岩 | 手 | 県 | 陸 | 前 | 高 | 田 | 市 | の | 門 | 前 | 貝 | 塚 |
門前貝塚は当市東部の箱根山から南東に張り出す丘陵の先端部にあり、広田半島との間の沖積部に舌状に延びる標高20〜25mほどの小丘陵に位置する。 本貝塚遺跡は約150m〜250mの範囲に6ヶ所の小貝塚から構成され、明治32年以降断続的な発掘調査の結果、縄文中期末から後期初頭に位置付けられる。 |
(門前貝塚現場) 市街地から碁石海岸方向へ向うと水田の低地が広がるが、本貝塚遺跡はこの低地の最奥北側丘陵にある。 貝塚から広田半島に至る一帯は、浅瀬が広がる良好な漁場であったと見られる。 平成元年・2年に県道の改修工事に伴う発掘調査では、斜面から直径1m以上の大型穴跡76基、その下の低地から配石遺構、更にその境界付近から直径30cm前後の小穴168基が検出された。
(貝層断面)
(出土した貝類)
(弓矢状配石遺構)
弓矢状の配石遺構は、現在道路下に埋め戻されたと云う。
(門前式土器) 平成元年・2年の調査では断面がフラスコ状の穴跡から、うつぶせ屈葬人骨・バラバラ状態の頭蓋骨・正三角形状の孔の開いた子供の頭骨、一つの穴に上下2体を葬ったケースなど異常で変則的な埋葬形態は何を暗示しているか、門前縄文ムラに何か特殊な事情があったのではないか、弓矢状配石遺構の真意も含め謎は深まるばかりと云える。 今後の新たな発掘調査の機会と謎解明を望んで止まない。 |