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縄諸島の特殊な自然環境、珊瑚礁に蔽われ珊瑚が堆積風化して、琉球石灰岩丘陵に形成された貝塚時代の縄文遺跡には、数々の謎が秘められている

イヌ骨製ペンダントの役割とは?

イヌの骨製ペンダントが数は多くはないが、貝塚時代の遺物として出土している。

 イノシシの骨が検出されていることから、イヌが狩猟ガイド・ヘルパーとして活用されたと見られる。

イヌ骨製アクセサリー

イヌ骨製ペンダント

 本本土の縄文人は、イヌをいわば生活共同帯のメンバーとして家族の一員同様手厚く扱った痕跡が、人とほぼ同じ埋葬形態から見受けられるが、イヌの骨に加工を施すような例は極めて稀であると云える。

 沖縄の場合、本土と違ってイヌを食料に供していたか、或いはイヌを親愛なる家族メンバーのシンボルとして、その骨に加工して常に装着し、魔除けの守護神代わりを託したとも考えられる。

 精緻に加工されたイヌの骨製ペンダントの役割、その真相とは?

放射線状に配置されたイモ貝の真相とは?

地荒原貝塚から、イモガイ製装飾品の他にイモガイそのものが数千年の年月を経ても、極めて新鮮な状態で検出されている。

地荒原貝塚出土のイモガイ

 モガイは何ら手を加えられることなく、そのままの姿で放射線状に配列された状態で数多く出土したと云う。

 放射線状に配列されたことはそれ自体を目的とした呪い等とは思われず、貝製品製作用の素材として備蓄していたと考える方が妥当ではないか?

 イモガイ製のアクセサリーが、食料確保のための対外交易用製品としての役目を果たしていたかもしれない。

貝殻の長さが1m余りもある巨大シャコガイの用途とは?

本島西海岸からフィリピンに及ぶ東シナ海に広く棲息するシャコガイ、小振りの姫シャコガイから貝身の長さでも1m余りもある巨大シャコガイまで大小様々なシャコガイが食用に供されたことは間違いない。

巨大シャコガイのリアルな姿

 底にまぎれ隠れ、嗅覚により子供をさらい、飲み込み兼ねない巨大なシャコガイを命懸けで捕獲したのであろうか?
捕獲用具には何を使ったのであろうか?

 巨大で刃先がシャープな打製石斧を使ったのか、或いは巨大な石皿で挑戦したのであろうか?

 空シャコ貝殻は受皿か容器か、何目的に使ったのであろうか?

 疑問は尽きない!

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