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カリンバ3遺跡は、北海道を東西に分ける石狩低地帯の南部、旧カリンバ川により形成された標高25〜26mの低位段丘面に所在する、縄文期全般・擦文期・アイヌ期にわたる複合遺跡。 1999年の発掘調査では縄文後期(約3,000年前)の土壙墓38基から、漆塗りの櫛・腕輪・腰を飾った帯やリボン・勾玉・ペンダント・頭や首飾りなどの副葬品が大量に検出された。 “縄文時代の布や帯”、“突起や透かし模様・結び目状の飾り”などに見られる装飾技術は想像を絶する。 |
遺跡総面積は約33,000uと見られ、今までの発掘調査は全体の10%弱に過ぎないと云う。 今までの調査では各種副葬品のほか、竪穴住居跡5軒・土穴320・焼土250などが検出されている。 |
38基の墓の多くは東西に長い楕円形で長径1.0〜1.4m・短径0.5〜0.8m・深さ0.3〜1.0mほどで、大部分からベンガラが検出されている。 人骨はほとんど残っていないが、僅かに遺存した歯の位置から西側に頭位を持つ屈葬方法と推定されている。 これらの墓のうちでも写真の118号・123号墳を含む大型4基は、直径1.6〜2.5m・深さ0.7〜1.0mにも及び、琥珀・滑石・ヒスイ製の玉を含む高貴な装身具が大量に出土したが、被葬者は女性と考えられている。 特に123号墳は遺物のカタマリ・方向から5体の被葬者が埋葬され、副葬された漆製品は19点で、装身具は身に着けた状態で埋葬されたと考えられている。 |
118号墳のサメの歯拡大
サメの歯は頭飾り・額飾りの集まった中に並べられ、サメの歯を十数個付けた“はちまき”を巻き、首に赤い土玉・滑石の玉のネックレスを着けていたと見られる。 これらの大量の副葬品は、集落内の指導的立場の人か或いは“シャーマン”との見方もあるが、漆製品に代表される高いモノづくり技術に対する驚きと、縄文人の“装い”に対する豊かな感性・創造力に畏敬の念を禁じえない。 |