3.裂肛(切れ痔)
歯状線と肛門縁の間(肛門管といい括約筋が締める部分にあたります)が文字通り切れることで、排便時の出血と疼痛がでます。軽い物はすぐ治りますが、縦に裂けた上方に肛門ポリープ、下方に皮垂(見張りいぼ)というたるみができます(これらは治りませんが治療の必要もありません)。慢性的に繰り返すと内括約筋に炎症が及び筋肉の弾力性が失われます。さらに繰り返すと肛門が狭くなりよけいに切れやすくなるという悪循環に陥ります。
4.痔瘻(あな痔)
歯状線上にある肛門陰窩という窪みより細菌が侵入し、筋肉等の組織がない柔らかい 所に膿瘍(肛囲膿瘍という膿のたまり)を形成。皮膚に排膿して、腸と皮膚の間にトンネルを作ったものです。
5.痔の成因
痔核は静脈瘤ですから、主に血流の鬱滞が原因です(最近は血管の支持組織の脆弱化ともいわれています)。妊娠により子宮が腫大し静脈還流を阻害してできるもの、長時間の座位を続ける職業の人にできるもの等があります。
裂肛は硬い便の排出によって生じるものが殆どです(下痢で切れることもあります)。
痔瘻の成因は明らかではありませんが、クローン病(粘血便を伴う難治性疾患)等の初発症状であることもあります。