沖縄県での減圧症の治療への取り組み


沖縄での減圧症治療の現状

 去る6月1日と2日、私は沖縄県に行き、ダイビングの事故の現状と、どうしたらそれを防げるかなどについて、全て自費で、公的捜査機関の方々などと意見の交換を行ってきました。
沖縄の初日は大雨になり、またスケジュールも大変でしたが、大変に有意義な活動ができました。その中で、全国的にも有名な減圧症の治療の専門医である小浜先生(この4月から南部徳州会病院に転籍)と面談した時のお話の中から、その一部をご紹介し、「ダイビングは安全」「泳げなくても大丈夫」「減圧症なんていつのまにか治った」などという、心ないダイビング業界(現場のごく一部の優良業者たちは除く)やマスコミによる情報操作(マインドコントロールとも言えるかもしれない)に惑わされないように、情報を公開します。

※以下の内容は、私が伺った話をメモしたものから起こしており、万が一、私のメモや理解の仕方がまちがっていたままに書いていた場合は、それは私のミスであり、決して協力してくださった方々の責任ではありません。

 小浜先生によると、3月まで在籍していた沖縄セントラル病院では、毎年50人のダイバーや潜水漁業従事者の方々が減圧症の治療の人が来ていたとのことです。これに加えて琉球大学に25人宮古に5人、八重山に5人の計85人と、その他の病院に行っていると思われる人数を合わせると、沖縄県内だけで年間約100人が減圧症の治療に着ていることでした。また減圧症になっても病院にこない人もいるので、それに罹患している人数はこれを上回ることは確実であるとも言っておられました。ただし、沖縄の場合は、レクリエーションだけでなくスクーバ式潜水器具を使っての漁業も盛んなことから、この数字が、全てレクリエーションダイビングでの減圧症とは言えませんが、別の視点で見れば、毎日のように潜水しているプロの漁民でも、減圧症に罹患しているということです。
このように、沖縄県だけで年間約100人が、スクーバダイビング(プロ・アマ交えて)で減圧症に罹患していることは、ダイビング業界やマスコミでは故意に隠蔽されているようとも見えます。
このような情報は、プロ・アマを問わずに、多くのダイバーの健康と生命にとって重要な為、学会での発表や本への掲載を待たずに、公開することにしました。

 なお、小浜先生が語るところによると、これまで140人の減圧症治療を行った後の再発率は130人であったとのことで、他10人はその後他の医院で治療を受けたのでわからないとのことでした。
実際、あるファンダイビングによる減圧症の患者は、結局、1ヶ月に渡るチェンバーによる治療が終わるまで、沖縄から地元に帰れませんでした。
なめてはいけない事例です。当然死亡者もでているのですから。

 このような、減圧症の専門医が沖縄だけでなく日本にほとんどいないという現状や、その育成が遅々として進んでいないという現実の中で、日本で初めて欧米式の減圧症の治療ができる施設が、この6月中旬からの運用を目指して、小浜先生が移られた沖縄本島の南部徳州会病院で建設中であったため、小浜先生にご案内をいただき、その建設中のところを見させていただきました。



 これが完成の後には、このようなイメージになります。




建設中の高気圧酸素治療装置

1.上は患者が入る入り口側から見た内部・・・奥に医師などが入る部分まで全て見えている
2.上は、患者が入る部分から奥を見た状況。・・・医師が入る加圧・減圧室との隔壁の状況がわかる
3.上は患者が治療を受けながら座るイス。
4.上は、装置の外見。ベニヤ板に囲まれている部分は調整装置
5.上は、装置を裏側から見た状況。・・・筒状の形態がわかる。

 


平成13年6月10日

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