/// 北野天満宮の周辺 ///  (00/01/30)

 京都で、〜〜さんと親しみを込めて呼ばれるところには愛宕さん、貴船さん、
六道さん、清水さん、弘法さんなどなどが思い浮かびますが、そのひとつに
天神さんがあります。

天神さんこと北野天満宮は、学問の神様でもある菅原道真を祀ります。
でもその昔、北野天満宮は北野神社と呼ばれ、農耕の実りを祈り、聖牛を
供えて天空の天神、雷公を祀っていました。
その名残でしょうか、北野天満宮境内数カ所に今でも石の牛が鎮座しています。

 何故、北野天満宮が学問の神様と言われるようになったかですが、道真が亡き後、
京都で雷が暴れると、それは太宰府に流された道真の祟りと恐れられていた
のですが、それでは時の朝廷としても始末が悪いので、雷公を祀っていた
北野神社に目をつけて、学問に才能があった道真を祀ることで災を逃れようと
したことに始ります。
そうこうするうちに道真は恐ろしい雷から学問の神様に変っていったという
ことです。道真の生まれた日、太宰府に流された日、亡くなった日が二十五日と
云うことで、北野天満宮の縁日は毎月二十五日となっています。
 また、京都では天神さんと東寺の弘法さんは
仲が悪いという言い伝えがあります。二十一日の
弘法さんの縁日が雨だと、二十五日の天神さんの
縁日は晴れと云う具合に言い習わします。
しかし、東寺の西門近く、国宝の大師堂横に
「仏頂尊勝陀羅尼碑」があります。亀の石碑で
「亀さん」と親しまれるこの石碑は元は北野
天満宮にあった石碑と伝わります。

明治直前の廃仏毀釈の時代に仏教の教えを記した
「亀さん」は行き場を失い、何故か仲が悪いと
された弘法さんに、その安住の地を得たのでした。
俗世の私たちの世界と違って、神様、仏様の
世界は大らかなのでしょうね。
 北野天満宮から北へ少しの所に「お土居」が少し
残っています。北野天満宮の境内にも残っているの
ですが、境内のそれは一見してお土居とは判りに
くいです。

この「お土居」は豊臣秀吉が洛中の防備のために
東は鴨川沿いから上賀茂、紫野、鷹峯、紙屋川沿い、
南端は東寺にまで及び、再び鴨川沿いに至る延長
約23kmの区域を、画像のような土手、石垣で
取り囲み、外敵の備えとしようとしたのでした。
現在、この紙屋川沿いの「お土居」、北区、
中京区に一部が残っており、国の史跡に指定
されています。
 北野天満宮近くで是非味わって頂きたい所を
紹介します。嵐山、南禅寺の湯豆腐は有名ですが、
ここ天神さんにも美味しい豆腐料理の店があります。
天神さんの真ん前の今出川通にある「とようけ茶屋」
です。
1階では豆腐、ひろうすなどが販売されていますが、
2階では湯豆腐膳、とようけ丼(豆腐丼)などが
手頃な値段で賞味できます。
・とようけ茶屋
 上京区今出川通御前西入ル紙屋川町822
 電話 075-462-3662、営業 10:00-18:00
 木曜休み、但し当日が天神さんの縁日の25日と
 祝祭日に当たる場合は営業します。

 画像は平安騎馬隊の騎馬警官です。時代祭など
行事、イベントに参加したり、北野天満宮、
平安神宮など主要な観光地で交通整理などの
活動をおこなっているようです。

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