漂流時の発見確率を上げる器材

〜命のツール〜


 以前、当ホームページでも紹介した、漂流したときに捜索側がレーダーで捜索できるレーダー波感応型フロート(「レーダーシグナルフロートKRF−10」)を開発した(株)興亜化工が、使い切り型のフロートを発表しました。

 昨今の漂流はマリンスポーツ全般に広がっており、シーカヤックの事故やサーファーの漂流事故も珍しくありません。したがってこのフロートは、いざと言うときに命を救うことになる可能性を秘めていると考えます。

 ◆海洋での使用状況。(c)興亜化工

 ◆真空パックされた状態。

  このように上のビニール部分は折りたためるので、縦横10センチ以内で、厚さも2センチ程度です。
  これは、ズボンの後ろポケットに入れておいてもいいし、口からも空気が入れられるので、マリンスポーツを行う人、及びショップを運営している人は、レンタル乃至は販売で常備すべきでしょう。
  この市場価格は5000円程度ということですが、ダイビングのおしゃれグッズを買う前にまず装備を考えた方がいいのではないでしょうか。

  興亜化工のプレスリリースからこれの仕様を示します。


レーダーシグナルフロートKRF−10の特徴は、
・ フロート内部にレーダー反射材が組込まれており、濃霧や夜間など視界不良時でも船舶のレーダーによる捜索が可能。
・ 使い切型で、真空包装による軽量コンパクト(縦90mm横93mm厚さ20mm)化とメンテナンスフリー、低価格を実現。
・ 展張方法は、本体下側の開口部にオクトパス(補助呼吸装置)やレギュレーター(呼吸装置)を挿入してエアボンベの空気を水中で注入する方式。口から息で膨らます事も可能。
・ 本体の色は、視認性の高いオレンジ色。
レーダーシグナルフロートKRF−10は、本年8月9日から税込み5,460円で発売が予定されている。


 なお、沖縄県のNPO沖縄県ダイビング安全対策協議会がこのフロートに推薦文を出しているので紹介します。


2005.7.25
コメント:真空パックされたレーダーシグナルフルートに寄せて

このたび、レーダーシグナルフロートを製造販売している興亜化工から、この夏に新しい発想で普及型のレーダーシグナルフロートが販売されます。NPO沖縄県ダイビング安全対策協議会(略称:安対協)では、会員のガイドに推奨装備品の一つとしています。安対協では、公的な海洋での救助機関として海上保安庁と民間ガイドダイバーとの合同のダイビング事故対策訓練を行っています。この訓練に際しては、実際にダイバーの漂流事故想定でレーダーシグナルフロートを掲げて巡視船艇や捜索機からの視認性やレーダー捜索等も織り交ぜて訓練を行っています。現場のガイドダイバーからも装備することで安心感があるとの声を聞いています。

今回は、真空包装でパッケージ化された製品です。イザというときにBCから取り出してオクトパスレギから空気をフロート内に送り込み、膨らませて使用することになります。旧来型では海水がしみこんでおり、内部でカビが発生したこともあった。また、ダイビングツアーで器材を携行する際に、海水が滲み出たこともありました。それらを改善した商品としてメンテナンスフリーの小型軽量、しかもフロート内部にレーダー反射材が装備されているためにレーダーでの捜索も可能となったのです。イザという最悪の状況下でも二重三重の性能で捜索勢力へのアピールができる製品であると考えます。これは心強いです。

ガイドダイバーだけでなく、一般ダイバーの方にもセルフダイビングする際に携行することをお勧めいたします。

NPO沖縄県ダイビング安全対策協議会 会長 村田 幸雄


 このホームページをご覧の方で、不幸にも漂流事故にあったときに、このレーダー感応型のフロートを持っていたことで助かった方がいらっしゃいましたら、ぜひメールをください。(メールアドレスはnakadam@hi-ho.ne.jpです。) 

 今年も、現在まで耳に入ってきているだけで、すでに10人を超える人が亡くなっています。
 どんな事故でも、事前の準備こそが、最悪の事態に陥る確率を低くする唯一の方法と思います。
 皆さん、事故に遭わないでください。


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 平成17年9月20日