長野県下の縄文遺跡から出土した珍しい遺物群

 6,000年前頃(縄文時代前期)から気候は暖かくなり、4,000〜5,000年前の縄文時代中期にかけて豊かな自然に恵みが増加していった。

 特に縄文時代中期の八ヶ岳山麓は、ナラ・クスギなどの落葉広葉樹の林を伐リ拓いてムラをつくった人々が自然の幸に恵まれて繁栄し、この時期長野県は日本一の人口密集地であったと云われている。

 物質的豊かさもあり、全国的にも類例を見ないほど造形美溢れる土器を作るなど、精神的にも豊かな生活を送っていたと思える。

(長野市内縄文遺跡から出土した人面付香炉土器)

 面付香炉土器は伊那市御殿場遺跡から出土したもので、縄文時代中期(約4,500年前)の土器として高さが31.5cmもある。

(長野市内縄文遺跡から出土した口が二つある土器他珍しい土器)

 野市内峯畑遺跡から出土した、蛇体文のついた土器及び口が二つある大変珍しい土器で、縄文時代中期のモノと見られる。

(長野市内縄文遺跡から出土した、ブレスレットを装着した人骨)

 県明科町の北村遺跡から出土した成年男性と推定される人骨。

 胸にはイノシシの牙製ペンダントと手首もブレスレットで飾られている。
中期縄文人の豊かさ・おしゃれ感覚が偲ばれる。

(長野市内縄文遺跡から出土した巨大石棒)

 野市山麓ムレ村の縄文遺跡から出土した、縄文時代中期の石棒で1.3mほど長い。

 自然環境に恵まれた信濃縄文人の豊かさを象徴しているのがこのような土器であり、アクセサリーであるように思える。

 これら遺物の造形美・装飾は、時の隔たりを超えて私達を圧倒する!

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