6. ゴスラーGoslar

968年,ハルツ山麓で銀が採掘された.ゴスラーはこの銀の採掘に伴って発展してきた.銀を産出したため,ゴスラーは皇帝直轄領であった.
1050年,皇帝ハインリヒ3世が建てた皇帝居城は,現存するドイツの宮殿様式の建物の中では最も規模が大きい.現在の城は19世紀に再建された.
1500年頃,鉱山は最も繁栄し,貴族や商人の建てた家は豪華絢爛で,美しい木組みの家が数多く残されている.考古学調査で,ランメルスベルク
鉱山発掘の歴史は3000年に及ぶとされ,1988年に閉山された後も保存され,ユネスコの世界遺産に登録されている.



7月4日(木)くもりのち晴れ
8時15分ゴスラーに向け出発.今日の列車はちかちゃんが調べ直してくれた乗り継ぎで,フルダFuldaとゲッティンゲンGottingenの2回,乗り換え時間は12分と7分だ.
1回目の乗り換えはうまくいったが,次の列車は12分遅れて到着.もしも,と思って走ったが,列車は待っていてはくれなかった.インフォーメーションで別の列車を探してもらう.
次の列車は1時間後で,さらにもう一度,乗り換えが必要だった.仕方ないので,待ち時間に駅構内で少し早目の昼食をとる.

旧ギルド会館カイザーヴォールト,豊かな行商人や仕立て屋の建てた建物で,現在はホテル.

グロッケンシュピール,9時,12時,15時,18時の1日4回,鉱山採掘の人形が美しい鉄琴のメロディーと共に現れる.鉱山採掘千年を祝って製作された.

マルクト広場 ――― マルクト教会
マルクト広場の中央の噴水には,この町のシンボル,帝国の鷲がある.


市庁舎の大広間,信奉の間の見学を申し込む.まず初めに小部屋で,町の歴史のビデオを見る.それから,市参事会員の部屋として建てられた大広間の紹介.
見事な壁画で飾られていて,天井も美しい.そして,実物はガラスの小窓からのぞき見るようになっている.

皇帝居城は町の南の小高い丘の上に建っていた.城の大広間にはドイツの歴史を現した大きな壁画がすばらしい.
地下のウルリッヒ礼拝堂にはハインリッヒ3世の墓碑が置かれていた.柱や壁など城の出土品も展示されていた.
城の前の広い草原でくつろぐ人々やボール遊びをする子どもたちがいた.
皇帝居城
11世紀にハインリヒ3世によって建てられた教会 ――― ハインリヒ3世墓碑

ヴァルプルギスの夜:ハルツ山地のブロッケン山では4月30日から5月1日にかけての夜,魔女たちが冬の終わりを
祝って悪魔と饗宴を催したという伝説がある.ゲーテのファウストにも描かれている伝説


サンスーシ宮殿に行く日程調整のため,ポツダムの宿泊を前倒しにすることにした.夜,ホテルの予約とキャンセルをここのホテルのフロントにお願いに行く.
うまくいくだろうか.近くにいた男性客が手伝ってくれて,事情を説明した.フロントの女性は了解し,すぐに両方のホテルに電話して,予約とキャンセルをしてくれた.
OK.簡単に予定が変更できて,ほっとする.サンスーシ宮殿の観光は日曜日になった.

7月5日(金)晴れ
駅前のバス停から9時発のバスでランメルスベルグ鉱山博物館に行く.意外に近く,10分で着いた.徒歩とトロッコの2つのツアーを申し込む.10時15分と11時45分だった.
ツアーが始まるまでミュージアムの見学と20分の鉱山解説のフィルムを見る.巨大な水車の動く仕組みや鉱山採掘の様子が紹介されている.指示されたとおり,ヘルメット
をかぶって待つ.ツアーメンバーは十数人ほどだった.ガイドは小柄な女性で,白い作業服のすそなどが土で汚れているところを見ると,足元の悪い坑道を行くのだろう.
山を登って行って,横穴から坑道に入る.中は一気にひんやりした空気に満たされていて,所々に灯りがあるが,足元は全く見えないほど暗い.大きな水車があって,
フィルムの解説のとおり,半分ずつ羽が反対向きに並んでいて,水の流す位置で,水車の回転方向が変わり,鉱石が引き上げられたり,降ろされたりする.説明はすべて
ドイツ語でさっぱりわからないが,ガイドさんの身振りで「この坑道は横に*メートル,深さは*メートルです」などと想像しながら聞く.狭いらせん階段でかなりの距離を一気
に降り,真っ直ぐな坑道を相当距離進む.
少し休憩して,次のツアーはトロッコ列車に乗って坑道に入る.天井も付いた狭いトロッコに腰をかがめて座り込むと,かなりガタガタと左右に揺れた.こちらは近代採掘現場
の紹介でボウガンやショットガンの実演があった.採掘は機械でも石を集めてトロッコに載せて運ぶなど多くは手作業.ガイドさんがライトを消すと,あたりは真の暗闇だった.
 

 次は クヴェトリンブルグ