近野遺跡は市内西部の沖館川右岸に広がる段丘上に位置し、国史跡の三内丸山 遺跡に隣接している。
今野集落の大半は標高約18mの低位段丘面に創られているが、遺跡の一部には 大きな谷が入り込んでいる。

 昭和53年の発掘調査では、長さ約19.5m・幅約7.0mの小判形大型住居址が検 出された。
この大型住居跡はムラの集会場か、又は共同作業場か、若しくは大型住 居そのものか断言できない。
しかし中心部に火を焚いた炉跡が5ヶ所も見つかり、住居跡かも知れない。この時期のものとしては県内最大・最初の発見となる。

 平成14年度の約30,000uに及ぶ発掘調査を含む、これまでの調査では縄文中 期から後期にかけての竪穴住居址17棟・土壙66基・掘立柱建物跡4棟などの遺 構のほか、同時期の土器・石器類が検出された。

(遺跡現場)
森県総合運動公園付近に所在し、縄文ほか平安時代の遺構・遺物も多量に出 土している。

遺構の中では、トチの実の水晒し場と見られる二つの木組みが見つかり、周辺には低湿地特有の堆積物が確認された。

木組み遺構の下流からは隣接してトチの皮が集中しており、周辺の石皿・叩石 の出土例からも、トチの実を粉砕・灰汁抜きした施設と考えられる。

以下文字列にポインタをおくと、非日常的な土製品をご覧いただけますよ!

 大変珍しい角張った、異形な壷型土器

 ふっくらとした立体的土偶

 縄文後期の特徴を表している立体的土偶

 クマ・シカ・イヌなどの動物型土製品

上のような非日常的土製品の中で、特に土偶は縄文前期・中期の板状・十字形という単純な形から、後期には立体的形態に変わって行くが、これらの土偶は後期の 特徴を表している。

 一方クマ・シカ・イヌなどの動物形土製品は、魔除け・豊穣を祈願する祭祀用供物と考えられる。

 本遺跡は三内丸山遺跡と隣接するだけに、同一遺跡とも考えられる。

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