調査の仕方について と お詫び


 私の事故の実態の調査の仕方についてご説明します。

 私の調査と研究は、最終的にはより多くの事故防止と事故被害者の救済、そして安全意識の高い業者が増えて栄えることに結びつくことを目的とした研究です。

 私の分析やその評価は、消費者の安全を基点とした立場で行うことです。
 時代は“安全”を昔のスタイルの“事情”より優先する時代となっています。
 いずれダイビングでも“事情”が変わるときがくるかもしれません。

 私が事故の数字と内容の分類をするために基礎とするデータは、海上保安庁が発表・提供してくださったものが基本となり最も多く、ついで各地の警察が開示できるレベルでの事実関係、消防の出動記録、及び実際に出動された方からの聞き取り、行政機関が保有して公開可能な資料、事故者本人かその現場にいた方からの話など、そしてマスコミ報道(新聞・テレビ・通信社など)を調査することなどで収集しています。
 海外の邦人の事故情報は、外務省が研究の主旨を理解いただき、特に提供してくださっています。それ以外にも、公的に開示された情報をご提供いただいた場合もあります。
 海外の事故では、日本在住在勤で国籍が異なる方の一例は私の判断で日本のダイバーという分類で統計に入れました。
 他には、入院や通院などが必要になった事故者の方々に面談し、診断書を確認して統計資料に入れた事例もあります。その他には保険金支払い事例をご提供(それ以前に学会などで発表されていたもの)をいただいたもの、保険会社から、特にダイビング事故に対する支払い事例の資料を提供いただいたもの(これらは公的機関の記録に載らない場合もある)、そして私自身の事例があります。
 この他に事故を研究するにあたって、実際に治療にあたっている医師の方々かの、開示できる範囲での情報をいただく場合もあります。その医師の方に研究の熱意を理解していただくために、遠方の病院まで挨拶に行ったこともあります。また国家機関に所属している専門家には、書類を提出して面会の許可をいただいてお会いさせていただいたこともあります。

 また何人もの弁護士の方々からのご協力、さらに裁判記録の閲覧や、事故や裁判の当事者の方々から情報の提供をいただいたり、さらに実際の裁判を傍聴するなどを通して調査しています。
 海外では、事故が多い某リゾート地にある領事館の領事の方々などにもご教示をいただくこともあります。
 その他には、ダイバーの安全に高い志を持っている国内外の一流プロダイバーの方々からのご体験のご教示や薫陶をいただいています。加えて、潜水医学関係の学会での研究発表を聞かせていただいたり、講演を拝聴したり、あるいは論文を拝見したり(分かる範囲でしかないですが)しています。

 ところでこのような調査の過程で、私は一部の個人情報に触れる場合もあります。それは事故の実態把握や、より正確な分析のためです。
 私は個人の研究者であることもあり、個人情報保護法が定める対象ではありませんが、個人情報をむやみに公開することはいたしません。

 このような理由から、私は多くの方々に事故情報のご提供をお願いしているにもかかわらず、特に重大な事故ほど、ご本人か、それに法的に準ずる方以外からのお問い合わせにはお答えしておりません。これは私の方はより多くの情報のご提供をお願いしていながら、こちらからの提供は制限するということであり、普通では身勝手なことと思われると思います。しかしこれは情報をご提供いただく方にご迷惑をかけないようにという事情によりますので、ご理解の程をお願いいたします。

 さてこのような形で私は調査研究を進めていますが、このような調査・研究は継続することが重要です。
 それは、私がこのような調査を平成11年から続けて得られている結果から、より一層その確信を強めています。その確信の結果は、今後の論文などで、より明確に社会にご提供できることになると思います。

 これが私の調査と研究の目的です。
 どうかこの目的の調査のためにも、ご協力をお願いいたします。

 ところで、私があたかも事故者全員にお会いしたり、事故が起きた場所全てないしはそれに準じた地域を訪問調査しているという印象をもたれている方々もいらっしゃるかもしれません。しかしそれは私にとって理想ですが実際とは異なります。実際は、私が研究データとするための調査は、全て根拠のあるデータに当たって確認した上で行っている。というものです。また北海道や静岡、沖縄、先島諸島、在アメリカの公的機関などにも出向いていますが、これも全国津々浦々までというにはほど遠いものです。また理想に対しては、個人では投入できる時間や私財に限界があります。したがってもし私が先述のような印象や誤解をお与えしていたとしたら、それは私の説明や配慮が足りなかったことが原因です。
 私は個人で研究しています。それはプラス面もマイナス面もあります。こういった誤解を与えているとしたら、それはマイナス面の発現であり、私の不徳といたすところでもあります。お詫びいたします。
 なお、私が書いた本などにも、もしそのような誤解を与えた文言や、あるいは誤解をされた方の文章などがありましたら、それは前述のように私の責任であり、深くお詫びをいたします。


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 平成17年9月4日