漂流した時に発見してもらうための器材についての話


 私は、2000年4月26日、沖縄県にある石垣海上保安部において、漂流したダイバーを発見するために効果があるものについてお話を伺ってきました。
 その際、1999年に5人のダイバーとインストラクターが漂流して発見されたときの模様を記録したビデオを拝見し、その時に役に立ったフロートの効果についても、発見する側の視点で見ることができました。
 実際、漂流者が発見された時、彼らが輪になって、オレンジ色のフロートを複数本立てていたことが、捜索側が発見する際にいかに役に立ったかが実感できました。この時のように、複数で漂流した場合には、フロートを集中して立てておくことがより効果的であることが分かりました。個人的感想ですが、フロートが1本しかなかったら、発見は、より困難になっていたことでしょう。
 石垣海上保安部の方によると、海上を漂流する際に、発煙筒(火薬の取り扱い上の問題もあるが)が効果的であることが多く、また警備艇などによって海面を捜索するときに、アルミの折畳式の反射版(ボール紙でできているとのこと)であるレーダーリフレクターが大変効果的であると言っておりました。 ダイビング用グッズとしてミラーも販売されていますが、漂流の時には、天気の状態によっては役に立たないことがあるの、との感想をいただきました。この部分については先方の担当官の方も、より熱心に語ってくださりましたので、ダイバーの方々は強く心に留めておくのがいいのではないかと思います。
 レーダーリフレクターについては、私も実物を見たことがなかったので、その私のために先方も探して下さったのですが、たまたま所内になく、その実物の写真などを写してくることはできませんでした。
皆さんも、特に漂流のリスクが高いドリフトダイビングをするときには、自己防衛のために、これらの漂流グッズ(?)を持たれることがいいのではと思います。また、自分が持っていなかったときには、自分が利用するダイビングサービスのガイドに聞いてみましょう。一般的に、漂流の危険を自覚し、そのリスクを減らそうと願っているならば、そのような装備は、ショップやインストラクターは持っていると思いますし、持っていなければならないでしょう。またダイバー個人へレンタルできるように準備もしているでしょう。
 もしこういった準備がまるでなされていないサービスでドリフトダイビングをすることは、それは高リスクなダイビングだと思います。
 ただし、1999年も、フロートをダイバー達にレンタルしてドリフトダイビングを行っていたショップであるにもかかわらず、非常にいいかげんなダイビング管理体制によってダイバーが漂流し、危うく命を落としかけたことがありますので、このようなグッズは、あくまでも補助的なものとして考えてください。

※以上の意見は私の個人的意見です。


平成12年6月16日