4. ヴァイマールWeimar

ヴァイマールとは聖なる泉を意味する.ゲーテ(1749-1832),リスト(1811-1886),シラー(1759-1805),クラーナハ(1472-1553)などの芸術家が
ヴァイマールに暮らした.ヴァイマール国民劇場では,ゲーテやシラーの自作のオリジナル演劇作品が上演された.ゲーテは34歳(1782年)から
亡くなるまでここで暮らし,シラーとの親交は深い.クラーナハはマルチン・ルターの肖像画を描いた画家として有名である.
1919年ヴァイマール憲法が制定され,ドイツで最初の共和国が誕生した.この年,芸術造形学校バウハウスが創設され,近代デザイン運動の基礎
が築かれる.バウハウスでは美術と建築に関する総合的な教育が行なわれ,日本人も留学している.しかし,1929年,世界恐慌の中で政治経済は
安定せず,1933年ヒトラーが政権を取り,ヴァイマール共和国は終焉を迎える.1933年,文化,建築,デザインの先端を走っていたバウハウスは
ナチスにより廃校にされた.

ヴァイマール憲法が採択された国民劇場,ゲーテとシラー
ホテルエレファントにはメンデルスゾーン,バッハ,リスト,ワーグナー,トルストイ,トーマス・マンが泊ったという.ヒットラーがこのベランダで演説をしたとも言われている.

 
マルクト広場 ――― クラーナハの家

 
 ヘルダー教会 ――― クラーナハによるルターの肖像画
クラーナハによって描かれたヘルダー教会の祭壇画には洗礼者ヨハネ,クラーナハ,ルターの姿が描かれている.



7月1日(月)つづき
気付いたら,今日は月曜日でミュージアムはすべてお休み.バウハウス博物館だけが開いていた.そこで,1週間後の月曜日が気になった.ポツダムのサンスーシ宮殿に
行く予定になっている.ガイドブックには「サンスーシ庭園を見て回るには丸1日は必要」とあったので,1日かけるつもりにしている.そして,月曜日は定休日.これは大変!

バウハウス ――― ベビーベッド

 7月2日(火)晴れ
やっと,火曜日.まず,ゲーテの家に行く.
ゲーテの家には日本語音声ガイドがあった.ゲーテのコレクションはすばらしい.世界を知るために,ゲーテはあらゆるものを各地から取り寄せて収集している.
ギリシャの彫刻,絵画,コイン,マジョリカ焼きといわれる陶器,蔵書も多数.それらを前に思索し,また,客人を呼んで,それらを見せる.そのために,部屋を設計し,
壁紙の色や家具を指定し,自ら絵画を展示している.庭には各種植物も多数収集していた.ゲーテの博物館にも,数々の収集品が集められている.
ゲーテの家族の肖像画があった.ゲーテの兄弟は早くに亡くなっている.ゲーテの父は,亡くなったこの兄弟を家族の肖像画の中に天使として描き込ませている.
ゲーテはシラーとの親交を深めたが,ヴァイマールで3年間一緒に暮らしただけで,シラーは若くして亡くなってしまった.
ゲーテの家は部屋数も多く,ゆっくり見ていたら,午前中かかっていた.シラーやリストの家,ゲーテとシラーの墓所にも行きたかったのに残念.

 ゲーテの庭

 ヴァイマール公の城は美術館になっていて,クラーナハの絵も展示されていた.

ヴァイマール―アイゼナハ間は乗り換えなしで47分だけ.失敗してジャーマンレイルパスを使った分の切符をここで買うことにした.自販機にトライする勇気はなく,窓口で買う.
72ユーロだった.正規で買うと結構高いことを実感.

 次は アイゼナハ