ようじむらから

第4号 1999年5月24日発行

  入村式から1ヶ月がたち、活動場所でたくさんの花が見られるようになりました。
子ども達も大分活動になれ元気に遊んでいます。

さて、バスの中では今幼児村の子ども達を主人公にしたお話を創って楽しんでいます。
絵本や紙芝居でなく素話しで私が常に子ども達の目を見ていることができるためか、子
ども達も真直ぐに私の目を見てくれて次はこうしよう、ああしようを口々に意見を出してきます。
瞳を輝かせながらそれぞれが主人公としてお話の世界のめり込んでいく様子がよくわかります。
はじめは全て私の方でおはなしを創っていたのですが、何回かやるうちに子供とおはなしを創り
だしていくようになりました。おはなしの内容は、ジャングルでチンパンジーと木登りをして遊
んだり、ひょんなことから雲に乗って不思議な国へ迷い込んでしまったり、時にはみんなで力を
合わせて悪者を退治したりと様々です。子ども達は特に魔法が使える魔女のおはなしがお気に入
りのうようでした。

話をしていると子どもたちが興味を示す言葉が「七色(なないろ)の〇〇」「おまじない、呪文」
「勇気」など、はっきりした形を持たないもの、不思議な響きを持ったものや、「おかしの国」
など、聞いただけでわくわくしてくるものであることが分かってきました。今は、映像や絵本、
図鑑を目にする機会が多くこどもたちも体験していなくても知識として知っていることがたくさん
あるので、素話でどの程度イメージを広げられるか心配しましたが、始めてみると全く心配の必
要はなくなりました。こどもたちはそれぞれのイメージの中で楽しむことができたようです。

ある時、「おかしの国」が出てきました。ある子は、「オレンジジュースの川があってまわりに
きらきらしたあめ玉のお花があるの」別の子は、「壁がクッキーで屋根がチョコレートのおうち」
をイメージしました。中には、「下記氷が雪みたいにつもってて、ミルクとイチゴの大きなお山
のアイスがある」という子もいました。この日はとても暑い日だったので、皆「それは良い」と
いうことになり暑いバスの中で、ひんやりした国を探検して楽しみました。

イメージは心の中でふくらめばふくらむほど楽しいものになっていきます。子どもたちにはそれを
思い切り楽しんでもらいたいです。そしてまた、子どもたちが存分にイメージをふくらませること
ができるように、常日頃から子どもたちに対する言葉がけ、語りかけについて考える必要があるの
ではないかと思います。(仁戸田)

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