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平成11年 7月16日号通算79号 |
の日本酒を飲む会 ニュース |
立食スタイルの酒パーティーの元祖のような会。もう25年も続いている会で,カミさんが会場に入ってすぐ「みっともない」とつぶやいた。それは何を意味していたかそこで聞くわけにいかないので,帰り道に聞いた。そうしたら「いい大人がテーブルの食べ物をムシャムシャとやり出したのよ」といった。
よくある情景だ。主催者が制止しようがしまいが,ガツガツとやり出すのが立食パーティーのルールになっているようだ。洋食ならローストビーフに列ができ,和食だと寿司の屋台に列ができる。売りきれるまで何度も並び自慢する者もいる。
そこは安売りバイキングの店ではない。少なくとも何らかの文化的な意図を持って開かれた会だ。参加者は何らかの選抜を受けているはずだ。それなのに・・・である。だから「みっともない」のである。
どうしてなのだろうか。会は腹を空かせるほど待たせたわけではなく,ちゃんと定刻に始められている。その人たちは昼飯を抜き,ここでそれを埋めようとしているのだろうか。まさか・・・。ココは酒を飲むのが本来の目的ではないのか。
ペリーが来日した時の記録には,武士たちが宴会で乱れる有りさまを記している。そればかりではない。室町のころも鎌倉時代も酒席はヘベレケが常だったとか。でも立食という酒席はヘベレケは許されない。食べるものについてもそれなりの常識があるべきなのに,「大の大人が,みっともない」といわれる情景を繰り返すようになったのはどうしてなのであろうか。
個人的なことだが私にとっては「見ぬもの清し」であるが,そのような場に慣れていないカミさんの目には異常にうつる。しかしそれを異常と感じる方が正常であることは間違いない。これもカミさんの観察報告だが,初老の男生と若い女性が,会が始まるとすぐにテーブルの料理を持参のタッパーに詰め始めたという。これには飽食の時代といわれる日本,調理材料の40%を廃棄している日本の食卓のマナーなのだ。
国民性なのか,飢餓時代を経験した世代の遺産なのか。いずれにしても若者たちには受け継がせたくない。
さて,幻の・・・例会だが,立食にせよ,着座にせよ,料理は十分用意していただいている。美味しいことで有名な店では「苦しい苦しい」を連発しながらという情景もあり,「もう少し料理を少なくしてくれ」という苦情もいただいている。
それらは「お店の心意気」だとしてご容認いただきたい。主催者としてはテーブルの酒と料理の量を心配したくない。「これ以上飲んだり食ったりしたら健康に悪い」と思ったら,あなたの理性でブレーキを掛けていただくしかない。
5月21日,全国新酒鑑評会出品酒を集めてきき酒する例会を初めて試みた。並んだ酒,29酒の内,鑑評会金賞が13もあった。全国の打率が0.27,こちらは0.45。出品酒グループのレベルはずば抜けて高かった。「花嫁」「蘇る」両誌の縁に感謝する。
今回の例会で,どれが全国金賞か?例会人気は?個人のきき酒成績は?などを発表・調査しなかったのは,会則「きき酒能力を問わない」「あの酒がよかったと決めつけない」とあるからである。
なお,好評だったのですが,会の趣旨から「きき酒」例会は継続的にやるつもりはございません。
湯島酒堂を発表したら早速申し込みが寄せられ,第2土曜日コースはほぼ満員になりました。そこで第2水曜日の夜6時〜8時半のコースを開くことにしました。
興味のある方は事務局へ。水曜日はまだ余裕があります。お知り合いの方々もお誘いください。
なお,松崎晴雄さんの講座は,「日本酒教養講座」(於:
牛込『浪漫亭』)と「朝日カルチャー」が開かれています。
〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-12湯島ハイタウンB-1308
TEL 03-3818-5803, FAX 03-3818-5814 幻の日本酒を飲む会
篠田次郎