9月2日(土) 第2段階7時間目 9月に入ったというのに、いつまでも暑い日が続きます。 おまけに、夕べは夜中に目を覚ましてしまい、(年寄りか!) 朝までほとんど眠れず、睡眠不足でひどいコンディションです。 さて、教習も大詰めです。 今日のこの時間の教習生は、私と、前回セット教習で「相方」だった あんちゃんの二人だけ。 さすがに9月に入ると、学生は忙しくなるのか、教習所には 秋風が吹いているようです。 と言うより、学生は時間がたっぷりあるから、 さっさと教習受けて、さっさと卒業してしまうのかな。 でも、このあんちゃん、学生のはずなのに、何で私と同じ ペースなんだろう、と思っていたら、 「卒検落っこちて、補習です」だって。 あんなにうまく乗りこなしていたのに・・・ 教官は、今まで当たったことのない人。 「じゃあ、Bコース、走って下さい」 はーーい。 今日は、一発目に「卒検シミュレーション」と自分で想定し、 「第一走でも絶対ミスないように走ってみよう」と思っていました。 と言うのも、おそらく、卒検を受けるのは今日のように、一週間開いて しまうはずです。そんな状態でも、ミスなく出来るか、 落ち着いていけるか、それを試してみたかったのです。 バイクを出発点に持っていき、いざ出発です。 ウインカー、ミラーをちょっと触ってスタート。 一旦停止して、左折して外周。外周を半周して左折。 信号を左折、突き当たりを右折して外周。 スラローム、急制動、坂道発進。ここまでは順調。 ぐるっと回って、踏切、そして苦手のクランク。 ちょっとバランスを崩しかけたけど何とか通過。 S字を過ぎれば、残すは一本橋。 気合いを入れてエイヤっとスタート。 時間は稼げなかったけど、何とか通過。ゴールです。 何とか走りきりました。この調子でいければ、 落っこちることはないでしょう。 教官も、特に何も言いませんでした。 「じゃあ、こっちに来て下さい。 今から”波状走行”と言うのをやります。 あそこのレールを横に並べたような所を走行します。 ついてきて下さい」そう言って、 最初はシートに腰を下ろしたまま通過です。 私も後に続きます。 これが思った以上にショックが来ます。 「今度は中腰になって、半クラッチをうまく使ってやって下さい」 こういうタイプのバイクは、中腰で乗るのって、 すごく無理があるんですよね。 下からのショックで、アクセルがうまく操作できません。 「じゃあ、後5回やって下さい」 まあ、これはあくまで「体験走行」で、よっぽどの事がないかぎり、 見きわめに影響すると言うことがないようなので気楽に行きました。 でも、中腰は辛い。太股が引きつりそう・・・ 「終わりました?じゃあ、またBコース走って下さい」 と言うわけで、その後はひたすらBコースです。 「坂道発進するときは、もっと大きく後方確認しないと」 「急制動はそんなに頑張って止まらなくても、 ラインまでに止まれればいいから、ロックさせたら中止だよ」 「左折はもっと小さく曲がろう」 等々アドバイスをいただきました。 一本橋に2回ほど落ちてしまいました・・・ 「じゃあ、終わっときましょう。何か質問は?」 「いえ特に」 「次は?続けて乗るの?」 「はい」 「じゃあ、頑張って」 「ありがとうございました」 残すは後1時間! キーーーンコーーーンカーーーンコーーーン。 ====================================================== ロビーで、あんちゃんが卒検の予約を入れてるようです。 「こんにちは。どうしたん」 「いやーー、卒検落っこちちゃって」 「どこでミスったの?」 「スタートしてすぐの一旦停止のとこあるでしょ。 左折したら、後輪、縁石に乗り上げて・・・」 「小回りしすぎたんや」 「10秒で終わりですよ。 補習と卒検代で7,300円ですよ。めっちゃいたいっスよ」 「卒検、次いつ?」 「4日」 「月曜日か。頑張ってね」 「はい」 あんなに上手そうだったのに、検定は何が起こるかわからない・・・ ====================================================== 9月2日(土) 第2段階8時間目 さて、いよいよ教習も最後。 さっきの時間の調子で乗れていれば、見きわめはもらえるでしょう。 この時間の教習生は、何と私一人。 教官は、さっきと同じ人。マンツーマンだぁ。 「よろしくおねがいしまぁーーーす」 「乗車のとこからやってみましょう」 まわりを見渡し安全確認。 またがったらミラーを直しエンジンスタート。 ウンカーを出してスタート。 コースを走り終わったら合図を消し、 ニュートラルに入れエンジンを切る。 まわりの安全確認をして降車。 サイドスタンドを立て、ハンドルを左いっぱいにきり、 バイクを離れます。 これを何度も繰り返しました。 相変わらず、クランクと一本橋が苦手です(苦笑)。 「何か質問はありますか?」 「何か悪いとこありますか?」 「だいたいいけてますよ」 「一本橋が苦手で」 「そうやね。落ちてたね」(ちゃんと見てたんじゃないか) 「ちょっと手前からスタートしてみたら?」 「あの線にあわせて止まらなきゃいけないんじゃないんですか」 「いや、あれはあくまで目安だから。 手前からスタートしてもいいですよ」 「はぁ、そうなんですか」 で、次はちょっと手前からスタートしてみました。 なるほど、スピードに乗りやすいし、その分バランスも崩しにくい。 「でもちょっと早いなぁ。もうちょっと粘ろうよ」 で、次粘ってみたら・・・落ちた・・・ 「じゃあ、終わります。検定は月から土曜の午前10時からです。 日曜日の検定はありません。受付で予約しといて下さい」 「ありがとうございました」 やはり、検定は一週間後になりそうです。 見きわめはもらえたものの、何だか、自信がついたんだか、 自信をなくしたんだか、わからない一日でした。 キーーーンコーーーンカーーーンコーーーン。 ロビーに戻り、汗を拭き拭き、受付へ。 来週の土曜日に検定を予約しました。検定料4,000円也も支払いました。 来週、どんな結末を迎えるのでしょう。 ====================================================== さてさて、卒業も見えてきました(ホントかよ!)。 いよいよ楽しい楽しいバイク選びです。 最初私は、「バイクに乗るならネイキッド」と決めてかかり、 ほかのタイプのバイクには見向きもしなかったのですが、 ここに来て、保管場所、取り回しのしやすさ、軽さ、乗車姿勢が 楽(腰痛持ちの私)、等々も考慮し、オフロードバイクも 選考対象に入れてきました。 ヤマハのセローがいいかな?ホンダのSLもいいな。 カワサキのスーパーシェルパは、250ccでDOHCだからいいな。 でも、走ってるの見たことないから、中古であるのかな? まあ、ショップをのぞいてみて、いいのがあればいいんだけど・・・ 予算は込み込みで30万円くらい。 後、アドレスくんをいくらで下取りしてくれるのか。 今日は、一応教習課程も終わったので、帰りにちょっと バイクショップに寄ってみようと思いました。 アドレスくんを買ったバイクショップは、教習所の帰り道にあり、 前を通っただけで、どんな中古車がおいてあるのかわかります。 そこは、古いセローが18万円で出ているのは知っていたので、 今日は、あえてちょっと遠回りして、チェーン店の別の店に行ってみました。 店の外には新車が並べてあり、中古車は中に展示してあるようです。 中に入ると、GパンにTシャツのオネエちゃんが、 「いらっしゃいませ。うかがってますか?」 って、近寄ってきてくれました。 どうでもいいけどこの子、おっぱいおっきぃーーい(コラコラどこ見てんだ!) 中古車コーナーと書かれた所には、15台ほどの中古車が展示してあるようです。 端から見ていくと、4台目に何とスーパーシェルパが置いてあります。 色はカワサキグリーン。 (カタログでしか見たことないのに・・・実物見るの初めて・・・) 走行距離170km、29万円、と書かれてあります。 あまりに思い通りのバイクがすぐに見つかったので、面食らってしまったのですが、 ここはじっくり見てやろうと思い、 「これ、ちょっと跨がして下さい」と、オネエちゃんにお願いしました。 バイクを引っぱり出してくれたのは、男の人でしたが(がっかりしてどうする) さっそく跨ってみました。 シートは低く、両足がべったりです。 ハンドルが高く、乗車姿勢は楽そうです。 走行距離は170kmと言うことで、ほとんど新車同様です。 「前のオーナーは、奥さんと二人で乗るのを前提に このバイクを買ったんですけど、身体があわなくて(その人は180センチ以上 あるらしい)結局、ホンダの「バハ」に乗り換えたんですよ」 オネエちゃんが説明してくれます。 「諸経費やら、込み込みでいくらになります?」 「じゃあ、見積もり取りますね」 と言うわけで、ここで男の人にバトンタッチ。 「後ね、下取りして欲しいバイクがあるんですけど」 「そうですか。ちょっと乗らせて下さいね」 そう言ってその人は、アドレスくんを連れてどこかに行ってしまいました。 10分ほどして、「まあ、よそで買ったものなら程度はよくわからないんですけど、 うちで売らしてもらったバイクのようだし(ステッカーが貼ってあるのでわかる)、 半年ほどしか乗っていないらしいので、3万円で下取りさせてもらいます」 実はこの下取りの金額が気にかかっていたのです。 もし「いやーー、値段つかないねぇ」なんて言われたら、 「おめーーんとこは何か。値段つかないようなもんを6万5千円で売ってるのか!」 って、居直ってやろうかと思っていたのですが、3万円なら良しとしましょう。 「実はまだ免許持ってないんですよ。今教習所で、もうすぐ卒業なんですけどね」 そんな話は珍しくないのか、 「ああ、いいですよ。乗れるようになるまで預かっておきますから」 結局、登録費用19,000円、消費税15,450円、 自賠責保険(12ヶ月)13,200円、をプラス。 下取り金額を引き、307,700円。 盗難防止ロックと、ガソリン満タンの約束を取り付け、財布にあった2万円を 手付けとして入れてしました。 と言うわけで、早くも私の愛車はスーパーシェルパくんに決定してしまいました。 おいおい、まだ卒業していないのに、いいのかよーーーー。 ====================================================== 9月9日(土) 卒業検定 いやーー、いよいよやって来ました。卒検です。 もう、緊張しまくりで、夕べは一睡もできませんでした・・・ なんて事は全然なく、いつも通りに目が覚めました。 10時集合なので、9時30分に家を出ました。 気になるお天気は曇り。 天気予報では良くなって行くとのこと。雨の心配はなさそうです。 ロビーに到着し、軽く体操なんかする私ですが、10時が近づくにつれ、 徐々に緊張してきました。 10時になり、「検定を受ける人集まって下さい」の声に集合したのは、 私と大学生くらいのお兄ちゃんとの二人でした。 声の主は、私が一番最初に技能教習を受けた教官。 この教官と、もう一人、サブの人が私たちを検定してくれるらしい。 「ではこれから、検定の説明をします。30分ほどかかります」 一体何をそんなに説明することがあるんだ?? 「今日の検定コースは、2コースです」 え?ええ?????? 何だ?2コースって?? 今まで、Bコースしか走ってないぞ?? 「2コースって、初めて聞きますよね。最初のところがちょっと違うだけで、 後は同じです」 何だ、おどかしやがって。 でも何で、わざわざ違うコースを走らすんだ?Bコースでいいじゃないか。 それから延々と、コースについての説明と、どんな所を見ているか、 どんなことをすれば減点か、どんなことをすると検定中止か、 などなどの話ががありました。 それによると、私たちは最初100点を持っているらしい。 それが、ミスをするたびに減点され、最後に、70点以上持っていれば 晴れて合格、となるらしい。 コースを間違えても減点にはならないが、コースに戻るまでの間も、 全部検定の対象になるとのこと。 そして、転倒したり、急制動で規定のラインを超えたり、パイロンに 接触したりすると、即、検定中止となるらしい。 長い話ですっかり緊張も解け、いよいよ検定スタートです。 検定順はお兄ちゃんが先、私が後です。 コースに降りていき、準備を始めます。 お兄ちゃんに、 「がんばろうね。緊張してる?」って聞くと、 「いや、べつに」っとそっけない。 絶対の自信を持っているのか、余裕をかます兄ちゃんでした。 さて、お兄ちゃん出発です。 他の教習車に邪魔されながら、全て走り終えて戻ってきました。 私の番です。 バイクに向かう私に、お兄ちゃんがすれ違いざま、 「がんばって下さい」って声をかけてくれました。 「はい。がんばります」 お兄ちゃんが走っている間、緊張していた私ですが、 バイクを前にすると、緊張はおさまってきました。 そして、ラッキーなことに、チャイムの音と共に教習の時間が終わり、 コース上は、2種の教習をする車のみとなりました。 これは走りやすいぞ。 この日のために、イメージトレーニングは充分に積んできました。 「いつも通りやれば大丈夫」この言葉を心の中で繰り返しながら 乗車前の安全確認からスタートです。 スタンドを跳ね上げ、バイクにまたがり、ミラーを直し、 エンジンスタート。1速に入れ、合図を出し、スタート。 検定官は私の右斜め後ろから、サブの人はちょっと離れて真後ろから、 私の走りに目を光らせています。 「いつも通り。いつも通り。落ちつけ。落ちつけ」 外周に出て、Bコースなら左折するところを直進。 外周を左にカーブし、しばらく行ったところを左折。 後はBコースと同じです。 スラローム、いつも通り、いつも通り。 急制動、いつも通り、いつも通り。 坂道発進、いかん、ちょっと後退してしまった。 今まで一度も下がったことなどなかったのに・・・ 今の減点かな?? 30km/hしっかり出す。しっかり減速。 踏切、いつも通り、いつも通り。 クランク、何とか通過。 止められなかったから、パイロンには触れていないんだろう。 また外周に出て、しばらく走ると、 「コース間違ってるで、止まって」と、検定官の声。 本来左折すべき所を、直進してしまっていたのです。 特に緊張していたわけでもないのに、私は一体どこを目指していたのでしょう。 「外周をもう一周して、コースに戻ればいいから」そう言われ、 落ちついて安全確認して発進。 外周を走る間も、安全確認は忘れませんでした。 コースを間違えた事による減点はないと思います。 コースに戻り、最後の一本橋です。 「落ちたら終わり。落ちるくらいなら突っ切れ」 そう心でつぶやきスタート。 減速する余裕などなく、ゴール地点へ。 完走はできた。 安全確認して降車。 最後に検定官から、 「一本橋速すぎるよ。4秒やで」 本来7秒以上かけなければいけないところを、私は4秒で「暴走」してしまいました。 「1秒につき5点減点やから、それだけで15点減点。 それから、坂道でちょっと下がったね。まあ、一般道で走っている分には 全然問題のない距離やけどね。(減点かどうかは教えてくれなかった) 安全確認とかは、ちゃんとできてましたよ。 でもやっぱり、バイクをうまく乗りこなしてないね。 バイクに引っ張り回されてると言うか。もっと練習が必要やね」 ええーー??それって、「教習所でもっと練習せい」と言う意味なの?? 「じゃあ、ロビーで待っててください」 ううーーー、なんだかブルー入ってきちゃったよ。 ロビーに戻ると、お兄ちゃんはせっせと携帯でメールを打っている様子。 「自信ある?」って聞こうと思いましたが、素振りを見れば、 自信にあふれているのが充分わかりました。 ああーー、どうなったんだろう。合格してるのかなぁ?? 20分ほど待たされた後、 「検定を受けられた方、こっちに来て下さい」 と、事務の人に呼ばれました。 「二人とも合格です。おめでとうございます」 やったーーーー!!合格だーーー!! 「申請の仕方を説明しますから・・・」 通ったぞ、通ったぞ。 「何番の窓口に行って、印紙を買って・・・」 事務の人がちょっとあっちに行ったすきに、 お兄ちゃんに「やったね」と声をかけました。 お兄ちゃんは、「当然じゃん」って感じで、ちょっとだけにやっと笑いました。 たぶん心の中で「このオヤジ、はしゃぎすぎ」って思っていたに違いありません。 「もう、バイク買った?」 「ええ」 「何買ったん?」 「アメリカンの、シャドウ」 「やった、かっこいいね」 長身で手足の長いこのお兄ちゃんなら、アメリカンがさぞ似合うことでしょう。 教習所からバイクショップに直行しました。 「今うかってきましたよ。来週中に免許証もらいに行きますから」 「そうですか、おめでとうございます。来週末には乗れるようにしておきます」 スーパーシェルパくん、もうちょっと待っててね。 その日の夜は、「卒業祝賀会」です。 かねてより家族に、「一発合格したら、何でも美味しいものをご馳走する」 と、言ってありました。 息子のリクエストで、「焼き肉腹いっぱい」となり、 家族全員で卒業を祝ってもらいました。 支払い金額は「卒検2回落ちた分」でしたけどね(笑)。 さてさて、足掛け3カ月の私の教習もめでたく完結いたしました。 暑い時期の一番暑い時間帯の教習でしたが、緊張感が切れることもなく、 やり通すことができました。 寒い時期で、手足が凍える時期よりは良かったかも知れません。 そういえば、一度も雨に降られることもありませんでした。 危なっかしいところもありましたが、何とか卒業できました。 教官のみなさん、お世話になりました。ありがとうございました。 これからは、一般道で運転技術に磨きをかけたいと思います。 |