2012年の事故多発を警告する日本経済新聞の報道


2012年の事故多発を警告する日本経済新聞の報道

ダイビング事故、秋冬もご注意 7〜8月死者数は昨年の4倍に
2012年11月20日の夕刊に、このような記事が掲載されました。

一部引用しますと、「夏場のレジャーで、ダイビングの事故が多発していたことがわかった。海上保安庁によると、今年7〜8月の死者・行方不明者は昨年同期の約4倍にあたる13人。」とのことでした。

■ 日本経済新聞 電子版 (http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG01027_Q2A121C1CR0000/) (2012/11/20 14:10)でも一部読むことができます。有料会員は全文読めます。

震災の年であったとは言え、2011年の国内事故死者(植物状態及び重体の方々を除く)は13人です。
今だにダイビングの事故の背景にある問題は重大な社会的関心を寄せられていません。

事故は、ずっと起き続けています。事故に遭遇しない方々は、私の知る限り、ダイビングの危険をなめずに、慎重かつ謙虚にダイビングを続けているダイバーと、同じく油断を排した優良ダイビングショップ(サービス)とインストラクターだけのようです。

 
ある死亡事故の話です。
その事故は1対1の人数比で行っていたダイビングの時に起きたもので、しかもインストラクターは優良ショップと言えるショップを経営するベテランの方でした。外形的には完全とも見える体制で行われた ダイビングでそれは起きました。
安全に配慮しながら慎重に行動していたそのベテランが、最後の最後に間違った選択をしてしまいました。
エキジット時に不調を申し出た中年客への対応は本来最優先とすべき事柄ですが、何故かそのインストラクターはその対応順位を一つ後に回し、そのとき使っていた自分と客の器材の回収を優先させ たのです。
そこで器材を陸上に上げるために、体調不良を訴えている客を波が打ちよせるところに待機させ、客から目を離したのです。
ここで、仮定の話ではありますが、またごくわずかの可能性であったかも知れませんが、自分と客の器材の回収を後回しにし、体調不良を訴えている客をまず陸上に上げていれば、体調を崩しても対応すべき機会があったかもしれないのです。
わずかな確率というのはあくまで仮定の話ですが、土壇場で器材の回収を優先することは、もしかしたら油断ミスではなかったかという個人的な思いは否定できません。 遺族はその可能性を無視はできないでしょう。
優先順位の付け方は、難しい選択ではなかったと思われます。

安全なダイビングは、楽しく美しいダイビングを確実に後世に残すために必要なことです。
ダイビングを大切にするために、みんなで安全を願い、それを実現させましょう。
 


平成25年1月6日(1月7日一部修正)

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