激走!日本一周そのK
2006年4月28日
ついに、日本一周の最終章に向かう。朝起きてホテルを出発。自転車の調子も問題ない。また、天気も体調も良い。残りは約130Km。
景色を確かめながら、ペダルを踏み込む。海・山・道路すべての景色が、自分には尊いものに感じられる。自分だけで走ったわけではなく、応援してくれる友人や見知らぬ人、自然も含めて後押ししてくれた。何よりも、この自転車が一番の功労者だろう。この自転車で約1万Kmは走っている。前の自転車を含めると約1万5千Km。凄い距離である。
今まで少しずつ走り続けた。自転車を始めてから自分の周りのすべての環境が変わってしまったと言っても過言ではない。それでも、自転車は俺から前向きさを失わないように支えてくれた。どんなに苦しくても、どんなに嫌でも、前に進めば次の展開が待っている。決して立ち止まらないで頑張れば道は開けるのだ!
国道9号線に入ると急に交通量が増えてきた。車が追い抜いていく。今日は心なしか大きく避けてくれているような気がする。アップダウンも今までどおりあるが、今日は全く苦にならない。当然体中痛いし、息も苦しい。それでも、それが全く嫌ではない。むしろ、もっと前に進もうと言う気持ちに変わる。
「頑張れ!負けるな!俺!」
昼になると、大田市に着いた。お好み焼き屋さんで、広島焼きを頼む。
「どっちから来た?」
おばちゃんが、聞いてくる。ここは一本道の国道なので南か北。出雲大社に、これから行くか行ったあとかだ。
「今の時期は少ないけど、夏休みは結構自転車おるよ!」
良かった!まだ自転車ツーリングがいることに喜びを感じる。北海道で10年前の10分の1ぐらいに減ったと話されたときは本当にさびしかった。少なくとも同じような体験をする人がいて欲しい。また、若者がツーリングをするのを見てカッコイイ!と思って欲しい。自分もやりたい!と思って欲しい。今の若い人に耐えることや、達成する喜びを学ぶ上では自転車はすばらしいパートナーとなるはずだ。
おばちゃんにコーヒーサービスしてもらった。まさか40のおっさんとは思っていないだろう。どうもありがとう!
太田市を過ぎるとやっと出雲の案内表示が出てくる。
「もうすぐだ!」
走りながら、いろいろ思い出す。
おととし、新潟の営業所に郡山から自転車で行った。約170Kmあり、夕方に行くので飲みに行こうと話していた。到着の約30Km手前で、大転倒する。勢いよく走って右折するときに、タイヤの向きが変わらずハンドルだけ回ったのだ。つまり整備不良なのだが、体中血だらけになった。痛くて30分ぐらい動けなかった。自転車直して走っていったが、あまりの傷だらけに営業所のみんながびっくりしていた。あのみんなのびっくりした顔がおかしくて忘れられない!
富士山を自転車で登りに行くが、がけ崩れで通行止め。通行止めのバーをくぐって登って5合目まできたら、作業員に感心されたけど、思いっきり怒られた。そのあと、青木ガ原を自転車で下って、ドキドキした〜。
大菩薩峠の登山道を自転車とテントなど大量に担いで登った。一般の人をどんどん抜いて歩いていく。途中疲れて動けない人達が、俺の姿を見てびっくり!「名のある冒険家ですか?名前を教えてください。」と言われた。「サラリーマンです!」。一般から見るとどう見えるんだ?
鳴門門橋は、自転車で渡れない!自転車で初めてヒッチハイク!「のしちゃる」。ありがとう!山口さん。
いろは坂を登る。道は車で大渋滞。休もうとすると、車の中から女の子が「頑張ってー!」。・・・・休めない。九十九(つづら)折りを二つぐらい曲がって休むか?車が見えない。休むぞ!そうすると、また別の車から「頑張ってー!」。・・・・また休めない。俺は馬鹿か???
夏の炎天下の三方五胡。海岸線を走るが全く日陰が無い。疲れて休むのだが、日陰なし。・・・。いつの間にか記憶を失って、トンネルの中で倒れていた。・・・どこを走っていたのかも覚えていない。・・・あぶね〜!!
正月沖縄で昼食にソーキそば頼んだら、家庭料理を大量に出された。食べきれなくなった。無理に全部食べたが、そのあと暫く吐きそうで走れない。つらい・・!
・・・・・
何やってるんだか・・・。でも、楽しいことばかりだ!そして、きっとこれからも。
出雲大社の表示に従い左折。
あと少し。
最後に力を振り絞る。
やった〜!出雲大社到着!!
日本一周何とか達成した。今回の走行距離は1022Km。本当に楽しい旅行だった。自転車に自分が成長させられたと言うことを否定できない。これから暫くは忙しい毎日かもしれないけど、慣れてくれば仕事以外でも必ず次の挑戦をする。その時は、またいきなりスタートすることでしょう!
以前ページ上で紹介した、三浦雄一郎さんの記録が塗り替えられた。荒山孝郎さんが5月17日、世界最高峰のチョモランマ(エベレスト8844メートル)に登頂し、70歳7カ月13日の最高齢登頂記録を達成した。年齢は当時の三浦さんを3日上回った。以前から三浦さんは75歳でまた登ると言っていたので、多分この記録にチャレンジするでしょう。
三浦さんの父、敬三さんは99歳にしてモンブランからスキーで滑走成功。親子そろって凄い人たちだが、残念ながら敬三さんは、今年1月亡くなってしまいました。101歳でした。非常に残念です。ご冥福をお祈りします。
この人たちの記録を見ていると、本当に自分が恥ずかしい。パワーが足りない。まだまだです。20歳代ぐらいから「もう歳ですから・・。」と言うような人は反省!!
俺もまだ若者だ。少なくとも何もしない人や年だけ若い人達よりは。皆さんも何かを目指して頑張ろう!何歳でも遅いことは全く無い。何もしない、何も考えないことはやめて、自分の人生大切に生きてみよう。人生は一度きりだ! 楽しく! そして元気に行こう!!何かするなら今だ!今しかないぞ!!
俺もいつまでもチャレンジし続けるぞ!