ダイビングの事故は減っていない


 1999年の事故者数ですが、私のカウントミスで、正確には63人ではなく64人でした。よって、これにかかわる各種数字は変わります。


 昨年、ダイビングの事故が大幅に減ったとしているマスコミなどがありますが、私が個人で調べただけでも、2000年と比べて特に変わっていません。
 個人で知ったレベルでこの数字ですから、実際にはさらに多い数字が隠れていると思って間違いないでしょう。
 ダイビングの事故は、今年も数件すでに起きていますが、毎年、7月の後半から増えてきています。
 私の知る限りにおいて、ダイビング雑誌などでは、今年は事故の情報が一切出されていません(特集記事もありません)。しかも、人身事故(死亡)で刑事上の有罪となっているショップですら、完全に安全だという趣旨で、ハデにカラーページなどで優良ショップとして紹介などがされています。これも私個人の知る限りにおいてですが、安全のためにがんばっているショップやインストラクター、またその優良事業のスタイルが、今年もまだ紹介されることはありません。
 ダイバーの皆さんは、次に紹介する数字を見て、ぜひ、心を引き締めて、安全で楽しいダイビングを楽しんでください。

 「ダイビングは事故など起きない、泳げなくても誰でもできる、老人でも簡単にできる、こんど10歳からでもできるようになりました」と言われても、それでも事故は起きています。

 もちろん、死亡に至るような事故はめったに起こるものではありません。しかし、宝くじに当たるよりははるかに高い確率だということ、そして単位時間あたりでは、ラグビーよりも死亡者が多い、ということだけは忘れないで下さい。

 今シーズンの事故が減ることを、心から祈っています。


 なお、ダイビングの事故に遭ったり、または目撃したなどの方からの情報をお待ちしています。そのようなメールなどは、無許可では公開しませんので、是非よろしくお願い致します。


3年間の事故概要(日本国内)

(a)致死性比較

 

1999年

2000年

2001年

事故者

死亡・
行方不明

事故者

死亡・
行方不明

事故者

死亡・
行方不明

サーフィン中

88人

12人

88人

12人

127人

13人

ボードセーリング中

51人

5人

32人

2人

55人

3人

スクーバダイビング中

64人

29人

47人

19人

50人

17人


※サーフィンとボードセーリングの事故内容は、海上保安庁発表の「平成12年における船舶海難と人身事故の発生と救助の状況について(確定値)第U
-1表 人身事故発生状況の前年との比較 3 マリンレジャーに伴う海浜事故」と同平成13年版の同名資料からの数字である。


(b)事故者における死亡・行方不明率

 

1999年

2000年

2001年

サーフィン中

13.6%

13.6%

10.2%

ボードセーリング中

9.8%

6.3%

5.5%

スクーバダイビング中

45.3%

40.4%

34.0%


2001年には、1件の漂流事故で12人が同時に漂流して、全員が助かった事例があるため、事故者における死亡・行方不明率が、数字を押し下げる方向に影響を受けている。


平成14年7月16日  

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