/// 嵐電、沿線スポット、その三 ///
(00/03/31)
 |
−− 妙心寺 −−
妙心寺は臨済宗妙心寺派の本山で禅寺です。
境内は東西に約500m、南北約619mで面積は
約10万坪。とにかく広い、その境内に46の
塔頭寺院が連なります。国宝、重要文化財も
多く、見るべきものは多いのですが、是非
見て頂きたい所を二つ紹介します。
ひとつは退蔵院の国宝「瓢鮎図」(ひょう
ねんず)、「ひょうたんなまずのえ」とも
云われたりします。瓢箪でナマズを捕らえ
ようとしている水墨画です。ぬらりくらりと
要領を得ない、ものごとを判ったつもりでいる
けれど、瓢箪でナマズを捕まえようとする
その滑稽さに、自分が気づかないと云う
風刺画です。
|
もうひとつ、妙心寺で忘れてはならない見所は法堂(はっとう)の
雲龍図です。法堂そのものも、その大きさに目を見張りますが、その
法堂の天井に描かれた狩野探幽筆と伝わる巨大な龍の絵は是非見て
頂きたいと思います。高さ13m の天井に直径12.5mの円形に描かれた
丸龍の絵は八方にらみの龍とも云われ、見る角度によってその表情、
構図が変化して見え、何処に立ってもその鋭い睨みを感じます。
つたない私の文章では、その感動も伝わりませんが、何故?、
どうして?、これほどまでに見る角度によって構図が変化するの〜、
その巨大な龍に睨まれると、人の感性も揺り動かされます。
白と黒、そして緑系統の岩料、赤系統の植物による色が使われて
いるそうです。全体としてはモノトーンに近い龍ですが、その濃淡に
込められた気迫が見る者を圧倒します。
なお、鑑賞は時間制で、お寺の方の説明もあったと思います。
 |
−− 龍安寺 −−
龍安寺は妙心寺派の禅寺です。
あまりにも有名な石庭があります。
十五の石組がありますが、どの角度から
見ても十四個しか見えないことから、
虎が川を渡るとき、一匹の児だけは
自分の陰に隠して渡るということに
なぞらえて「虎の児渡し」とも云われ
ます。
他にも多くの人が自由な発想でもって
解説を付けていたりと、ここの石庭
では誰もが哲学者になったり、詩人に
なったりするようです。
|
 |
それも、これも禅寺だからでしょうか。
「吾、唯、足、知」、左のつくばいから
読み取ることが出来るでしょうか、
「つくばい」とは茶の世界の手水鉢、
つまり手洗いの道具ですが、龍安寺の
銭形のつくばいは禅の格言を示しています。
「吾唯足知」(ワレタダタルヲシル)と
中心部の口を共用することで読ませて
います。方丈に面して石庭はありますが、
その方丈の裏の庭に、このつくばいは
あります。
|
嵐電沿線案内に戻る