平成12年の事故
(現時点で判明したものだけ)
平成12年中に、年ダイビングの事故で亡くなられた、全ての人にお悔やみを申し上げます。
2000年、年間事故概要説明(事例分類上の種別記号の説明)
・〇は回復、△は怪我・減圧症など、▲は後遺障害等があり、●は死亡・行方不明…1人に1個
・スタイルに「単」とあるのは、単独ダイビング、あるいは単独行動中、または単独状態に置かれたときに起きた事故のこと。
・スタイルに「反」とあるのは、イントラの安全配慮義務(注意義務)違反と思われるもの。
・スタイルに「自」とあるのはダイバーの自責と思われるもの(海況の判断ミス、無理なダイビングや病気も含む)。自分の意思による単独行動中の事故は原
則として全て自責と分類。
・スタイルに「業」とあるのはハイリスクの業務形態を取っていたと思われるもの。
・スタイルに「他」とあるのは、外部の人為的なミスによると思われるもの。
・スタイルに「不」とあるのは、情報が少なく分類できないもの。
・「ファン」とはファンダイビングの略で、「イントラ」とはインストラクターの略のこと
・「-」は詳細が不明のため判断できず。
※自然条件による分類はしない。それは自然条件が悪いときは、本来ダイビングを中止すべきであるからです。
※「スタイル」の分類は、私見です。私が「反」と判断しても、警察が事件性なしと判断したものもあります。
※各事故の詳細は膨大になるので、後日別の機会に紹介したいと思います。
※ある雑誌で、平成12年4月23日に沖縄で発生した素潜り中の死亡事故をダイビング中の事故としてありましたが、これはスクーバダイビングに伴うものではなく、全く独立した素潜りの行為中の事故でした。これは、この事故を捜査した各機関もダイビングに関係した事故とは見ておらず、このホームページでは、この捜査機関の見解と同意見であるので、ここには掲載していません。これを入れるとなると、平成12年中にコンプレッサーで陸上から空気を送る潜水作業中に死亡した作業ダイバーの事故や、フーカー潜水で潜水漁法を行っていた漁民の死亡事故も集計に入れなくてはならなくなります。
※ここで紹介している事故は、あくまでこのホームページの管理人が個人で調査できたレベルに過ぎません。業界の協力を得られないため得られた情報には限界があります。また実際にはもっと多くの件数が発生しているはずです。
※平成12年の事故の分析はある程度できていますが、時間の関係で、後日掲載致します。
平成12年中の事故概要
発生日 | 県名 | ポイント | 事故者 | 分類 | 概 要 | 結果 | スタイル | |
1 | 1月3日 | 愛知 | 赤羽町 | 男(57) | ファン | 単独ダイビング。潮に流される。漂流 | 〇 | 自 |
2 | 2月6日 | 沖縄 | 真栄田岬 | 男(25,25,29) | ファン | 気象注意報発令中に行ったダイビングで漂流 | 〇〇〇 | 自 |
3 | 2月16日 | 宮崎 | 大島海岸 | 男(43) | ファン | バディから離れて写真撮影中溺死 | ● | 自 |
4 | 2月25日 | 沖縄 | 本部 | 男(50) | 講習中 | 人数1対1。心タンポナーデによる死亡 | ● | 自 |
5 | 3月25日 | 静岡 | 大瀬 | 男(55) | 講習中 | アドバンスの最初の実習で移動中、イントラが男性を見失った。男性は海面に浮かんでいた。溺死。 | ● | 反 |
6 | 4月14日 | 沖縄 | 伊良部島 | 女(52) | ファン | 海面で息苦しくなり意識を失って水没。海底にいたイントラが気づいて救助。4/22退院 | △ | 自 |
7 | 4月30日 | 神奈川 | 福浦 | 男(52) | 不明 | ほとんど未経験者。海に入ったら気絶 | △ | 反 |
8 | 5月20日 | 鹿児島 | 長崎鼻灯台 | 男(48,59) | ファン | 潮に流された船を見失って漂流 | 〇〇 | 自 |
9 | 5月27日 | 鹿児島 | 今井崎灯台 | 女(38) | ファン | 人数比2対10。事故者の異常で、客が海面に浮上させインストラクターに救助を要請したが、事故者のパニックで溺水。肺水腫により入院。 | △ | 反 |
10 | 6月3日 | 静岡 | 田子 | 女(31) | ファン | 2対7の構成。事故者女性のバディのショップスタッフダイバーが水中で女性を放置したため強い潮のため水没。後に47mの海底で発見。 | ● | 反 |
11 | 7月1日 | 静岡 | 海洋公演 | 女(20か21) | ファン | 某大学のサークル。女性 イントラ1対4の構成。水深30mから急浮上。減圧症の疑い | △ | 反 |
12 | 7月1日 | 静岡 | 大瀬 | 男(47) | 不明 | 水深24mの深さからいつもより早く浮上したところ手足がしびれて嘔吐。 | △ | - |
13 | 7月11日 | 静岡 | 富戸 | 女(23) | 体験 | 体験ダイビング中に水深3〜4m付近で溺れた。 | △ | 反 |
14 | 7月26日 | 愛媛 | 八幡野市 | 男(43) | 講習中 | 事故者が体格が大きかったため、海面で苦しがっているときに、イントラが対応できなかった。 | ● | 反 |
15 | 7月28日 | 静岡 | 吉田海岸 | 男(47) | 自己計画 | 事故者は携帯用タンクを使って単独ダイビングを行う。沖合い200mで発見。溺死。 | ● | 自 |
16 | 8月5日 | 和歌山 | 小浜海岸 | 男(32) | 自己計画 | 午後5時から2人で潜水開始。バディは組まずに単独ダイビング。海底で発見。溺死。 | ● | 自 |
17 | 8月15日 | 北海道 | 浜益村 | 男(47) | 自己計画 | 遊泳禁止区域の海岸に2人でバディを組まずにダイビングを行う。事故者は同海岸の沖合約20m、水深約4mの海底に沈んでいた。溺死 | ● | 自 |
18 | 8月15日 | 鹿児島 | 宇治島 | 男(67) | 自己計画 | 潜水指導員であり、また某潜水協会の設立者である事故者は、単独で潜水を開始。事故者は水深約18メートルの海底で発見。溺死。 | ● | 自 |
19 | 8月15日 | 静岡 | 川奈 | 男(38) | 不明 | 深さ9.3mを6人でダイビング中に海水を飲んで溺れた。 | △ | - |
20 | 8月19日 | 静岡 | 富戸 | 女(23) | 不明 | 入水時に海水を飲んで溺れた。 | △ | - |
21 | 8月23日 | 静岡 | 富戸 | 女(56) | ファン | 女性は経験が100本程度あったが、水深5mから、浮上をコントロールできなくなって急浮上した模様。意識が回復せずに9月6日に減圧症で死亡。 | ● | 自 |
22 | 8月26日 | 福井 | 越前海岸 | 男(45) | 不明 | 友人と2人でダイビング中。事故者は水中ではぐれた。バディが浮上したところ水面で発見。溺死。 | ● | 自 |
23 | 8月27日 | 静岡 | 大瀬 | 女(34) | 不明 | 水深10mで気分が悪くなって浮上、溺水。 | △ | 自 |
24 | 8月31日 | 福井 | 色浜沖 | 女(22) | 講習中 | 1対6。イントラ、海面移動中の講習生の動静が監視できずに、講習生が行方不明になってから海底で発見。 | ● | 反 |
25 | 9月11日 | 静岡 | 大瀬 | 女(23) | 講習中 | 講習生が水中で魚につつかれパニック | △ | 自 |
26 | 9月15日 | 兵庫 | 今子浦 | 女(51) | ファン | 潮に流され漂流 | 〇 | 自 |
27 | 9月20日 | 新潟 | 寺泊 | 男(62) | ファン | イントラ1人、客3人。事故者のエア消費が早く、イントラが同行してボートまで10m以内のところに浮上。イントラは再び潜行。その後5〜6分程度で浮上すると男性が浮いていた。死因は溺水。 | ● | 反 |
28 | 9月21日 | 静岡 | 伊豆海洋公演 | 男(44) | 講習中 | 水深6mで講習中に男性が急に浮上したのでイントラが抑えようとするとレギュレーターを外してパニックになった。イントラはレギュレーターをくわえさせてゆっくりと浮上させたが、溺死。 | ● | 反 |
29 | 9月24日 | 静岡 | 八幡野 | 女(24) | ファン | 水深15mくらいのところでフィンが外れたときパニックになりレギュレーターを外した。インストラクター(ガイド)が自分のオクトパスをくわえさせてゆっくり浮上したが溺死。 | ● | 自 |
30 | 9月30日 | 沖縄 | 伊計島灯台 | 男(28,28) | ファン | 離岸流に流されて漂流。1人は自力で海岸へ。他は救助に来たサーフボードにつかまって漂流しているところを救助される | 〇〇 | 自 |
31 | 10月8日 | 和歌山 | 田村海岸 | 男(50) | 不明 | 浮上時にボートの船底にぶつかって頭部を負傷 | ▲ | 自 |
32 | 10月15日 | 静岡 | 神子元 | 男(30) | 不明 | 水深20m付近で気分が悪くなってレギュレーターが口から外れて沈みかけたので一緒にいた人が気付いて浮上した。溺水。 | △ | 自 |
33 | 10月15日 | 愛媛 | 舵取鼻灯台 | 男(45) | ファン | 単独ダイビング時の減圧症 | ▲ | 自 |
34 | 10月21日 | 千葉 | 西川名 | 男(30) | ファン | 1対7で、一人漂流。自衛隊のヘリが発見 | 〇 | 反 |
35 | 10月22日 | 静岡 | 富戸 | 男(51) | 講習中 | 人数比1対4の講習。パニックとなり、インストラクターと浮上した時に溺水。一時心停止状態であったが、その後救急隊によって心音と呼吸が回復し病院に搬送。最大水深26mで32分の潜水。 | △ | 反 |
36 | 10月28日 | 静岡 | 富戸 | 男(60) | ファン | 1対4の人数比でのファンダイブ。事故者が浮上した時に空気がゼロになったのでスノーケルで移動中に溺水して意識を失う。救急隊が現場に到着したときには意識が回復。入院。 | △ | 反 |
37 | 10月29日 | 静岡 | 大瀬 | 男(25) | ファン | 事故者は30〜40本の経験。水深12〜13mで空気の残量が少ないことから急浮上しようとして水を飲んでパニックに。減圧症ではない。病院に搬送。 | △ | 自 |
38 | 11月4日 | 東京 | 伊豆大島 | 男(37) | ファン | 人数比1対9。エキジット時、足とつくところで倒れた。CPRを実施したが心停止。この日。他のポイントの海況は大荒れ。 | ● | 反 |
39 | 11月9日 | 沖縄 | 慶良間 | 男(48) | 研究 | エキジット時、船に登ろうとしたところ波にさらわれて、15分後500m離れた海面で発見。溺死。 | ● | 自 |
40 | 11月14日 | 沖縄 | 本部 | 女(65) | 講習中 | 波浪注意報の中、大手スポーツクラブの委託を受けた海洋実習を強行。講習中事故者が苦しんだので浮上。波をかぶって意識を失う。海岸でCPRを実施し意識回復。病院へ搬送。 | △ | 反 |
41 | 11月25日 | 鹿児島 | ネオン崎 | 男(45) | ファン | 単独ダイビング中にエア切れ | ● | 自 |
42 | 11月25日 | 沖縄 | 宮古 | 男(43) | ファン | 事故者は経験7年。130本。通り池内で空気がタンクから供給されなくなってパニックに。通りがかったダイブボートによって港へ。原因は、タンクの空気供給口のシールをはがさないまま潜水したこと。 | △ | 反 自 |
43 | 12月9日 | 愛媛 | 須下灯台 | 男(46) | ファン | 水中写真をとるために水深50mまで単独潜水。エキジットして船内で発症・死亡 | ● | 自 |
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平成13年3月1日