宇宙研の一般公開(2006)

2006 08/02

私のいる宇宙研(JAXA宇宙科学研究本部)で、今年も恒例の一般公開が開催されたので、その様子を書いてみます。一般公開の、一般には公開されない舞台裏が見られるかもしれません(^ω^;)

一般公開は各研究分野・部署がそれぞれ工夫を凝らした公開を行う、大掛かりな祭りです。倉庫やロビーの隅など宇宙研の敷地のあちこちにある展示物や資材が、湧き出したかのように各会場に運び込まれます。
普段は衛星の組み立てや試験を行う「構造棟」で、イス、机、ポール、鎖など予約しておいた物品の配給が行われました。
本館(第1会場)のロビーという一番良い場所で準備をすすめているのは、去年大きな成果をあげた「はやぶさ」です。一般公開の中では別格の待遇です。これが目当てでくる人も多いはず。
我々、地球、水星、金星、月探査のグループの会場(第2会場2F)は、普段は大会議室として使われている部屋です。不要な机やイスを運び出し、そこへ業者に大量のパネルボードを持ってきていただきます。
ペーパークラフトの配布コーナー設置完了。配布したのは、MMO(水星探査機)、GEOTAIL(地球磁気圏探査衛星)、あけぼの(地球磁気圏・オーロラ観測、今年初めて配布)、そしてINDEX(れいめい)チームの提案により、INDEXのペーパークラフト(3種類)も一緒に置きました。SELENE、のぞみ、SOLAR-Bのペーパークラフトについては、ペーパークラフトの完成品を展示するという形をとりました。
今年の展示ではたくさんのペーパークラフトを使いました。ペーパークラフト作りは基本的には私の仕事だったのですが、最後は時間が無かったのでいろんな人が協力。ありがとうございました。
ペーパークラフトの配布コーナーにすごい勢いで人が押し寄せて目当てのペーパークラフトを持っていくので、午前中でほとんど無くなってしまいました。これほどの勢いで品切れになるとは思っていませんでした。来年はもっとたくさん用意します(お金あるかなぁ…)。
ポスターの展示。この部屋ではクイズが行われており、水星の表面がどうなっているかという問題も出ていたので、とりあえず水星の写真を見にきたという子供連れが多かった一方、水星探査機の模型を置いておいたせいか、中高生や大人の方からは、水星探査機について多くの質問をしていだたきました。
そして、ポスターの手前にあるのが、T先輩の提案で今年初めて設置した「プレイグラウンド -人工衛星で探査しよう-」。子供向けに、惑星の軌道と説明を書いた地面の上で、衛星のペーパークラフトが入った透明な球を転がして遊べるようにしたものです。中央で中腰になって女の子に話し掛けているのは私です。あやしい人ではありません。
興味のある子供は、中に入っている衛星の名前を読んだり、質問してくれたりしましたが、ただ転がしたり、投げたり、蹴ったり(やめて・・・)するだけの子供も。おかげでこの球体、破損が相次ぎましたが、応急処置を繰り返して何とか一日もたせました。写真左に写っているのはプレイグラウンド提案者のT先輩。
この球体は、スピン衛星については中の衛星がスピン軸方向にくるくる回るように出来ているのですが、転がすと中の衛星が非常に面白い動きをするので、大人がやっても面白いです。H川教授や学生も楽しんでいる様子。しかし、子供たちのパワーと創造力がやはり圧倒的。子供から学ぶことも多いです。
これがその球体。一般公開終了後、宇宙工房に生還したときの写真です(傷だらけ…)。展示した他のペーパークラフトも一緒に写っています。
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