平成17年は16年より危険な年だった


 平成17年は16年に比べてダイバーにとって安全になったのでなく、実は危険な年でした。


 平成17年中に在外公館に届けれられた日本のダイバー事故状況を見ると、死亡・行方不明者(現地で心配停止状態となり、意識がないままの事故者が日本に移送された事例は状況を鑑みて、止むを得ず死亡・行方不明者と換算する。)は8人でした。その結果を踏まえた、日本のダイバーの平成11年から17年までの死亡・行方不明者数を示します。

 これを見ても明らかなように、平成17年はここ7年間で最も死亡・行方不明者数が多かった11年、15年に匹敵する、第3位の危険な年でした。国内での同様の犠牲者も増えており、事故の高止まり傾向が見えます。決して安全になった年ではありません

 この人数がはっきりしたのは7月に入ってからであり、したがって7月4日の東大のシンポジウムでの講演で示した海外事故者数の暫定数値はこのように訂正いたします。資料をお持ちの方は訂正を願います。

 この3年間は、その前の3年間よりも明らかに事故が増加している傾向が見える。

 これがダイビングに関する実態です。

 このような中で、安全確保のために日々自助努力を重ねているプロダイバーの努力を忘れずに、しかし安全のために一般ダイバーやインストラクターは危険を忘れないようにしましょう。

 昨今は某大手自動車メーカーやエレベーターメーカー、ガス湯沸かし器メーカーで、死に至るような危険を知りつつその情報を一般に開示して情報共有を行わず、対策を放置していたことに対して社会は強い意思で見ています。ダイビングの場合ではこれほど多数の犠牲者が出ており、また11年から17年の間ですらいくつもの刑事と民事の裁判が下されている状況ですら何故か社会は関心を持っていません。
 社会は一刻も早くこの事実を強い意志で見るべきです。


平成18年7月23日

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