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分谷地遺跡は山々に囲まれた標高100mほど、胎内川左岸段丘上の水田地帯に位置する。
平成12・13年の発掘調査の結果、住居址・土壙・捨場遺構のほか、土器・土偶・石器・漆器など縄文中期後葉から後期前葉にわたる加工遺物が検出された。
現在も段丘面縁辺部の斜面から清水が湧くほどで、粘土質の土壌に冷たい地下水が染み込んでいたことで、工芸的漆塗り木製品が37点も整った形で出土したことは県内では前例がなく、
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横幅約26cm弱・高さ約15cmの木製ランプ形容器で、左右均斉の取れた美しい曲線を呈した優品。丸底で片方に注ぎ口、一方に彫刻を施した把手が付けられている。彫刻のイメージは分かりませんが・・・・・・? ほぼ完全形で出土した木胎漆器。 漆器中に入っていた土を分析した結果、ニワトコ・ヤマグワ・サルナシなどの種実が検出され、果実酒をベースとした特別な飲料が入っていたと見られる。神に供える特別な飲料と考えられ、儀式の後、村民で回し飲みしたのでは? |
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横幅25.5cm・高さ約15cmの朱漆塗りの木製ランプ形容器で、地下水で空気が遮断された状態であったため、鮮やかな朱色がそのまま残されていた。 片方に注ぎ口、一方に“8”の字状彫刻入り把手が付けられている。 |
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朱漆塗り木製鉢は横幅約20cm・高さ13.4cmで、写真では見られないが、三角形の連続模様が鮮明に刻まれている。 細い糸状の紐に赤く漆を塗って玉状にした糸玉、更に一本づつ独立した櫛の歯を糸などで束ね、漆を塗って作り上げられた竪櫛。 この他にも土製漆塗り耳飾りや漆付着石・漆液容器なども見つかっている。 遺跡の土の中からは、トチ・クルミなどの木の実のほか、昆虫の羽根なども見つかり、当時の植物・気候・生態系などを探る手がかりとしても貴重な発見と云える。 |