――「俺は用心棒」とその周辺――

1.まえがき

 これを書くに当たって、前もって言っておかなければならないことがあります。テレビ劇「俺は用心棒」は、映像表現としての美の追究、言い換えれば「かっこいい」という表現で端的に示される視覚的性、構図の美しさや、音楽を交えた総合芸術として、そのすばらしさがある以上、ごたごた書き並べた所でそのすばらしさの片鱗をも明らかにすることはできないのです。要するに、作品を見ていただかないことにはどうしようもありません。結束作品では、特に彼の作品の場合、言語芸術とでも言うか、発音された時のセリフの聴覚的美しさがポイントである以上、これから述べることも、不当に矮小化したものにならざるを得ないことを、お断りしておきます。彼の作品に原作があっても、それは単なる素材として、自由に脚色することで、彼の作品に昇華しているのです。

 「俺は用心棒(1967)」は、衛星放送やケーブルテレビで時々再放送されていますが、その全26話は、東映ビデオ株式会社製作、東映株式会社販売で、ビデオ(VCTM02131,02154など)で 全巻発売中です。一巻に2話ずつ入っていて、一巻5,000円なので、気に入った方は是非買い求めていただきたいものです。是非全巻そろえて買ってあげてください。

      ↑この章の先頭に戻る    →次の章へ