平成22年の事故者 暫定速報
被災者の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
平成22年の事故のうち、私が6月5日現在までで調べることができた、平成22年中の国内の事故の実態は以下のとおりです。
あと少しの情報を待っていますが、ほぼ集まったので暫定速報を開示します。
急ぐ理由は、昨年は大変な事故多発年だったからです。今年の悲しい事故をこれ以上増やさぬように、そのために現時点で公開 することが必要と考えました。
昨年は、何よりも中高年の重大事故が多発しました。
ダイバーの方々も、ダイビング業者の方々も、この事実を肝に刻んで、事故を予防して下さい。
□暫定速報 死亡事故者数と生存者数※
●死亡 32人
○生存 42人※
●※意識不明の重体(昨年前半の事故で年末まで意識不明の方1名。年を越してから意識不明のまま転院。以後の状況不明) の方は、半年間意識不明のままだったということですが、平成23年1月以降のご容体は不明です。この方は生存と分類しています。
○事故者数には、体験ダイバー、講習中のダイバー、ファンダイバー、インストラクター・スタッフダイバーの事故が入っています。
ただ作業ダイバー、密漁目的が明らかなダイバー、潜水漁業従事者の事故は含まれておりません。
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今年もまた繰り返すなら、これからです。注意をお願いします。 |
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沖縄の死亡・行方不明者数が静岡を超えたのは数年ぶりです。 |
![]() 男性の死亡・行方不明者の多さは気になります。 |
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この、死亡・行方不明者の年齢の傾向を見て下さい。 |
昨年は、記録された事故者数は一昨年よりは減っていますが、ヒヤリハットの法則を見るまでもなく、死亡・行方不明者数から推定されるその実態は大変なものと思います。
実際、この統計には、海上保安庁、各地警察、消防、行政機関が認知していなかった重傷の事例が一つ含まれています。ショップのツアーのエントリー時に骨折事故に遭い、ギプスが取れて
歩けるまでに数ヶ月を要した事故です。これはショップが病院に運んだために記録されなかったのです。業者自ら海保や警察に報告をすることもありませんでした。私は直接この方にお会いして、ログブックなどを拝見もしました。
事故はインストラクターの判断ミスが原因であったと考えています。
ここにある事故者数は、全体の事故遭遇者数からみると、その一部だけであるかもしれません。
死亡・行方不明者数の、このこの10年間の推移のグラフから、21世紀に入ってからのダイビングの死亡・行方不明者数の推移と、各年の致死率の推移を見て下さい。
一般に言われている、プロの技量と彼らが行う講習の質の低下と、それによって養成された一般ダイバーの技量の伸び悩み、そして優良プロダイバー数の減少が、このような傾向をもたらしているのでしょうか。
優良業者を見つけて、そこでダイビングをしましょう。
楽しげなだけのところ、安いだけのところ、良いことしか言わないところ、適当ダイバーが集まっているようなショップ、インストラクターの技量を超えた人数を教えたり引率をしているショップやインストラクター、そしてそのようなプロがたくさん属しているようなブランドは避けた方がいいと、個人的に強く思います。
皆さんはどう思いますか?
□事故は人災が多い
ここで示した事実は、事故情報が続々上がってくるダイビング業界(それぞれの「指導団体」では事故報告書の提出を義務づけています。)では、すでに昨年のうちに分かっていたと思います。
しかし、この深刻な状況を踏まえた警告はなされていたでしょうか。アリバイ作り用の警告ではなく、ちゃんとした警告のことです。
ダイビングの事故の多くは、事故に至る過程のどこかで、人間の油断、欲、手抜きなどが関係しています。
それらがなけれは予防できるものが多いのです。つまりこの視点から見た場合は、事故は一種の人災とも言えます。
この事実を決して忘れないで下さい。そして事故を隠す組織や人、メディアには用心して下さい。
ダイビングを愛するあなたには、何ができるのか
□やっぱり優良業者を大切に
少数ですが、ちゃんとした優良なプロや高い意識をもったダイバーがいることを決して忘れないで下さい。プロも一般ダイバーも、彼らをダイビング活動の手本にしましょう。そして皆さん自身が安全にダイビングを楽しむことで、今回の大震災によって、海の世界への見識を広めてくれるノウハウが失われていかないように、彼らを応援しましょう。優良業者が不況で
すべて廃業したら、
ダイビング文化が崩壊し、あるいはお金の収奪手段としてしか存在しないようになってしまうかもしれません。
これは想定外のことで、あり得ないことだと思いますが。
消費者としてのダイバーは、これからは
非優良業者の客であることから脱して、優良業者の客となることが必要です。消費者も大胆に良質へのシフトを実行し、ダイビング文化を支えましょう。
それがダイビングを愛するあなたができる、将来へ向けてのダイビング文化への愛情ではないでしょうか。
平成23年3月24日
3月26日修正
6月5日 改訂版アップ
6日 一部修正
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本内容はあくまで個人的研究に基づく個人の見解です。