阿蘇,熊本,長崎 - 2012年10月8-13日-
 
 10月8日(月)

大阪南港から瀬戸内海フェリー・さんふらわあで行く.出航時間の1時間前には乗船が始まった.2段ベッドの2人部屋を予約.
船には風呂もレストランもついている.夜空の中,明石海峡大橋は青い光で輝いていた.船がこの下を通る時,橋はとても低く見え,
船の上部が橋にぶつかるのではないかと思えた.
 
 10月9日(火)

朝7時別府着.阿蘇に向かう.阿蘇火山は約30万年前から9万年前までに大規模な噴火が4回あった.その中でも9万年前の4回目の噴火が最も大きく,
火砕流は九州中央部を覆い一部は海を越えて山口県にまで達したという.火山灰は北海道に至る日本全土の他,朝鮮半島でも確認された.
地下から大量の火砕流や火山灰を放出したあとは巨大なカルデラとなり,火砕流堆積物は東西約18km,南北約25kmに及ぶ外輪山を形成した.
大観峰は阿蘇の外輪山にあたる.ここからは外輪山,カルデラの全様と中央の阿蘇5岳(根子岳,高岳,中岳,烏帽子岳,杵島岳)が一望できるが,
山々は霞んでいた.カルデラは広い平地で,田んぼと町が広がり,JRの阿蘇駅もこの中にある.
煙を上げて現在も活動中なのは中岳だ.カルデラに向かって山を下っていく.草千里を通りすぎ,阿蘇山頂に向かう.今朝まで有毒ガスのため,
山頂付近の立ち入りは禁止されていて,つい1時間ほど前に解除されたばかりだった.喘息発作で亡くなった方がおり,風向きにより規制が厳しくなったそうだ.
火口は青白色でガスが立ち上り,微かに硫黄の臭いがした.溶岩が噴火した時のために,コンクリートの避難小屋がいくつも作られていた.
周辺の山は一面のすすきの原.さわやかな秋の景色だ.
 
 
 
 
 
熊本に到着.ホテルに荷物を置いて,熊本城の周辺を歩いて,外から熊本城を眺める.
熊本城築城400年祭が行われていた. 
  
 
10月10日(水)

櫨方門(はぜかたもん)から熊本城に入る.ハゼノキが植わっている.ハゼノキはウルシ科で,当時ろうそくのろうを取るのに使われていた.
熊本城は1601年に加藤清正が築いた城だ.石垣の上に築かれた櫓(やぐら)は石垣から張り出していて,この隙間から石を落して敵を攻撃した.
西南戦争の時に大部分は焼失し,本丸御殿も天守閣も再建されたものである.現存する不開門(あかずのもん),宇土櫓(うとやぐら)は重要文化財に指定されている.
城内はとても広い.築城400年祭の出店でやきそばを食べる.舞台では地域グループのフラダンスや歌が披露されている.
おそろいの着物姿でうろうろするおばさんたちはきっと後ほど出番が来るのだろう.

 
 宇土櫓(うとやぐら)  

 今回の旅の目的地は長崎.フェリーで有明海を渡る.有明海に面した東側の斜面には一面にみかんが植えられていて,のどかな景色だった.
地図で見ると長洲港から対岸の多比良港まではわずかな距離に見えるが,フェリーでは45分もかかった.出港間際に乗り込めてほっと安心.
向かいの島原半島の雲仙岳,普賢岳がぼっーと霞んで見えた.
 
有明海
 

長崎のホテルに着いてすぐに毎日新聞社の樋口さんに連絡をとる.長崎駅近くの郵便局で待ち合わせをして,樋口さんの奥さんと二人の子どもさんも一緒に夕食をご馳走になる.
正さんは中国に行った話をし,樋口さんの奥さんからは広島での大変だった暮らしと長崎に来てからの話を聞いた.

  つづく