/// 月を愛でて、仲秋の名月 /// (02/09/06)
今年の中秋の名月は9月21日、京都でも観月会など、月を愛でる 催しが幾つもあります。旧暦の8月15日の月を十五夜、旧暦の9月 13日の月は十三夜、月を愛でる優雅な風習です。月見団子と共に 秋桜や作物を供える地方もあるようですが、京都では至って質素、 月見団子に供えるとしてもススキぐらいでしょうか。 昔の中国では旧暦の7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋と云い、 それぞれの月の満月の夜に月見の宴を開いていたそうです。 なかでも中秋の8月15日の月は最も明るく美しい月とされ、 「十五夜」と云われていました。この風習が平安時代には貴族の 間に広まったものと思われています。庶民の間に広まるのは江戸 時代のことでしょうか。 中秋と仲秋、季節と云う意味では「中秋」と表記しますが、月を 愛でる意味では「仲秋」と表記するそうです。 季節の農作物を供えると云うこともあって、十五夜には里芋を供え ることが多いので別名、「芋名月」と云われたりもします。 一方、旧暦の9月13日の月を「十三夜」と云い、食べ頃の栗や枝豆を 供えたことから、十三夜を「栗名月」「豆名月」と表現することも あるようです。この十五夜と十三夜の二つの月を愛でるのが風雅と され、片方の月のみになってしまうことを「片見月」と云って 嫌われたそうです。 月見団子、皆さんのところでは幾つ供えるでしょうか。京都では 十五夜は15個、十三夜は13個と云う話も聞きますが、大方は両日 共に12個の月見団子を供えるところが多いかなと思います。 ただし、閏年は13個になります。月見団子も昔は里芋の子の皮を つけたままで蒸した衣被を盛って供えていたことから、京都では 丸い月見団子ではなく、里芋の形をして端を餡にくるんだ月見団子 を供えることが多いです。 今年の中秋の名月は土曜日です。慌ただしい毎日をちと忘れて、 ♪十五夜お月さん~♪、を歌ってみるのもよいかも知れません。 |