平成17年の事故
(平成18年5月上旬時点で判明した事例に限る)
※ここで紹介している事故は、私が調査してきた情報に、東京大学潜水事故調査委員会との共同調査によって得られた情報を併合した上で簡単にまとめたものです。なおこれまでの調査経験から、実際にはもっと多くの件数が発生していると考えられます。なおここでの評価などは私見です。
なお事故当事者以外の方からの個別の問い合わせにはお答えできませんのでご容赦ください。また申し訳ございませんが、事故当事者(及びそのご家族・ご遺族)と申し出られた方でも、ご本人確認をさせていただくことになりますのでどうかご承知おきください。
●-死亡・行方不明/▲-入院/△-救急車出動・自力で病院搬送(入院した可能性もある)/○-無事/■不明
発生日 | 県名 | ポイント | 事故者 | 分類 | 概 要 | 結果 | |
1 | 2月12日 | 沖縄 | 久米島 | 男(42) | ■ | イントラ同行。 | △ |
2 | 3月20日 | 三重 | 尾鷲市 | 女(51) | ファン | 人数比3対6。 | ● |
3 | 5月2日 | 東京 | 八丈島 神湊漁港内 |
男(54) | 講習中 | 1対1で講習中。 | ▲ |
4 | 5月2日 | 沖縄 | 伊良部島 | 女(35) | 業務 | 帰港中のダイビング船からインストラクターが海中に転落。かなりの出血。 | ▲ |
5 | 5月4日 | 静岡 | 宇須久 | 女(23) | ■ | 事故者は意識がなく低体温。潜水病(減圧症)の疑い。 | ▲ |
6 | 5月6日 | 鹿児島 | 加計呂麻島 | 男(37) 女(28) |
ファン | ガイド(インストラクターではない)1人と客2人のファンダイブ中にガイドが客を二度に渡って見失い。それぞれ1人づつ死亡。 | ●● |
7 | 5月14日 | 沖縄 | ナガンヌ島 | 男(48)(32)(24) | ファン | インストラクタ−1人とダイビング客2人が浮上漂流。 | ○○○ |
8 | 5月29日 | 北海道 | 積丹町 | 男(45〜50) | ファン | 事故者は海面で意識を失う。死因は胸部圧迫による心不全。 | ● |
9 | 6月5日 | 鹿児島 | 桜島沖 | 男(56) | ファン | 知人5人と潜水。バディが事故者を見失う。 | ● |
10 | 6月11日 | 沖縄 | 久米島 | 女(74) | ■ | 減圧症、肺気腫の疑い。 | ▲ |
11 | 6月18日 | 静岡 | 大瀬 | 男(43) | ■ | 溺水 | ▲ |
12 | 6月19日 | 静岡 | 伊豆海洋公園 | 男(49) | ファン | 経験20年以上でインストラクターの資格を持っていた事故者が浮上せず。水中40mで発見。 | ● |
13 | 6月25日 | 宮崎 | 鞍埼鼻灯台沖 | 男(20-24) | ファン | 友人と2人でダイビング。しかし単独ダイブ。漂流。岩場に這い上がる。 | △ |
14 | 6月30日 | 沖縄 | 浜川港 | 女(20-24) | 体験 | 人数比1対2の体験ダイビング中に水中に1人残された体験ダイバーが溺水。 | △ |
15 | 7月2日 | 静岡 | 大瀬 | 男(63) | ■ | 詳細不明 | ▲ |
16 | 7月4日 | 東京 | 八丈島 ナズマド |
男(30) | 調査 | 研究目的で4人で潜水。事故者が単独で浮上。チームはそのまま移動。数時間後、水深11m程度の海底で発見。 | ● |
17 | 7月7日 | 沖縄 | 慶良間島 | 女(40-44) | 体験 | 人数比1対1。水深4mでマスクに水が入ってパニック。 | ▲ |
18 | 7月9日 | 静岡 | 井田 | 男(38) | 業務 | 水深50m付近で単独潜水。行方不明。 | ● |
19 | 7月17日 | 鹿児島 | 屋久島 | 女(30-34) | ファン | 人数比2対8。事故者はプロペラの吸入流に巻き込まれ、頭部裂傷と打撲。 | ▲ |
20 | 7月17日 | 和歌山 | 串本 | 女(64) | ファン | 水深17mから気分不良で浮上。船上で意識を失ったが後回復。 | ▲ |
21 | 7月26日 | 広島 | 沖野島 | 男(25) | ファン | 水深約8mの海底に事故者が沈んでいた。単独潜水及び潜水前飲酒。 | ● |
22 | 7月27日 | 沖縄 | 石垣島 | 男(30-34) | 業務 | インストラクターが安全停止を行わず。減圧症で入院。 | ▲ |
23 | 7月30日 | 静岡 | 初島灯台 | 男(25-29) | ファン | 事故者は水深18mからイントラと共に浮上。浮上時に意識喪失。溺水で入院。 | ▲ |
24 | 7月31日 | 福井 | 舞鶴 | 男(61) | ファン | 仲間8人とファンダイブ。単独ダイビング。事故者レギュレーターを外し、うつ伏せで浮かんでいた。発見時の残圧はゼロ。 | ● |
25 | 8月17日 | 高知 | 宿毛市土佐烏帽子 | 男(55-59) | 単独 | 水深38mの海底で発見。BCの給気パイプの排気側がパワーインフレーター側で外れていた。死因は溺死。 | ● |
26 | 8月29日 | 鹿児島 | 与論島 | 女(25-29) | 業務 | 事故者はイントラ。ダイビング中に減圧症と自覚し減圧症の専門医療機関にフェリーで向かう途中に容態が悪化。 | ▲ |
27 | 8月29日 | 静岡 | 雲見 | 男(66) | ファン | 事故者は残圧が少なくなったのでイントラからオクトパスを借りたが海水を誤飲、パニックとなり急浮上。海面で意識を失う。付近のダイビングボートで酸素投与の結果意識を回復。減圧症及び肺水腫。 | ▲ |
28 | 8月29日 | 福井 | 敦賀市 | 男(49) | ファン | 事故者は単独潜水。翌日海底に沈んでいるのを発見。 | ● |
29 | 9月4日 | 静岡 | 土肥 | 男(37) | 講習中 | 1対2で講習中、イントラが事故者を見失う。後に水深37m付近で発見。 | ● |
30 | 9月9日 | 沖縄 | 竹富島 | 男(20) | 研修 | 事故者は研修生。ダイビングポイントで船を係留しようと潜水した際に溺死。 | ● |
31 | 9月10日 | 和歌山 | 串本 | 女(36) | 講習中 | 1対8で講習中にイントラが講習生を見失う。講習生は溺死。 | ● |
32 | 9月12日 | 静岡 | 戸田 | 女(29) | ■ | 溺水。入院せず。 | △ |
33 | 9月18日 | 和歌山 | 和深 | 男(33) | ファン | 人数比1対6でイントラが客を見失う。後続のグループのガイドが水深14mの海底で発見。 | ● |
34 | 9月23日 | 沖縄 | 竹富島 | 男(53) | ファン | 事故者をガイドが見失う。後に心配停止状態で浮いているのを発見。 | ● |
35 | 10月3日 | 沖縄 | 恩納村 | 女(35-39) | ファン | 事故者がマスクトラブルでパニック。イントラはパニック状態の客をコントロールできずに急浮上。軽い肺水腫で数日入院。 | ▲ |
36 | 10月8日 | 沖縄 | 久米島 | 5人 | 業務 | 客5人が潜水中にダイビング船が転覆。客5人は漁船が救助。船長は翌日溺死体で発見。(船長の死亡は死者にカウントせず) | ○○○○○ |
37 | 10月10日 | 長崎 | 五島市 | 男(58) | ファン | 人数比1対10。事故者は浮上後、ボートが投げたロープに届かず。ショップ経営者も磯波で波にもまれ事故者を見失う。後に海面で事故者が発見された。死因は水死。 | ● |
38 | 10月10日 | 静岡 | 神子元島沖 | 男(46) | ファン | 船長が事故者に気づかず操船を開始。事故者はスクリューにより左手首を左前腕開放性骨折。 | ▲ |
39 | 10月30日 | 静岡 | 大瀬 | 男(61) | ■ | 溺水:重症(2週間入院) | ▲ |
40 | 11月13日 | 千葉 | 鵜原(うばら)港A号防波堤灯台 | 女(40-44) | 講習か体験 | 1対4で講習か体験ダイビング中、客がパニックとなり浮上。呼吸困難から意識喪失。入院。 | ▲ |
41 | 11月17日 | 東京 | 八丈島 ヤケンヶ浜 |
男(49) | ファン | 事故者がポイントまでスノーケルで移動中に溺水。搬送先の病院で死亡が確認。 | ● |
42 | 11月19日 | 沖縄 | 大度海岸 | 男(60-64) | ファン | 事故者はマスククリアの後1人で1-2m急浮上。仲間2人が抑えながらゆっくり浮上。海面で意識を失う。病院で死亡が確認。急性心筋梗塞。 | ● |
43 | 11月19日 | 東京 | 伊豆大島 野田浜 | 女(35-40) | 講習中 | 1対4で講習中にイントラが事故者を見失う。その講習生は他のダイバーが発見して陸に上げた。心配停止状態。そのまま14日後に病院で死亡。 | ● |
44 | 11月25日 | 静岡 | 富戸、伊豆海洋公園 | 女(16〜19) | 不明 | 事故者は水深15〜29m付近から急浮上。頭痛、嘔吐、酸素投入。 | ■ |
45 | 12月3日 | 沖縄 | 恩納村 | 男(20-24) | ファン | 事故者は漂流中、釣り人が投げた釣り糸を胴体に巻きつけて漂流を防止。救助艇によって救助。 | ○ |
46 | 12月9日 | 静岡 | 伊豆渡島秋の浜 | 男(36) | 講習中 | 1対3で混合気体潜水の講習中、水中で事故者は心配停止状態となった。特殊救難隊員のCPRによって呼吸と意識が回復。溺水。 | ▲ |
47 | 12月23日 | 静岡 | 赤沢 | 男(50〜54) | 不明 | 事故者は意識がしっかりしていたが四肢の先が冷たく、両足がけいれん。 | ■ |
死亡・行方不明事故件数 20件 死亡・行方不明事故件数発生比率 42.6%
死亡・行方不明人数 21人 死亡・行方不明者比率 38.9%
生存人数 33人(※但し全員が後遺障害もなく完全な健康体であるとは限らない。重度の後遺障害を負った人もあるかも知れないことを理解しておくこと。)
平成18年5月3日
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