/// 弘法さん と 天神さん  ///  (01/01/29)

 弘法さんとは毎月21日に行われる東寺の市のことです。
「あした弘法さんへ行ってくるわ〜」と云ったりします。

人物の弘法さんは云うまでもなく弘法大師、東寺を開いた
真言宗の祖です。空海の名でも通っていますね。
弘法大師は承和二年(835)年三月二十一日にその生涯を
閉じたのですが、その威徳をしのび境内に市が立つように
なったと云いい、平安時代より連綿と続く弘法さんです。

 陶器に混ざって何故かおもちゃが…、弘法さん。
東寺の境内はとにかく広い、その広い
境内に所狭しと露店が並びます。
その数1,000ほどと聞いたことがあり
ます。
骨董、陶器、古着、大工道具、箒、
下駄草履、ざるかご、人形…
陶器店では数百円の湯飲みから値段を
聞いてびっくりの皿まで揃い、
古着物はその絵柄が好まれるのか
外人さんに人気があるようです。
ごった煮感覚のお店も多く、陶器と
おもちゃが並べて売られていたり、
一日歩いても見飽きず、面白いもの、
意外なものに出会えます。

 終い弘法、初弘法では薬師如来がご開帳されます。
そうそう、弘法さんの時にだけ発売
される笹屋伊織の「どら焼」もお薦めです。
もっちっ、とした食感の皮に餡が包まれた
「どら焼」です。
毎月20〜22日の三日間だけの限定発売です。

笹屋伊織、075-371-3333
下京区七条大宮西入ル

もうひとつは「東寺餅」、白い餅に
こし餡を包んだ上品な「東寺餅」です。
こちらは東寺の東大門近くにあります。

東寺餅、075-671-7639
南区東寺東門前町
 一方の天神さんは毎月25日です。北野天満宮の市です。
その昔、毎月二十五日に法楽連歌が催されていたことがあり、
やがて菅原道真を慰めるかのように市が立ったと云います。

「弘法さん」が雨なら「天神さん」は晴れ、今月は「天神さん」の
勝っちやな〜、っと云うのが京都の口語りです。
弘法さんは全国的にも有名なようで、各地から人が集まり賑わいますが、
天神さんは規模も小さいこともありますが、庶民の市と云った感じです。
どちらかと云えば、漬物、駄菓子、乾物など食べ物を扱う露店が目立つ
かなと思います。

どちらの市もそうですが、イベント会場のタコ焼、焼きソバなどの
ような現代的な露店が徐々に増えているようでもあります。
でも、「弘法さん」、「天神さん」では昔ながらの露店がいつまでも
続いてほしいものです。

     雨でも賑わう参道、天神さん。
こちらの味のお薦めは長五郎餅に粟餅。
境内の東の一角で商われる長五郎餅は
餡をくるんだ羽二重餅、お茶に合います。
粟餅は表参道の今出川通りにある澤屋、
餅を丸めてこし餡で包んだものと、
細長く伸ばし、きな粉をまぶしたものが
あります。
つきたての餅を丸め、一抱えもある
丼鉢の淵に投げ入れ、その餅をこし餡で
くるんでいくその手際よさ、見ていて
面白いです。
なお、この粟餅は普通の土日でも午前中で
売り切れることが多いです。
天神さんの日はなお早めに…

澤屋、075-461-4517  
上京区紙屋川町        
              
長五郎餅本舗、075-461-1074
上京区一条七本松西
(天満宮境内の出店の住所とは違います。)

Produce By 京の住人 戻る