってるアイを指差す。
「でも、あの人のせいで、みんなが困ってたよ。ここにおいておいた方がいいんじゃないかと、ボク、思うよ」
 そう言うあゆに、千鶴は言った。
「この世の中にいらない人なんて誰もいないわ」
 微笑みながらそう言う千鶴を見つめ、あゆも、やがてにっこりと笑った。
「うん。そうだねっ!」



 まばゆい光が静かな月の世界から舞い上がった。それは、流れる星となり、地球へ、青い惑星へと帰還する‥‥‥。



「あ、お姉ちゃん、終わったの?」
 千鶴が灰色の丘陵を登り切ると、その先の大きな岩陰から、小さな人影が飛び出す。
「ええ。待たせちゃったわね、初音。こんなところまで、悪かったわね」
 初音は、千鶴のところまで駆け寄る。
「ううん。千鶴お姉さんの方が大変だもの」
 そのとき、二人の頭上を白く輝く光が横切った。初音も千鶴も思わず、その光を見上げる。
 光は、二人の頭上を越え、遠ざかる。
「ねえ、千鶴お姉ちゃん。正統ヒロインも、そうでない人も、みんな、みんな楽しく、仲良く生きていければいいのにね」
 遠い地球へ向かって飛び去っていくその光を見送りながら、初音は言った。
「初音は、いい子ね」
 千鶴は、そんな初音に、にっこり笑って言う。
「さ、初音、急ぎましょう。梓や楓が待ってるわ」
「うん。千鶴お姉ちゃんを待ってる間、ずっとお話ししてたんだよ。それに、その間に、前世の記憶ももっと思い出したし。だから、帰りは、来たときよりもずっとうまく操縦できると思うよ。まかしてよ」



 星降る夜。校舎の屋上から夜空を仰ぐ四人。
『あのね。星がきれいなの』
「そうですね。きれいな夜空です」
「みゅ〜」
 三人は思い思いに感嘆の言葉を漏らす。
「そう。今晩は、本当にきれいな星空なんだ」
 みさきの言葉に、茜は、自分の言葉に気遣いがなかったかもと、一瞬、悔む。
 みさきは、光を捉えることのできない瞳をそれでも夜空の彼方にむけていた。
「川名先輩は‥‥‥」
「今は星は、見えないけど、でも、わたしの心のなかには、昔見た星空がたくさんたくさん残ってるよ。みんなといれば、今まで見たなかで一番きれいな星空を思い出せるよ。それに‥‥‥」
「それに?」
「今晩の風は、ホントに100点満点だよ」
 そうなのだ。この先輩に、この種の気遣いは無用なのだ。
 茜は、みさきの掛け値なしに楽しそうな横顔に、表情をゆるめ、もう一度、夜空を仰いだ。
「本当に素敵な夜です。みんなでここへ来ることにして、正解です」
「みゅ〜」
 そのとき、四人の頭上を光が横切った。
「あっ」
「みゅ〜!」
『流れ星なの!』
 星は、夜空の一方から一方へと長い時間を、流れ星としては長い時間をかけて横切った。
「今、流れ星が見えました」
 茜が、みさきに説明する。
 すると、みさきが答えた。
「うん。すごい流れ星だったね。わたしも、見たよ」
 さすがの茜も、この先輩の答えに、当惑する。
 どういうことだろう。みんなに合わせようという冗談だろうか? それとも‥‥‥。
 茜の様子を感じたらしいみさきは、すぐさま付け足した。
「ううん。見えたような気がするの。本当に。こっちから‥‥‥あっちへ」
 みさきが、身振りを交えながら言う。そのみさきに、茜は、ドキリとした。目の見えないはずのみさきは、茜の見た流れ星の軌跡を正確に再現して見せたのだ。
「変かな?」
「変では‥‥‥」
 一瞬で、茜はある可能性に思い当たった。
「いえ、変では、ありません。本当に見えたのかもしれません」
 茜は、静かな声で答えた。自分を落ち着かせるように。
 可能性。そう、可能性だ。
『先輩、すごいの』
「みゅ〜」
 逆に、茜以外の二人は、あからさまに驚いて見せた。
「いいことあるかな?」
 みさきがうれしそうに言う。
「みゅ〜」
『きっと、いいことあるの』
 しかし、茜は、はしゃぐ三人を横目に、硬い表情で星の流れた先を見つめていた。
「私は‥‥‥」
 茜は、誰にも聞かれないように、小さな声でつぶやいた。
「私は、嫌な予感がします‥‥‥」


[17] 第十九話「幸福のかたち? あなたの思い出を壊します..」の巻 投稿者:○川 投稿日:2000/06/09(Fri) 12:54:05

だよもんド=アイ
第十九話「幸福のかたち? あなたの思い出を壊します..」の巻

帰心矢の如し
人は故郷の我が家へ帰るとき、もっともその歩みが速くなる、と言う...


さわやかな晴れ間の北の街
今日も中庭で昼食後のおやつタイムに興じるおなじみの一同
栞「天野さん、もう一つどうです」
美汐「いえ、私小食ですから」
美汐は先刻からコメカミがき〜んとなっている
栞「 ......」
じっと悲しそうに美汐を見つめる栞
美汐「分かりました。もう一ついただきます」
栞「はい、どうぞ」
美汐「......」
嬉しそうに差し出されたバニラアイスは明らかにさっきより一回り大きい気がする
香里「天野さん、無理して食べなくていいのよ」
ひょい、とアイスを取り上げた香里はそれを北川に手渡した
香里「栞、無理強いするんじゃないの」
北川「俺は無理してもいいのか」
もう四個目だったりする
香里「だって帰るまでにとけちゃうでしょ」
北川「あのなあ...」
栞が上目遣いにじっと北川を見ている
北川「....」
栞にこの目で見られると逆らえない。黙々と四個目を食べ始める北川であった。
北川「(祐一のやつこんな調子で栞ちゃんの山の様な弁当を食べてたんだな...)
    そう言えば、今日は祐一のやつ、帰ってくるんじゃないのか?」
名雪「そのはずなんだけど、なんにも連絡ないの」
香里「また延期?」
美汐「大人の事情ですね」



「どいて、どいて〜」
商店街を駆け抜ける少女の声がこだまする
どす〜ん!女の子は通り掛かりの少年にぶつかって道にへたりこんだ
「うぐぅ、痛いよ....」
「相変わらずだな」
「え...」
祐一「久しぶり。元気そうじゃないか」
あゆ「祐一君...」
祐一「どうだ、捜し物は見つかったか?」
あゆ「ううん、当分見つからないと思う」
祐一「そうか」
あゆ「祐一君こそ、大事な何か、見つかったの?」
祐一「なぜだか、俺のこと何でも知ってるんだな、あゆは。
   そうだな、見つかったといえばそうだし、見つかっていない、とも言えるかな」
あゆ「なんだかよくわかんないよ」
祐一「いいんだよ、こうしてお前と一緒にいるのも、その大事な何かの一部なんだ」
あゆ「祐一君、ボクね...」
アイ「うん、結構イケルんだよもん」
もしゃもしゃ..
祐一とぶつかった時落とした、あゆのたい焼きをほおばるアイ
あゆ「わっ!ボクのたい焼き」
祐一「落ちてるものを食うなっ!」
アイ「今度は濃いお茶が怖いんだよもん。さて、きれいにオチがついたところでっ!
   愛ある限り闘いましょう、この命燃え尽きるまで!
   正ヒロ会の精だよもんド=アイ、只今参上だよもん」
祐一「また、お前か。古東の海じゃ随分と世話になったな」
アイ「礼には及ばないんだよもん」
祐一「額面通りに受け取るんじゃないっ」
何があったかは、また別の機会に...
アイ「そこの青年よ、そのようなイロモノうぐぅに惑わされてはダメなんだよもん。
   この世に仇為す邪道ヒロインめっ、正体を現すんだよもん。外道焼身・・」
ぼこっ、何者かがアイの後頭部をどついた
謎の老人「こりゃ」
アイ「あ、誰かと思えば汝は、誰の味方か不明のいつもの小汚い死にかけジジィだよもん」
謎の老人「こんなやつに力を与えたのはまちがいだったかのう....
     ま、それはおいといて、おぬしはなんで正統なるヒロインを成敗しようとするのじゃ」
アイ「え、この食い逃げ幼児体型うぐぅが....あ、そう言えばそうだったんだよもん。
   電撃のマンガの方では跡形もないからすっかり忘れてたんだよもん」
あゆ「うぐぅ、ひどいよ....」
アイ「と言うわけで、ここにいる必然性もなくなったから帰るんだよもん」
祐一「お前自身の必然性もないと思うぞ」
アイ「余計なこと言うなだよもん。ではさらばだよもん」
香里「そうはいかないわよ」
栞「今日こそ決着をつけるときです」
北川「でも痛い目見るのは俺なんだけど...」
美汐「そう言えば、入園料まだ払ってもらってませんでした」
名雪「そこの変な人、今度はあゆちゃんをいじめてたんだね」
真琴「あう〜っ、やっぱりこいつキライ」
アイの行く手に立ち塞がる祐一の親しい人達
彼等こそ、祐一が求めていた大事な何かのはずだった
祐一「みんな...」
名雪「お帰り、祐一」
栞「待ってたんですよ、祐一さん」
香里「全くいつまで待たせるのよ」
北川「よく帰ってきてくれた(少しは俺の負担が減るよな、きっと)」
美汐「真琴の(遊び)相手は一人では大変です」
真琴「祐一、早マンガの続き読んでっ」
アイ「感動の再会と言いたい所だろうけど、集まってくれて好都合だよもん。
   汝等まとめて成敗して、心置きなくAirに取り掛かるんだよもん」
名雪「何言ってるの、この人?」
アイ「ふふふ、まず汝は大人しく戦線離脱してもらうんだよもん。
   さあルンナ、行くんだよもん」
とたたた、黒い自転車Nベツネ号の荷台のカゴから一匹の猫が駆け出してきた。
うるるる...たちまち目の色が変わる名雪
名雪「だおーだおー」
道端でルンナと戯れる名雪。早くも一人脱落
あゆ「祐一君、これから起きる事を冷静に受け止めてね」
祐一「え?」
香里「北川君、栞、変身よっ」
栞「私は久しぶりです」
北川「骨のケガはクセになりやすいんだよな〜」
美汐「真琴、あなたもです」
真琴「あう〜っ、やっぱりバカみたい、これ」
びかびか〜っ!!
「うわっ?!」閃光に目が眩む祐一
閃光が消えた時、そこに祐一が目にしたものは、
見た目はいつも通りの香里と紙袋をかぶった真琴だった
かおり「脇慕会暫定ヒロイン代行見習い心得《かおり》オリジナルバージョン推参!」
まこと「あう〜っ」
祐一「なあ、北川と栞はどこ行ったんだ?」
美汐「今に分かります。さあまこと、大車輪ロケット食材です」
べしゃべしゃべしゃ
早くもアイに豆腐をぶつけまくるまこと
アイ「こ、こらっ、食べ物を粗末にするなと言うのが分からんのかだよもん。
では早速喰らうがいい、究極奥義《淫魔の乱舞》!」
でろ〜ん
一同はなんとも気怠い脱力感漂う空間に引きずりこまれた
謎の老人「わしはあんまりここには来たくないのう」
美汐「なら来なければいいでしょう」
謎の老人「冷たいのう、美汐ちゃん」
美汐「なれなれしく呼ばないでください」
まこと「あう?」
まことの前にはいるはずのない秋子さんがいる
秋子「真琴、お豆腐は?」
まこと「あう〜っ」
秋子「真琴、お豆腐は?」
まこと「あう〜...」
秋子「真琴、お豆腐は?」
まこと「あう.....」
ぼんっ 紙袋が弾けとんでまことの変身は解けてしまった
真琴「あう〜っ、みしお〜」
美汐「いい子ね、恐がらなくていいのよ」
アイ「ふふ、あいつらも自分達の世界に入ってしまったので脱落だよもん」
北川『い、今の秋子さんは?』
香里『幻覚よ、あのイカレ女こんな技を...』
栞『こ、恐いです....』
うにょ〜ん....
次になぜか現れたのは祐一と北川のイメージだった
祐一「潤、ただいま」
北川「待ってたんだよ、祐一」
祐一「俺も、誰よりもお前に会いたかった...」
北川「祐一....」
これ以上は書きたくないので割愛....
香里『ちょ、ちょっと何よこれ?』
アイ「ふっふっふ、汝等の中の誰かの妄想を具現化したんだよもん」
香里『ちょっと北川君..』
北川『あの〜、ひょっとしていつものアレ、ですか?』
香里『あなたって人は、見境がないとは思ってたけど、まさか相沢君とまでっ!』
北川『こうなると言っても無駄とは思うが、誤解だっ!』
香里『闇に滅しなさい、前世魔人両刀使い!』
北川『とうとう俺は前世魔人か...うわっ』
どくわっ!!
故ジャンボ鶴田を彷彿とさせるバックドロップが美しい曲線を描き炸裂した
ぼわんっ
変な煙が立ち昇り、かおり変身もあっさり解除されてしまった。
気が付けば一同は元の商店街におり、もはや恒例の修羅場が展開していた
香里「さあ白状しなさい、相沢君と..」
北川「@@@なことを〜ってか」
栞「ごめんなさ〜い、ほんのちょっと想像してみただけなんです〜」
栞の懺悔も、もはや香里の耳に届くはずもなかった

祐一「 ...... 」
あゆ「祐一君」
祐一「やっぱり、俺は...」
この場を去ろうとする祐一を呼び止めるあゆ
あゆ「祐一君はここにいなきゃだめなんだよ。名雪さんや秋子さんや栞ちゃんや・・」
祐一「あゆ...」
あゆ「真琴ちゃん、美汐ちゃん、北川さんに香里さん、みんなのためにも」
祐一「 .....」
あゆ「これがボクの最後の願いだよ」
がしっ、いきなりアイを羽交い締めにするあゆ
アイ「こ、こら何するんだよもん」
あゆ「祐一君...」

ばあっ
あゆの背中の羽がまばゆい光を放ちながら拡がって行く
幼い頃見た教会のフレスコ画の天使の羽のように..

光に包まれたあゆはまるで重さのないものであるかのように
ふわりと宙に浮き、空へゆっくりとのぼってゆく

祐一「あゆ...」
あゆ「祐一君....死なばもろともだよ....」
アイ「こら〜離せだよもん」
あゆ「今離すと落っこちるよ...」

あゆを包む光はどんどん小さくなってゆく
やがてそれは一つの光の点となり南の空へと消えていった
なぜかその光を追いかけるタイ焼き屋のオヤジがいたことを
祐一達は気付くはずもなかった

祐一「あゆ....」
とことこ
その脇を名雪の手から抜け出たルンナがすりぬけ自転車の荷台に跳び乗った
きーこきーこ、Nベツネ号はそのまま自らの意志でルンナを載せて
長森家への家路を急ぐのであった


ひょっとしたら日常の平凡な幸福は
幾つもの奇跡の上に成り立っているのかもしれない....


美汐「奇跡というよりは怪現象ですね」
謎の老人「人選は慎重にやらんとのう...」


キラッ
空を一筋の光がよぎる
マルチ「あ、流れ星です」
圭子「願い事、願い事」
綾香「何をお願いしたのかしら、って田沢さんは決まってるよね」
圭子「へへ ..多分想像どおりです」
マルチ「私は世界中の皆さんが平和に暮らせますようにって願いました」
セリオ「ちっちゃくて鼻が低くて耳が大きい田沢さん、懲りずに頑張って下さい。
マルチさんも物凄くありがちな答えですが、いかにもマルチさんらしいですね」
綾香「セ、セリオ?!」
圭子「ひょっとして今の流れ星は....」
新たな不安に胸膨らむ一同であった


[16] 第十八話「飯塚雅弓つながり!アイの保育園乗っ取り作戦」の巻 投稿者:○川 投稿日:2000/06/05(Mon) 12:14:32

名前の誤植は即訂正!
だよもんド=アイ第十八話「飯塚雅弓つながり!アイの保育園乗っ取り作戦」の巻

「まことおねえちゃん、つぎはクウガごっこやろー」
「あ〜ずっる〜い、まこちゃんはわたしとどれみごっこするの〜」
「ちがうよ、おねえちゃんぼくとゾイドごっこするの」
「ちがうってば、カードキャプターさくらなの」
ここは北の町の保育園
小さな子供達にもみくちゃにされている少女がいた
真琴「あう〜っ、そんないっぺんにできないよ〜。いたたた、髪引っ張るな〜」

真琴もいつもTVばかり観て過ごしているわけではない。
週の何日かは近所の保育園で子供達の面倒をみる手伝いをしている
と言うか、一緒に遊んでいる、と言うべきか。

学校帰りの名雪達が暖かい目でそんなまことの苦闘ぶりを見ている
美汐「真琴、すっかりなじんだみたいですね」
香里「すごいモテっぷりよね。ひっぱりだこじゃない」
北川「と言うか、もみくちゃって感じだな」

真琴「ぷりてぃーういっちー超変身、ブレードライガーがレリーズだよ!」
主役を全部独り占めした真琴が珍妙なヒーローに扮し子供達を追い駆けまわしている。
当然全部の番組を真琴は観ているのだ。
秋子さん「あらあら、今日も大活躍ね」
名雪「あ、お母さん」
香里「こんにちわ」
北川「どうも、お久しぶりです」
美汐「ほぼ毎日会ってますけどこんにちわ」
秋子さん「真琴、そろそろ帰る時間よ」
子供達からはブーイングの嵐だ
「え〜かえっちゃうの〜」
「やだー、もっとおねえちゃんとあそぶの〜」
「じゃましないでよ〜おばちゃん」
一瞬秋子さんの表情に殺気がこもった様に見えたが誰も気付かなかったようだ。
美汐「子供たちのハートをわしづかみですね」
そう言いながら美汐は滅多に見せない笑顔を見せる
香里「ちょっと北川君、なにをにやにやしてるのよ
北川「いや、天野って笑うとかわいいなあって、はっ...」
またいつもの怒り爆発かと思って身構える北川、しかし
香里「そうね、いつも笑ってればきっとモテるのにね、あのコ」
北川「あれ、今日は怒んないのか? あなたさては天野さんと$$$な事をっ! とか言って」
美汐「勝手に変な想像しないでください」
香里「それを彼に求めるのは酷でしょう、って言うのかしら、こんな場合」
北川「う〜ひどいよ香里」
名雪「それわたしの・・・」

一同がセリフ遊びに興じていたその時
「そこまでだよもん!」
ばばば〜っ! 保育園の砂場から砂が吹き上がり何者かが地中からせり上がってきた
頭には洗いたてでキレイになったヒヨコさんの三角巾、
耳にはサテライトシステムのアンテナ
右手におジャ魔女のピコットポロン
首からなぞの黒い物体をぶら下げ、背中に唐草模様のマント
やぼったい制服の腰周りには、新たに黒い下がりをつけたその人物こそ...
アイ「真実は見えるか?正ヒロ会の牙だよもんド=アイ、参上だよもん」
北川「お前、いつから相撲取りになったんだ?」
アイ「ふっふっふ、この下がりは某注射横綱からもらったんだよもん」
香里「一体、あなた普段は何をしてるの」
アイ「こう見えても余には強力なシンパが....いてててだよもん」
いつの間にか子供達がアイに群がっていた
「わ〜へんなおねえちゃんだ〜」
「いっしょにあそぼ〜」
「あ、ピコットポロンだ」
「へんなかっこう〜」
アイ「汝等、いいかげんにするんだよもん。余をなんだと思ってるんだよもん」
「わ〜おこった〜」
ばーっ、クモの子を散らす様に子供達はアイから離れて真琴の周りに集まった
「やっぱりまこちゃんのほうがいい」
「あのへんなおねえちゃんノリがわるいよ〜」
「へんたいみたいなかっこうしてるくせにたいどがでかいし」
「せんすのかけらもないよね」
アイ「なんか すっげー頭に来たんだよもん。こうなったらそこの前世魔人オデンダネを成敗して
   ついでにがきんちょ共を余の忠実なしもべにしてやるんだよもん」
真琴「あう〜っ...わたしこいつキライ」
「こら〜まことねえちゃんをいじめるな」
「そうだ〜 ばばくさいせいふくきてるくせに」
「こんなやつにかぎって かれしにあっさりすてられるんだ」
アイ「汝達、いいかげんにしろだよもん。いったいどこでそんな言葉覚えてくるんだよもん」

香里「このままでは真琴と園児達が危ないわ」
北川「よし、変身だっ。て、そう言えば栞ちゃんは?」
香里「今日はアイスの買い出しに行ってるの。問屋の人と仲良くなったから
   早く安く大量に買えるようになったって言ってたわ」
北川「仕方がない、今回は水瀬が入ってくれ。いくぞっ」
名雪「え?」
ばちっ!激しい光と共に三人は弾き飛ばされた
香里「変身できない?」
北川「どうして?」
謎の老人「それは当然じゃ!」
秋子さん「わ、びっくり」
名雪「お母さん、それ私のセリフ...」
謎の老人「《かおり》は脇キャラが三人集って初めて生まれる事を忘れたのか」
北川「そうだった...」
香里「いくらボケの要素が多くても、名雪はメインのヒロインだったわ」
名雪「う〜香里、ひどいよ〜」
北川「じゃあ、天野..」
謎の老人「このコは解説者兼ツッコミ役だからだめじゃ」
天野「気安くさわらないでください」
香里「じゃあ、どうすれば..」
秋子さん「了承」
北川「あの、何にも言ってませんけど..」
秋子さん「遠慮しなくていいですよ」
北川「そうじゃなくてですね」
香里「仕方ないわ、変身よっ」
秋子さん「いいですよ」
北川「いいのかなあ」

ぴかあっ!眩しい光に三人が包まれた
そして光が消えたときそこにいたのは...
名雪「お母さん?」
紛れもない、水瀬秋子さん一人がそこにはいた
香里『ちょっと、これはどうなってるの?』
北川『俺は秋子さんの心の中にいるのか?』
傍目にはいつもの秋子さんがにこやかに立っているだけだ
美汐「これはどういうことなんですか?」
謎の老人「ん〜わしも予想外じゃったが、あの奥さんのキャラクターが強すぎて
     姿形まで支配してしまったようじゃな」
美汐「それでは、三人の役割分担は?」
謎の老人「それをわしに聞くのは酷でしょう。ま、というわけで今回は
     脇慕会暫定ヒロイン代行見習い心得《かおり》非常事態バージョンそのニ
     秋子さん、お背中と言わずここかしこ、お肌すべすべ〜バージョンじゃ」
美汐「何も見ないでもう一度言えますか?」
謎の老人「すみません...」

アイ「ふっふっふ、たかが年齢不詳の主婦一人、何程のものだよもん」
秋子『そうかしら』
ぶんっ!水平チョップが唸った
べきょっ!
北川『いて〜っ!やっぱり痛覚は俺かい』
アイ「この装甲の前にはどんな物理的攻撃も無力と化すことを忘れたのかだよもん。
   げっ、割れてるんだよもん」
名雪「わ、すごい」
しかし《かおり》の中では北川がのたうちまわっている
北川『でも俺は物凄く痛いぞ〜』
秋子さん『北川さん、大丈夫かしら?』
北川『・・・・・・』
香里『ちょっと北川君、大丈夫なの?』
北川『(秋子さんって近くでみるとほんとに、お肌すべすべ〜、だな。
    とても俺と同い年の娘がいるとは思えないな。)』
痛みも忘れて妄想モードに入りつつある北川
秋子さん『どうしたのかしら。本当に大丈夫、北川さん?』
北川『(いかん、俺は何を考えているんだ。仮にも同級生の母親だぞ...
    うう、しかし...もうだめだ、がまんできない)』
ばったりとたおれこむ北川
秋子さん『北川さん、しっかりしてください』
北川『うう、苦しいです。せめてこうしてずっと膝枕していてください』
香里『なにやっとんじゃ〜い!!』
ぼきゃあっ!ロベルト=カルロスばりのフリーキックが炸裂し
北川の体は強烈なカーブを描き、有るはずのないゴールネットを揺らした
香里『北川君、あなたってひとは友達の母親にまでっ!恥を知りなさい』
北川『ご、誤解だ...』ちょっと今回は説得力がない...
秋子さん『あらあら、仲がいいわね』

ぼんっ!破裂音と共に煙がたちこめる
そして煙が晴れるとそこには変身の解けてしまった一同がいた
香里「さあ白状しなさい!秋子さんと島島唐ネ関係にあったのね、あなたって人は」
北川「結局こうなるんじゃないか〜」

天野「結局こうなりましたね」
謎の老人「やむをえん、かくなる上は新ヒロインを誕生させるしかあるまい」
がさごそ..老人は薄汚い巾着袋をあさっている
謎の老人「さあ、そこの娘さん、この紙袋をかぶるのじゃ」
真琴「あう〜っ、これじゃバカみたい」 周囲の子供達にはうけているが...
謎の老人「さあ、今こそ変身じゃ」
べかべか〜 真琴の体がどこか不快な光に包まれた
光が収束した時そこにいたのは...
真琴「あう〜っ」やっぱり真琴だった
美汐「何が変わったんですか?」
謎の老人「ふふふ、あの娘の野生の力を引き出したのじゃ。脇慕会臨時応急ヒロイン補佐
     名付けて、《Kanonらいだーアマゾン》じゃ!」
美汐「その名前、もう使われてますけど」
謎の老人「え、そうなの?」
美汐「はい。Kanon SS Linkを見てください」
謎の老人「アマゾンって付いてるから何とかならんかのう」
美汐「確信犯だったんですね。後に何か付ければいいってものではありません」
謎の老人「じゃあ、カノソらいだーというのはどうじゃ?」
美汐「もっとダメです」
謎の老人「やむをえん、おぬしの名は《まこと》じゃ。行け、まことよ、アイを倒すのじゃ」
まこと「あう〜っ」
アイ「中だるみが長いんだよもん。このページは『だよもんド=アイ』なんだよもん
   カノンお笑い劇場じゃないんだよもん。わっ」
べしゃっ!アイの顔面に豆腐が炸裂した
まこと「あうあうあう〜っ」
べしゃべしゃべしゃ、中華ソバになるとにこんにゃくがアイを直撃する
アイ「こらこら食べ物を粗末にするなだよもん。わ、何をするんだよもん」
まこと「あう〜っ」
どぼ〜ん!アイをリフトアップしてプールに放り込むまこと
アイ「こ、これは...みそ?」
アイの脳裏に千駄木のラーメン屋四股龍(仮名)での悪夢の日々が甦った
ソバやなるとにまみれてまさに人間ラーメンと化したアイ
「それやっつけろ〜」
「とどめだ まこちゃん」
「あのへんなクロウカードをふういんしちゃえ〜」
まこと「あうあう〜っ」
ばああ〜ん!!!
まことの投げ付けた巨大花火が炸裂した
ひょろろろろ〜
アイ「やなかんじ〜〜〜だよもん」
アイは空の彼方へと飛んで行った
「まこちゃんつっよ〜い」
「さいごはポケモンみたいだったね」
「へんなかみぶくろかぶってなければもっとよかったね」
真琴「えっへん。当然よね」
美汐「もう戻ってますね、あ...」
そこにはもう謎の老人の姿はなかった

「こっちでもたたかってるぞ〜」
「わ〜すご〜い」
「ひくそんよりつよそうだね」
香里「あなたって人は、誰彼と見境無く」
北川「だから誤解だって言ってるじゃ..ぐえっ」
名雪「香里、もうやめなよ。みんな見てるよ〜」
香里「止めないでちょうだい名雪。は、まさか北川君、名雪にまで。
   母娘そろって毒牙にかけるなんて、もう絶対ゆるさないんだから
   この生きたフランス書院文庫!!」
北川「なんでそういうことになるんだ〜」
秋子さん「若いっていいわね」
「ますますたたかいがはくねつしてきたね」
「あれはたたかいじゃなくてちわげんかっていうんだよ」
「そうそう、イヌもくわないんだって」
「そうなんだ、たしかによくみるとかなりみっともないね、あのひとたち」
「それより、さっきのつづきやろうよ」
「まこねえちゃん、あそぼ〜」
真琴「よーし、そうだ、美汐もあそぼっ」
美汐「そうですね、断る理由はないですし。私はララーシュタイン総統を演りましょう」

無邪気に戯れる真琴達
今日も修羅場の香里達
悲喜こもごもの青春群像が保育園を舞台に展開する
そんな彼等の未来を祝福するかのように
真っ赤な夕陽がかれらを紅にそめるのであった



あゆ『祐一君、ボク もうどうでもよくなってきたよ....』


[14] 第十七話「私を相撲へ連れてって」の巻 投稿者:○川 投稿日:2000/06/02(Fri) 18:37:44

毎日わけも分からず過ぎ行く今日この頃
今回は生きることの意味を問い直す問題作です(かなりウソ)
だよもんド=アイ第十七話「私を相撲へ連れてって」の巻


『あさ〜あさだよ〜 朝ご飯食べて二軍に行くよ〜』
ぐわしゃっ!!
巨人軍の四番打者(か何か)K原の一日はこうして目覚ましを壊すところから始まる

K原「なあ、この目覚ましのメッセージ、もうやめてんか」
夫人「でもこのメッセージにしてから、あなたいつも一発で起きるじゃない」
K原「なんで一日のスタートから,こんな屈辱的な気分にならないかんのじゃい」
夫人「私が工藤○香さん達と一緒に、ドサ廻りC級アイドルだった頃に受けた屈辱と比べれば
あなたのなんて屈辱の内に入らないわよ。さあ、早く朝ご飯食べて」

かくして今日もわびしく二軍のジャイアンツ球場へ出かけるK原

K原「うう、イチローも松井も高橋も獲ってない新人王を獲ったワイがなんでこんな目に...
せめてプライベートでは『ふたりH』の様な新婚生活ができると思ったのにのう..」

あまり甘い夢ばかり見ないのが肝要である

ばきゃっ...ばきゃっ....
肉離れでランニングにも加われないので一人ティーバッティングをするK原
  ぶろろろ....
  そこへ赤いド派手な、バラに覆われた車がやって来た
  そして車から降りてきたのは...
Kズシゲ「よう、まじめに練習してんじゃん」
K原「何や、運転しとるやつと同じ位おめでたい車に乗りおって」
Kズシゲ「これか、こないだM興がどっからか持ってきた」(※第十二話参照)
K原「パチモンレーサーにバッタモン芸人のノー天気兄弟が、ええ身分やのう。
そもそもおんどれは何しに来たんや、邪魔やからさっさとうせんかい」
Kズシゲ「なんだよ、おれに向かってそんな口きいていいのか。オヤジに言いつけるぞ。
大体すぐケガばっかりして、プロとしての自覚が足りないんだよ」
  どぐわっ!
  故・ジャンボ鶴田ばりのジャンピングニーがKズシゲのアゴを捉えた!
Kズシゲ「いて〜よ、何すんだよ、オヤジに言いつけるぞ〜」
K原「他に言葉を知らんのかい、おんどれは。大阪××地区並に貧しいボキャブラリーしくさって。
プロの自覚やなんて、おんどれに言われるのが、全宇宙の誰に言われるより一番腹立つわい」
Kズシゲ「何だよ、オヤジに言いつけるぞ〜、いいのか〜お前ずっと二軍だぞ」
K原「やかましい、壊れた蓄音機かい、おのれは」
  どげし、ぐわし、二軍落ちのGルベスもいつの間にか加わりKズシゲをどつきまくる
Kズシゲ「いて〜よ〜、T田〜早くオレを助けろ〜、オヤジに言いつけるぞ〜」
T田二軍監督「仕方ない、みんな、監督の息子を助ければ一軍だぞ〜」
「おい、ど〜する?」
「ウチの首脳陣の言うことなんて当てにならないしな」
「あんな既知外に刃物な連中とケンカして怪我したらつまんねえよ」
T田二軍監督「さっさと行かないとオーナーに言いつけるぞ」
どどどどど...
失業の恐怖に駆られた選手達がK原とGルベスめがけ突進してきた
Gルベス「ココハ ワタシニマカセナサ〜イ」
K原「おう、頼むでぇ」
Gルベス「アナタ ワルイヒト、シニナサ〜イ!」
どかっ、べきっ、ぐしゃっ
手当たり次第にボールをぶつけまくるGルベス
K原「ええど〜、相手を橘高審判や思って投げるんや」
Kズシゲ「このやろ、よくもやったな、オヤジに言いつけるぞ〜オレの空手をみろ、このやろ〜」
K原「やかましい!」
  ばこ〜ん
  フルスイング一閃、K原のバットがKズシゲを捉えた
  Kズシゲは、伝説の中西太のホームランの様に急上昇の軌跡を描き
  ジャイアンツ球場の場外へと消え去った
  滅多に当たらないが、さすがに当たるとよく飛ぶ
 
  .......
  ひゅ〜 ジャイアンツ球場を乾いた風が吹き抜ける
  気がつくと立っている者はK原一人となっていた
K原「何でや、落合も掛布も山本浩二も獲っていない新人王を獲ったこのワイが
   一体何でこんなことをやっとるんや....」
  K原はふらふらと歩き出すと赤いド派手な車に乗り込んだ
K原「そうや、あの人達に会うんや。もう一度ワイの進むべき道を示してもらうんや」
ブロロロ....夥しい死体の山を残し(死んでねえよ)
  K原を乗せた赤いド派手な車は去っていった  



その日の夜、ゲームセンターでエアホッケーに興じる一団があった
 すこ〜ん!パックがきれいにゴールに吸い込まれる
志保「これで六連勝ね。まあ、この志保ちゃんを相手によくやった方ね」
浩之「ちっくしょ〜、もう一回だ、もう一回」
志保「何回やっても同じだと思うけど〜」
雅史「ねえ、レミィはどうしたの」
あかり「さっき、飲み物を買いに行ったけど」
浩之「にしちゃ遅くないか」
雅史「僕 見てくるよ」
  しかし雅史はすぐ戻ってきた。レミィを連れて。
雅史「大変だよ、レミィに..」
レミィ「酔った変な人がからんでくるんデス、何とかしてくだサイ」
「変ナ人トハ失礼ナ言イ草デスネ」
  そこに現れたのは2メートル200キロを超えるであろう超巨漢であった
浩之「あ、あんたは..」
志保「できちゃった結婚の注射横綱Aケボノ!」
  すこ〜ん!
  Aケボノの張り手が炸裂し、志保はパックの様に吹っ飛んでエアホッケーの台に突き刺さった
浩之「前にもなかったか、こんなこと」
あかり「結局、志保はこうなるのね...」
志保「どっこい、志保ちゃんのジャーナリスト魂は不滅よっ」
雅史「志保〜、血出てるよ〜」
Aケボノ「オ前タチニ何ガワカルノ。アアデモシナケレバ東関親方(高見山)ノ娘ト
ムリヤリ結婚サセラレテシマウトコロダッタノヨ」
志保「だったらどうして相○勇と分かれたのよ」
  すこ〜ん!
  Aケボノの張り手が再び炸裂し、志保はピーターパンの様に宙高く舞った
浩之「志保、今度は星になったか...」
雅史「当分お休みだね...」
Aケボノ「デモ、ヤッパリ若イ金髪娘ガ最高ネ。オ嬢サン、今夜ハモロ差シデガブリヨリネ」
レミィ「離してくだサイ、しつこい人は嫌いネ」
Aケボノ「今夜ハ、ガチンコデ注射ネ」(※物凄く下品ですみません)
雅史「レミィっ」
浩之「手を離せよ、このっ」
Aケボノ「フンッ!」
Aケボノの一薙ぎで吹き飛ぶ浩之と雅史
あかり「浩之ちゃん!雅史ちゃん!」
雅史「あいたたた...」
浩之「くっそ〜どうすれば」

「そこまでや!」
  どがっしゃ〜ん!!店の入り口のドアが砕け散った
  ド派手な車で店内に突っ込んで来たのは、
  紛れもない1986年度新人王K原和博その人であった
K原「そこの相撲取り、ワイの恩人レミィさんにそれ以上の非礼は許さんでぇ」
浩之「恩人?レミィが?」
K原「そや、レミィさん達のおかげで初心を取り戻したワイは
   新たな秘打《ビーンボール打法》を編み出したんや」
   (※満塁で押し出しデッドボールを食らうことを言ってます)
レミィ「そう、だから今年のK原さんは三冠王も狙えるネ」
浩之「だから、それは松井だってば」
Aケボノ「ダレカト思エバ2億7千万ノ粗大ゴミネ、
     オモシロイ、ウケテミロ流星アストロ張リ手!!」
  すこ〜ん!
  あっさり吹っ飛んだK原はDDRの筐体に突き刺さった
レミィ「K原さん、しっかりしてくだサイ」
雅史「本職と同じだね ...」
浩之「同感だ....」
Aケボノ「ハッハッハ、ショセン先場所13勝2杯デ自信ヲツケタ ミーノ敵デハナイネ」
雅史「横綱のセリフじゃないよね...」
浩之「同感だ....」
Aケボノ「トイウワケデ、サア、オネエチャン、ミー トガップリ四ツネ」、
レミィ「いい加減、その手の表現はやめナサイ」
Aケボノ「トイウワケデ、ゴッツアンデス」

「そこまでだよもん!」
  ばしゃあっ!
  天井から謎の粘度の高い液体がAケボノにふり注いだ
Aケボノ「オ〜?!」
もがき苦しむAケボノ
アイ「正ヒロ会の精だよもんド=アイ、お呼びとあらば即惨状だよもん」
雅史「呼んでないよ」
浩之「字が違う、字が」
アイ「相変わらず心無いツッコミをするやつらだよもん。ともあれそこの関取よ、
こんな日本語も英語も下手なパンツ丸見えヒロインに心奪われてはダメなんだよもん」
レミィ「アイさん待ってたネ、会いたかったヨ」
雅史「待ってる人もいたんだ...」
浩之「さりげなく酷い事言われてるけど、いいのかお前?」

その時であった
Aケボノ「フンッ!」
気合一閃、Aケボノが体を震わせ羽織りを脱ぎ捨てると
そこには全く無傷のまわし姿のAケボノがそびえ立っていた。
無論、飛び散った謎ジャムを浴びた周囲の人達はただではすまなかったが..
アイ「な、なぜ謎ジャムを浴びたのに平気なんだよもん」
「うわ〜、目が〜」
「ひぇ〜、皮膚がとける〜」
「床に穴があくぞ〜」
周囲では まるで十五話からペーストコピーしてきたかのように謎ジャムが猛威を奮っていた。
その威力に間違いはないはずだが....
Aケボノ「フッフッフ、普段カラ裸デ過ゴシテイル我々力士ノ皮膚ハ常人ノ百倍ノ速サデ再生スルネ。
更ニ力士ノ使ウ鬢付ケアブラハ、ドンナ酸ヤアルカリモ弾イテ頭部ヲ保護スルノダ」
あかり「力士って凄いんだね...」
浩之「ああ、クマよりすごいぞー、きっと」
雅史「浩之 なげやりだね」
Aケボノ「トイウワケデ貴様モ ミーノ流星アストロ張リ手デ夜空ノ星トナルガイイネ」
アイ「そうはいかないんだよもん。外がダメなら心を攻めるんだよもん」
うにょ〜
アイの体からウルトラセブンのOPの背景の様な妙な光が拡がって行く
気が付くと一同はいつの間にか異様な空間にいた
Aケボノ「イ、イッタイココハ...ハッ、オマエタチハ」
いつの間にかAケボノの周りには見覚えのある男達がいた
Aケボノ「貴N花、M蔵丸、M双山、D島、貴N浪、安芸N島、貴T力...
オー、ミンナ ミーノ注射ヲウケナイヤツラバッカリネ」
レミィ「だからT代大海はいないんですネ」
あかり「いいの?あんなこと言って」
浩之「いいよ、別におれの責任じゃないから」
雅史「浩之 ほんとになげやりだね」
ケケケケ....キャハハハ....
力士達は奇怪な笑い声をたてながら宙を舞い始めた
そして彼らの姿は視界一杯に拡がり、逃げようとする Aケボノの行く手を阻む
Aケボノ「オー、ノォーッ!」
リック=フレアーの様な叫び声を上げてAケボノは気を失った

気が付くと一同はもとのゲーセンにいた
あかり「何だったの、さっきのは?」
アイ「正ヒロ究極奥義《淫魔の乱舞》だよもん。こやつの心の中の恐怖の感情を増幅したんだよもん」
雅史「じゃあ何で僕達にも見えたの?」
アイ「カタいことは言いっこなしだよもん」
レミィ「あ、K原さん気が付いたデス」
K原「あ、レミィさん、無事やったんですね」
レミィ「ハイ、南海龍はアイさんが倒したネ」
浩之「違うって」
アイ「さあ、最後の仕上げだよもん。恒例の牛乳を飲ませるんだよもん」
ごきゅごきゅごきゅ、Aケボノの口に牛乳を流し込むアイ。すると...
ぷっしゅう〜、気の抜けるような音と共に何かがAケボノから抜け出た。
その何かは、ゆらゆらと空中を漂うと「ノコサナイデネ〜」と一言言い残し
霞んで消えてしまう前に、確かにニヤリと笑ったのだ
浩之「笑ってねえよ」
雅史「誰に言ってるの、浩之?」
浩之「何でもない...」

Aケボノ「ハッ、ミーハ 今マデ一体?」
K原「あんたも自分を取り戻したんやな。そうやアイさん、ワイはあんたに...」
アイ「ふっふっふ、皆まで言わなくても分かってるんだよもん。
汝達、よ〜っく聞くがいいんだよもん。
たとえ大きな壁にぶつかっても、正統なるヒロインを崇拝し、
自分の信念を貫き通すんだよもん。たとえ何百回裏切られようとも」
浩之「最後にしっかり予防線張ってるな」
雅史「失敗しても自分のせいじゃないって言いたいんだね」

しかし根拠もなくハイになった彼等にその言葉は届くはずもなかった
K原「見とれよ〜、王も野村も張本も獲ってない新人王を獲ったワイの実力を見せたるでぇ」
(※張本は新人王を獲ってます)
Aケボノ「ミーモ来場所ハ実力デ優勝争イニ加ワルネ」
レミィ「その意気デス。《何とかの考え、休むに似たり》の精神で頑張るデス」

今後も裏切られ続ける事は確かな彼等ではあるが、その前途を祝福するかのように
西から昇ったお日さまが彼等をまぶしい光で照らし始めるのであった

あかり「やっぱり東に沈むのかな?」
浩之「バ〜カ、ボンボン...」

アイ「最高ですか〜だよもん」
Aケボノ「最高ネ〜」
K原「最高や〜」
レミィ「最高デ〜ス」


あゆ『祐一君、今ならボク、何度でも奇跡が起こせそうな気がするよ....』




じりじり...何か熱いわね、それに変な臭いが...
志保「な、何よこれ?!」
長い意識の混濁から目覚めると、志保は凧糸でグルグル巻にされて
大きな鍋の中でスープに首まで浸かっていた
四股龍(仮名)のオヤジ「おう、ねえちゃん目が覚めたか」
志保「ここは、あのラーメン屋? 何で私がこんなとこにっ?!」
オヤジ「ああ、ねえちゃんが空から降ってきたから、ここに連れてきたんだ」
志保「な、何て御都合主義な展開なのっ!大体どうして私が鍋で煮られなきゃいけないのよ」
オヤジ「大丈夫、弱火だから。この前スープの素に逃げられてよ、代わりになってくれ」
志保「弱火とか強火とかの問題じゃないでしょっ。何で私がこんなスープのダシに、ううっ臭い..」
オヤジ「この前はこってりのトンコツ風だったけど、大丈夫、今度はさっぱりの塩味だから」
志保「塩味とかトンコツとかそういう問題じゃないのよっ!うう意識が遠のいていくう〜」

変色した奇怪な野菜ともにダシを摂られる志保
塩味の女子高生スープできっと店は大繁盛だ!
頑張れ志保! ついでに負けるなだよもんド=アイ!


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