/// 上巳の節句  ///  (04/02/19)

 上巳の節句、今流に云えば桃の節句、ひな祭のことです。
五節句の一つである上巳の節句、上巳とは陰暦三月の最初の巳(み)
の日のこと。中国では三月上巳の日に生まれた女の子がすぐに亡く
なったので、それを忌み、川で沐浴、禊ぎ(みそぎ)をした行事が、
川のほとりで災厄を祓う行事へと受け継がれました。

日本でもこの中国の風習が伝わったのでしょう、巳の日の祓いとして
葉っぱや紙で人形(ひとかた)を作り災厄を祓うことが行われる
ようになります。それが平安時代に宮中で行われていた「ひいな遊び」
と云われた人形遊び、この場合は”にんぎょう”ですが、その遊びと
祓いの”ひとかた”が結びつきます。

今も雛人形を川や海に流す風習が伝わる地方もありますが、これも
”にんぎょう”と”ひとかた”が結びついたものが今に伝わって
いるのでしょうね。
ひな祭として雛人形を雛壇に飾り付けるのは京都で始まったとも
云われます。そして、女の子の祭と変化していくのは江戸時代後期の
ことだと云われます。

一方で祓いの行事としてのみ今に伝わるのは、下鴨神社や蚕ノ社で
行われる御手洗祭(みたらしまつり)、平安時代には宮中で”節”の
変わり目に禊祓(みそぎはらい)を行っていた名残のようです。

みたらし団子と云う和菓子がありますが、下鴨神社近くの店で
売られている”みたらし団子”は五つの団子で、一つの団子が離れ
四つと一つに分けて串に収まっています。その一つの団子は人の
頭を表していて、いわば、みたらし団子は”ひとがた”です。
ひな祭も御手洗祭も、元をたどれば同じところで出会うようです。

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