[はじめてのクラシック]

 

クラシック音楽って何?


 

クラシック音楽とは?・・・この問いに答えることは とても難しいです。
「ウィーンのムジークフェラインザールで演奏できる曲がクラシック音楽だ!」「小学校や中学校の音楽の教科書に載っている曲がクラシック音楽なんじゃないの?」「いやいや、タワーレコードの”クラシック売り場”に並んでいる曲がクラシックだ!」なーんてな適当な答えで逃げたくもなりますが(^^;、
いくつかの切り口から「クラシック音楽」なるものの正体に迫ってみようと思います。

(その1)クラシック音楽=まじめな音楽?

バッハやベートーヴェン、ワーグナーなど、学校の音楽室に肖像が飾られているような作曲家を多数輩出したドイツ(あるいはドイツ語圏)では、クラシック音楽のことをernste Musik(E-Musik)と呼びます。"ernst"は「まじめな」とか「真剣な」とかいう意味があるので、彼の地ではクラシック音楽=まじめな音楽ということになります。
ちなみにロックやポップスは娯楽音楽=unterhaltungs Musik(U-Musik)です。ということは・・・ドイツでは、その音楽が生まれた「時代」や「地域」で分類するのではなく、音楽を作り/演奏し/聴く者の「価値観」によって分類しているようです。
「クラシック」というと「古典」とか「伝統」とかというイメージが先行しがちですが、この定義なら「昨日作られたばかりのクラシック音楽(E-Musik)」もあれば「200年前の娯楽音楽(U-Musik)」もある、ということですね。
とはいえ、例えば「クラシック界の大御所」と目されているモーツァルト(1756-1791)が多数作曲している「セレナード」や「ディヴェルティメント」などは、当時の貴族階級が宴会や食事のときにBGM的に楽しむ娯楽音楽=U-Musikとして作られたはず(映画”アマデウス”に、そんなシーンがありますね)なのに 200年後の私たちはコンサートホールで咳ひとつするのも遠慮しながら静かに畏まって聴いているわけですし、逆に第二次世界大戦の激戦を題材にしたE-Musikの極めつけともいえるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲第7番<レニングラード>が 栄養ドリンクのCM「ちちんぷいぷい、○リナミン」に使われるのを見ると、E-MusikとかU-Musikという分類は 相対的なものにすぎないのかもしれません。

 

 

(続きは、思いつくたびに書き足していくつもりです・・・)


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