神奈川県スキューバダイビング漂流事件 |
東京地裁
昭和六一年四月三〇日判決 昭和六〇年(ワ)第ニニ六〇号 損害賠償請求事件 原告 B(女) 被告 C(男) *原告をB、被告をCとしたのは作者の判断です。 |
※判例全体は長文になりますので概要のみ掲載します。全体について研究なさりたい方は判例集をご覧ください。
< 概 要 >
昭和五九年三月二五目、神奈川県小田原市付近の海洋でスキューバダイビング(背中に背負つた圧縮空気のボンペから空気の供給を受けて潜水する方法)の練習中に、潮流に流され、約二時問漂流の末に、海中で救助された者から、指導員兼バディ(二人一組で潜るのが大原則で、組んだ者同士をバディと呼ぶ)に対して死の恐怖を味わったとして、慰謝料請求がなされた。
裁判所は、指導員兼バディである加害者が、被害者の位置、動静に気を配リ、危険な状態に陥つていないことを確認すぺき注意義務があるのに、請習に参加した他の受講者の指導に気をとられてこれを怠つた過失があるとし、海中に一時間以上も漂流し死の恐怖を味わった被害者に対する慰謝料として金二五万の請求を認容した。