|
オホーツク海沿岸の常呂町内では現在128ヶ所の遺跡が所在し、中でも擦文時代を中心とした国指定史跡“常呂遺跡”をはじめ、縄文時代では中期のトコロ貝塚、晩期の常呂川河口遺跡が著名で、アイヌ文化のトコロチャシ跡など長期間にわたる貴重な遺跡が確認されている。 トコロ貝塚はオホーツク海沿岸に所在する北海道東部の代表的縄文貝塚遺跡で、標高約18〜20mの常呂川右岸台地上にあり、長さ約200m・幅約70mの縄文中期の大規模貝塚として知られている。 トコロ貝塚の下層からは縄文早期の生活面で石刃鏃石器群がトコロ式土器を伴って出土したことから、サハリン・バイカル湖周辺の北東アジア大陸に起源を持つ縄文早期の“石刃鏃文化”が及んでいた地域として考古学史上注目されたと云う。 |
本R貝塚から見下ろす常呂川周辺の光景。 気候は前期に続いて温暖であったと見られ、現在ではこの海域に棲息していないハマグリが検出され、現在ハマグリ棲息の北限である仙台湾付近の気候であったと考えられる。 |
貝層断面 |
現在は写真の通り、出土した当時のまま保存されている貝層断面で、カキを主体として厚さが約1.0mにも及んでいる。 “北筒式土器”をはじめ多数の石器・骨角器などの加工遺物が出土している。 |
---|
以下文字列にポインタをおくと、ハマグリ・ホタテなどの貝類、動物の骨、そして骨角器などがご覧いただけますよ! 現在この海域には生息していないハマグリ |
この他にもカラス・サギなどの鳥類、ヒラメ・ボラ・スズキ・マグロなどの魚類の骨も見つかっている。 出土遺物から当時のトコロ縄文人は予想以上にグルメ嗜好であったことが窺える。 叉貝塚の上層部からは、続縄文時代の遺物や擦文時代の竪穴住居・遺物も検出され、縄文中期以外にも数々の発掘成果が得られ、本貝塚の重要性を高めていると云う。 |