第壱章 術者誕生
● サイコタイプと能力値
基本ルールでは、5種類のサイコタイプを用意してあります。
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それぞれのサイコタイプの特徴は以下のとおりです。
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キャラクターメイクの際には上表の能力値に5ポイントを割り振ることができます。これはプレイヤーの自由に割り振る事ができますし、上限もありません。各能力値それぞれ以下のような使い方をします。
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能力値とは少し違うかもしれませんが、RSP(現実的技能ポイント)、PSP(霊的技能ポイント)、天勢値の3つがあります。
能力値 | ポイント |
RSP | 1D3+8 |
PSP | 1D3+10 |
天勢値 | 3D6 |
RSPは「刀剣術」「天文学」などの一般的な技能の他に「座禅」などの精神的な技能もこの範疇です。つまりは術力でない技能は全てRSPを消費して獲得・成長します。一方全ての術力はPSPを消費して獲得・成長するのです。
全ての術力・技能はキャラクターメイクの際には1LVを獲得するのに1ポイント、2LVに成長するのにさらに2ポイント。3LVに成長するのにはさらに3ポイントを消費します。以下同様に4ポイント、5ポイントと増えていきます。例外は『秘術』と呼ばれる高等術力で、これは2倍の消費がないと獲得・成長することはできません。
さて、天勢値ですが、これは改めて第2章でロールの仕方と共に説明します。
● ゲーム中の諸数値
HPはその術者の生命力を表していて、初期最大値は『耐久力』×3点で、この値が怪我などで『耐久力』×1を下回ると『デスチャート』で判定しなければなりません。ですから、『デスチャート』の結果によってはHPがマイナスになることも有り得ますし、逆にプラスでも死亡する事があります。
一方APは術力を使うための値であり、初期最大値を『精神力』×3点とします。APはHPと異なり、0になるまでは何のペナルティもありませんが、0になると「集積」することも霊的なものを感知する事も(装精霊で強化することも)できなくなります。また、マイナスになることは絶対にありません。マイナスになるような攻撃を受けても0で止まります。
強撃点は白兵戦における追加ダメージのことで、『筋力』÷2(端数切り捨て)で算出されます。素手による攻撃の強撃点は特に空手(くうしゅ)強撃点と呼び、(『筋力』+「強撃」)÷2点です。空手とは呼びますが、蹴りや体当たり・頭突き・格闘にも加算できます。
集積力とは周囲から霊的なエネルギーをAPの形にして取り込む能力のことで、『感覚力』×2+総合LVで算出されます。戦闘中に集積をするにはS行動(後述)で「集積ロール」を試み、成功しなければなりません。
「集積ロール」とは、2D6を振り、その結果「集積力」≧2D6が成立すれば、先ほどの「集積力」と2D6との差だけAPを回復できます。これはあくまで回復であって、AP最大値を越えて集積することはできません。また、『式』はこの能力を持っていません。術者であれ禍族であれ、APを周囲の精霊から分けてもらっているので、1度その場の精霊と同調に失敗、すなわち「集積ロール」に失敗すると、そこで集積することはできなくなります。
SMVは、戦闘中の行動の順番に関する数値で、『運動力』×2で算出します。この数値が大きいと、戦闘中の行動を他よりも早く行えます。また、『運動力』が術力などで変化したり、重い鎧を装着したりすると変化することがあります。この数値は『式』も同様です。
伝承力とは、術者と禍族のみがもつ、まさしく伝説に残るような事をする力で、√総合LV(端数切り捨て)点をシナリオの最初に与えられ・使えます。なお、シナリオ終了時に持ち越すことはできません。
伝承力を発動させるには使用者が「重傷状態」になっているか、「心が燃えている」必要があります。「重傷状態」は判断できますが、「心が燃えている」の方は完全にGMの裁量です。ちなみに伝承点(伝承力のつかえる回数)はゲーム中に『天勢値』を10点消費することで回復しますが、先程の使用回数以上にストックすることはできません。伝承点が使われたときの効果は次の章を読んで下さい。
経済力とは単純に財産のみを表すものではなく、物を手にいれるために費やせる時間的猶予や、必要なコネを含めるポイントで、単位はmp(Money Point)を使います。最初にもっている経済力は2D6+5mpです。物を入手するために消費するmpは同じ物を入手するとしても舞台となる世界によって異なります。ちなみにキャラメイク時の経済力はかなり少なめになっています。
移動力とは1回の行動で移動できる距離のことです。移動力は『運動力』×1mです。次の章で詳しく記述される、コンビネーションで「疾走」と組み合わせるのなら移動力×1m移動しつつ他の行動が取れます。移動力はカウンターの際に重要なファクターとなります。
第壱章追記
● 純血化
一部の例外的なサイコタイプを除いて、術者は3種類の術力系統を使用することができます。ですが、3種類使える分、極端に優れた術者は生まれなくなっています。雑種の動物は汎用性には優れてはいても、個々の能力においては劣っているものです。
術力が遺伝形質であることに気付いた術者達は、自分たちの能力の純度を保つように縁組みしていくことにしました。これらの純血化された一族の術者は、使える術力系統こそ少ないものの、術者としての能力が高くなります。
純血化された術者はキャラクターを作る際に割り振れる能力値が多くなります。術力系統を1つ削ると+3。2つで+6。3つで+9点です。術力系統を削らなくても5点を割り振ることができますので、結果として8/11/14点を能力値に分配することができるのです(3つとも術力系統を削ると『霊力』の4点が無駄になるのであまり効果的ではありませんが)。
● 装精霊
『装精霊』とは術者と禍族のみが身体の周りにまとうことができる精霊の力で(何故こんなことができるかは第7章で推測されています)、通常、視覚的には見られません。
ルール的には『感覚力』+総合LV点を能力値に割り振って加算する事ができます。ただし、『感覚力』と『天勢値』には加算できません。また、『装精霊』は戦闘中も組み替えることができ、S行動でいつでも可能です。『装精霊』で『耐久力』・『精神力』を増加してもAP・HPは増加しませんので注意して下さい。
『装精霊』のルールはあくまでオプションですので使わなくても構いません。
● 瘴害
『感覚力』が高すぎる術者は感知したくない「もの」まで感知してしまいます。精霊との交信を得意とする術者は、ついでにその他の「もの」の声まで聞いてしまうのですから当然のことでしょう。
このルールを<瘴害>といいます。
おもに戦闘時のほかには演出としてしか用いられることはないのですが、周囲で高レベルの妖術が発動されると肉体的な能力が減少することがあります。これが<瘴害>です。
具体的な数字で言いますと、12÷『感覚力』(端数切り捨て)を算出し、これを「瘴害値」と呼びます。術者の周囲(『感覚力』の2乗m内)で「傷害値」以上のレベルの妖術が発動していると『筋力』『運動力』が<範囲内で最も高い妖術>レベル点だけ減少してしまうのです。
<瘴害>はほかにも強い負の感情とともに発動した術力・霊的存在にも適用されます。また、逆もまた真なりで、強い正の感情を伴って発動された術力も禍族に対して<瘴害>の効果を持ちます。
<瘴害>を防ぐには自分の霊的感覚力を落とす必要があります。霊的感覚力を落とすと、自然、精霊とのコンタクト能力も落ちますので、装精霊の能力は低下します。ルール的に言うと装精霊を1点消費するごとに「瘴害値」が1点ずつ上昇することになります。これによって、低レベルの妖術では<瘴害>が発生しないことになります。
第壱章番外 「汝、誕生せよ」
<番外編登場人物紹介>
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