私的コメント2


 これまでのダイビング事故の増減の経緯から、今年は事故の大幅増加年にあたると考え、年初から心配して注目していました。そのことはこのホームページでも警告していたと思います。
 悲しくもその予想があたってしまいました。
 特に年の前半から事故の増加がひどく、この事実を重く見た、日本の海域において、国民の安全のために日々活動している海上保安庁も危機感を抱いたのだと思います。
 今年の危機的な事故増加の実態と、昨年から特徴的に際立ってきた、インストラクターやガイドの技量とプロ意識の低下には、異様という感想すら受けます。
 これは景気の問題からか、オープンウォーターなどのCカード取得者が減ってきた(エントリーレベル4社合計認定数対前年比92.37% Cカード協議会、「2002年認定動向」から)ことから、業界がインストラクターの資格販売にうまみを見つけて(同 インストラクター人数 106.62%)力を入れた結果ではないかと勝手に思っています。
 以上は私の勝手な感想にすぎません。もしこの感想が完全に間違っていたとしたら、関係業界の皆様には深くお詫び申し上げます。

 昨年から目立つ、業者側の技量低下の実態(人数比1対1、1対2の講習でさえ講習生を死亡させている)が、彼らによって支えられているダイビングマスコミやイベントなどで大きく言及されたことを、残念ながら私は知りません。登山雑誌などでは、定期的に事故の問題や分析、警告を行っているのに、なぜダイビングでは事故の事実が大々的に定期的に行われないのか不思議でなりません。登山雑誌の記事で登山者が激減したなどとは聞いていません。

 話を戻しますが、私はプロダイバーの方々から、「各関係団体を通じて、会員等となっているインストラクターやガイドに対する事故防止に係る安全対策の再徹底等の周知・指導をお願いする」とあるこの文書が、所属する指導団体から、この詳しい内容と意味の周知・徹底が直ちになされたということを聞いていません。
 私は、指導団体からこれについて連絡がないことで、その存在すら知らないインストラクターやガイドが多数いるとも聞いています。
 ただ、この文書の重要部分がカットされた上で、そして現在のビジネスに直接影響しないような形式で、この要約すらの数分の一にまで内容を減らした上で一部知らせたところがあるとは聞いています。
 客であるダイバーの安全のための施策は、結果的にダイビングビジネスの将来の発展よ呼び込むだけでなく、海上保安庁や消防などが出動する回数を減らして、我々の税金が使われる度合いを減らすという社会的利益もあるのに、ただちの周知・徹底(日本語の意味では、”全員に、徹底的に知らせる”ということだと思いますが)がなされないことが不思議ではあります。
 そしてこの内容が「周知・徹底」される時期を逸したことで、もしかしたらその間に誰かが犠牲になったかもしれません。(推定にすぎません)
 残念です。
 
 ダイビングの事故は年間を通じて発生しています。どうかみなさん、海上保安庁のこの文書と行動の意味を真摯に捉え、今後、十分な注意の上、永く事故の防止に努めてください。


平成15年11月2日

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