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大原D遺跡は博多湾の西岸部、糸島半島の東北端部に位置し、標高約100m〜250m程度の丘陵地の北東端に立地する。
平成3年〜6年までの間、6回にわたる発掘調査の結果、旧石器時代から中世にかけての遺構・遺物が検出された。 |
本遺跡が所在するすぐ北側の丘陵は博多湾に突出し、地勢を南北に区切っている、この辺りは大原海水浴場として知られる。 また地形的に谷底の低地部と丘陵部に分かれ、前述の通り低地部の旧河川中央からは縄文晩期の遺物が大量に発掘され、その出土量は北部九州では有数のモノと云われる。 一方丘陵部の砂礫層からは旧石器から縄文早期にかけての遺物が出土し、特に細石刃核・石槍・押型文土器・石組炉などが検出された。 |
旧河川の縄文晩期遺物包含層の断面。 これらの土器・石器類などの遺物から、豊かな山と海に抱かれた大原縄文人の生活が想像される。 |
![]() 平成7年住居址全体の型取りが行われ、写真の通り復元された。 床面全体に炭化物・焼土・黄茶色土などが検出された。 炭化物は壁方向に沿ったモノは屋根材と考えられ、又中央部の5〜6cmと厚い部分は炉跡と見られる。 |
更に本住居址からは黒曜石原石・剥片や黒曜石製石鏃が多量に検出されたことから石器工房跡かも知れない。
又焼土とは異質の明るい赤褐色を呈す土壌を分析した結果、ベンガラと認定され、 |