/// 六道の辻 /// (00/08/01)
六道の辻は松原通(旧五条通)が轆轤町(ろくろちょう)に かかるところの辻のことを指します。 普段は庶民の町で、小さな商店街が連なる静かな町です。 愛宕(おたぎ)念仏寺跡、地蔵堂跡、閻魔堂跡、姥堂跡、そして今も残る 六波羅蜜寺、西福寺、六道珍皇寺などが点在する地域です。 その昔、この辺り一帯から山麓にかけては、鳥辺(部)、「とりべ」と云われ、 葬送の地であったと云われています。亡くなった人を送る地、僧侶が亡者の 霊魂に引導を渡す、いわゆる野辺送りの地で、冥界への入り口にあたる辻が 六道の辻です。 六道の地名の由来ですが、その昔におびただしい人骨が出土したため 髑髏原と云われていた時期もあって、この髑髏、「どくろ」が転訛して 「六道」になったのではないかと云われています。 江戸時代初期までは「髑髏町」と云われていましたが、轆轤挽職人が多く 住む町だったので、京都所司代の命により轆轤町に変更されたと伝わります。 この難しい漢字は住んでいる人にしか書けない…。
六道とは、生前の善悪の行いによって 導かれる冥界で、天上、人間、修羅、 鬼畜、餓鬼、地獄のことだそうです。 写真は、左上が六道の辻の碑、右上が その角に位置する西福寺です。 八月七〜十日には六道珍皇寺の六道 まいりがおこなわれますが、西福寺では 例年、「六道十界図」が公開されます。 左は六道の辻から直ぐの六波羅蜜寺です。