/// 安倍晴明 ///  (99/09/20)

 四神相応を基に平安京が造営された訳ですが、その意味合いを少し
書いてみます。

四神とは玄武、朱雀、青竜、白虎を意味するとか、この四神は方位の
概念を持ち、北極星を中心とする四つの星座のグループから考えられて
いるのではないかとされています。

台湾では今でも「朱雀の方向に曲がって」などの言い回しをする
こともあるそうです。

この方位の概念が風水などの思想と結びつき、天空と同じ様な
形態を地上に求め、なぞらえる形で平安京が造営されていくことに
なります。船岡山を基点に、東は大文字山、西は小倉山、南は
甘南備山と四神に相応する地形です。なんと壮大な発想でしょうか。

平安京が都として発展するにつれ、これら方位や地相などを
司る役所が大きな意味を持つようになって来ます。

陰陽寮(おんみょうりょう)と呼ばれたその役所は宇宙観の理解に
始まり、暦の作成、自然・天体現象の把握などを司っていたと
伝わります。でも科学的証明も出来ない時代の話ですから、
当然にその内容は呪術的色彩を強めていきます。

この陰陽寮に勤める役人は陰陽師(おんみょうじ)と呼ばれ、
有名なのは安倍晴明(あべのせいめい)、今昔物語集などにも
登場する晴明は、数々の数奇な伝説が残る陰陽師です。
東山の真如堂には安倍晴明の蘇生伝説が残ります。

晴明神社です。こじんまりした
神社で、静かな境内なのですが、
最近、訪れる若い女性が増えて
います。

岡野玲子さんの漫画「陰陽師」の
影響だと思いますが、奉納されて
いる絵馬を読んでいると、神様と
云うよりアイドルのような
感覚なのかな~と思ってしまい
ます。
晴明神社提灯の星形の図柄は
天地五行を意味すると云います。
自然界を陰と陽で捉え、それぞれに
二つの天体と、その中間の天体の
五行からなると云う哲学感だ
そうです。???

この安倍晴明を産んだ白狐が
祀られている葛葉稲荷神社が
大阪は信太山にあるとか、
一度訪ねたい場所のひとつです。
なお、安倍晴明の墓所が嵐山にあります。
晴明神社、点景

///  一条戻橋  ///  (99/10/01)

 晴明神社付近をさらに歩いてみます。
晴明神社は安倍晴明の館跡だと云われています。
晴明神社を東に堀川通に出れば一条戻橋が
あります。

平安朝の時代にこの橋を渡る葬送の列があり
ました。ところがにわかに空は曇り、稲妻が
走り、稲妻の雷光と共に棺の蓋が開き、
亡者が生き返ったと伝わります。
このことから戻橋と呼ばれるようになったと
伝わります。

先の大戦では、再び戻れるようにと、
わざわざこの戻橋を渡って戦地に赴いたと
云われます。

また花嫁行列はけっして、この橋を渡らない
というのも京都の習わしとなっています。

 先代の橋の一部が、晴明神社の参道に
ひっそりと置かれています。




 位置関係を紹介
しておきます。

晴明神社までは、
堀川今出川の交差点
から歩いて5分ほど、
一条戻橋まで10分
ほどです。
また、境内に湧く
晴明水は悪病難病への
ご利益があると伝わり
ます。

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